THE NORTH ISLAND

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湿度0パーセントとは

湿度0パーセントは実在する?その驚きの環境が日本で観測された!


砂漠の湿度って知っていますか?


気温40度以上で地表は水分があっという間に吸収される砂ですから、ひょっとして0パーセントに近いのでