
THE NORTH ISLAND
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湿度100パーセントってどんな状況なのでしょう?
以前に僕が持っていたイメージは
湿度=水分。それが100%ということは水中に近い状態。ってことは溺れることもあるのか?
その後サーフィンや冬山登山を始め、波予想や山の天候の予測をする為に必要に迫られ気象学を学び30年以上が経ちます。
関連で湿度の事も少しは詳しくなり
湿度100パーセントとは水中の事ではなく当然、溺れることも無いことを理解しました。
それを踏まえても湿度100パーセントとは、かなり面白く特殊な状態と言えます。
それは意外と身近なところにも存在していますし、天気予報で自分の住んでいる街に出る場合もあります。
今回はそんな湿度100パーセントがどういう世界なのか。
状態から体感を含めて以下の項目で分かり易く解説してみました。
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では湿度100パーセントが、おおよそどんな状態なのかをザックリと解説します。
空気中に含まれる水分には上限があります。
これを飽和水蒸気といって、これ以上水蒸気を含むことが出来ませんという限界値です。
この上限マックスまで水蒸気(水分)を含んでしまった状態のことを湿度100パーセントと言います。
ちなみに100パーセントを超えた水分は視覚化して霧や結露として現れます。
正規の言い方をすると 湿度100パーセントとはその温度の飽和水蒸気に達してしまった湿度の事 と言えます。
はい、ここで新たなワードが出ました。「温度」です。
実は、大気中に含まれる水分量の限界は温度によって違うのです。
なので同じ湿度100パーセントでもその体感は温度により全然違うものになる可能性があり、一概には言えないということになります。
まぁ、少なくとも超快適な環境ではないかと思います。
これは湿度と温度の関係性によって不快度が変わるためなんですね。このあたりはより詳しく以下の記事にて説明しています。
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先ほどの章でも説明しましたが湿度100パーセントとは、その場の空気中にこれ以上水分は蒸発して含むことが出来ませんよ。
という限界点なので洗濯物に含まれた水分は蒸発できずに永遠に乾くことはありません。
例えて言うなら濃霧で霧雨の中、又はミストサウナの中で洗濯物を乾かそうとしている状態です。
仮にこの状況下で洗濯物を乾かすなら部屋の温度を上げると良いでしょう。気温が上がれば、その場の空気中に含まれる水分量の限界が上がります。
例えば、湿度100パーセントで気温10度に含まれる限界の水分量は約10g/m3ですが、これが25度に上がると約25g/m3と倍以上になります。
そうすると湿度は40パーセントまで下がり飽和水蒸気量に余裕が生まれ洗濯物は乾き易くなります。
ですがこれでは今回の湿度100パーセントで洗濯物は乾くか?というお題から外れてしまいます。
再度結論を言うと 湿度100パーセントでは洗濯物は永遠に乾かない。 ということになります。
霧の中は湿度が高くその時の飽和水蒸気量を超え細かな水滴が空中に浮かんでいる状態ですので湿度は100パーセントに近くなります。
また雲の中も同じ状況ですので湿度は100パーセントに近いと言えます。
身近で可能性が高いのはお風呂場です。
湯舟から湯気が出ている状態で風呂場を密閉状態にし、その空間の飽和水蒸気量近くまでお湯を蒸発し続けることが出来れば湿度100パーセントに近づけることが出来るかもしれません。
湿度が100パーセントを超えると飽和状態を越えた水蒸気は透明でいられなくなり、湯気として現れ風呂場の壁や天井に水滴となって付着してゆきます。
こうなったら風呂場の空間は湿度100パーセントにかなり近いと言えます。
ミストサウナも湿度100パーセントに近い状況です。
あまり考えたくはありませんが、仮に部屋の中が湿度100パーセントを超えた場合はどうでしょう?壁、食器、テレビ、あらゆるものに水滴が付いて部屋中ジメジメした状態で非常に気分が悪い環境となります。
実は東京でも湿度100パーセントになったことが何度かありました。
この日は雨ではなく霧、風も殆どなく湿った空気が動かず湿度が上がった結果のようです。
こんな日に部屋の窓やベランダを開け放っていたら部屋の中は湿度が100パーセントになったかもしれません。
下は「twitter東京の天気」のアメダス画面です。
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先の章で軽く触れましたが湿度が100パーセントとならなくとも、屋内の湿度が高いことによる弊害はあります。
その主なものと湿度を下げるいくつかの方法を紹介いたします。
・カビが発生しやすくなる。
カビは「真菌」という菌類の一種です。黒カビや赤カビ、白カビなどさまざまな種類があります。
湿度が60%を超えると徐々に活動し始め、湿度70%の状態が続くと2〜3ヶ月もすればカビが発生し、80%を超えると2週間くらいで発生します。
防ぐには湿度は60パーセント以下に下げ、通気をよくすることで発生を抑えることが出来ます。
・害虫、ダニや、紙魚、チャタテムシが発生する確率が上がる。
高温多湿でジメジメした空間、これらはいずれも「虫」が好む環境でカビが生えやすくなります。
チャタテムシはそのカビやヒトの皮膚片を食べ繁殖します。またチャタテムシをエサとしてダニが繁殖することもあります。
まり害はありませんが見た目が不気味な紙魚もこのような環境を好みます。
これらの虫の苦手な温度は15度以下で、湿度は55%以下といわれています。
季節によっては、温度を合わせるのが難しこともありますが、湿度だけでも低く保ちましょう。
・体力を消耗しやすく熱中症になりやすい。
湿度が高く気温も上がれば熱中症にかかる危険があります。
主な症状としては、めまい、失神、頭痛、吐き気、異常な発汗、体温上昇などがあり、重症化した場合は脳機能障害や腎機能障害などの後遺症が生じたりします。
エアコンなどによる湿度、温度の調整、こまめな水分補給で回避しましょう。
・換気をする。
先ほどの東京のような外気が湿度100パーセントの場合は逆効果ですが、通常外気よりも屋内の方が湿度が高い状態にありますので窓を開ける。
換気扇を回すなどは湿度の低い外気を取り入れることになるので結果、屋内の湿度を下げる効果はあります。
・除湿器を使う。
エアコンの除湿機能も効果があります。
湿度が下がると体感温度も下がることは良く知られていて気温25度で湿度90パーセントでは体感温度は25.7度になりますが、湿度が20パーセントまで下がれば体感温度は21.7度になります。
気温の高い季節にはお勧めの方法です。
・洗濯物は部屋干しをしない。
湿度の高い状態とは空気中の飽和水蒸気の高い状態なので洗濯物の水分は蒸発できず、乾きませんし部屋の湿度は更に高くなってしまいます。
こういう日はコインランドリーを利用して乾燥機もかけてしまうのがお勧めです。
部屋干しで生乾きの洗濯物に嫌な臭いが付いてしまうのも防げます。
・除湿剤を使う。
屋内の湿度が上がれば、収納場所に湿気がこもり、換気も難しいことからこういう場所の除湿をするなら除湿剤が有効です。
見栄えは良くありませんが、祖母がやってた新聞紙を敷いて湿気を吸い取らせるという方法も意外と効果があります。
ただし押し入れやクローゼット、靴箱など、収納場所の使用を想定してた方法なので部屋全体の湿度を下げるのには向きません。
理想的な部屋の湿度については別ページでも詳しく説明しています。
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これは単純な疑問ですが湿度100パーセントがあるなら、対極の湿度0パーセントという状況もあるの?
結論から言うと自然界には湿度0パーセントという状態は存在しません。
究極の乾燥状態の砂漠でも湿度は20パーセント位で、湿度が機器に影響を及ぼすということで砂漠に近い乾燥状態を作り出している航空機内でも同じ20パーセントほど。
ドライサウナで10パーセント~15パーセントと言われています。
あえて言うなら空気の存在しない宇宙空間でしたら湿度0パーセント?と言えるかもしれません。
湿度0パーセントについては詳しく解説しているページがありますので此方もどうぞ。
湿度100パーセントという状況はお分かりいただけたでしょうか。
その空気に含まれる水蒸気量が限界に達している状態のことを湿度100パーセントと言います。
空気に含まれる水蒸気量ですので空気の無い水中は100パーセントとは言えません。
そうして同じ湿度100パーセントでも気温により空気に含まれる水蒸気量に違いがあり、気温が低い場合は少なく、高い場合は多くなるので体感はまるで違ってきます。
気温が高い場合は高温多湿となりジメジメした状態となり、気温が氷点下のように低い場合は、湿度100パーセントでもあまり湿度を感じないかもしれません。
身近なところではミストサウナなど湿度100パーセントに近い環境もあり、東京でも湿度100パーセントになったこともあります。
多湿の環境は体にも良くないので快適湿度40パーセント~60パーセントに屋内はエアコンなどを使い整える必要があります。
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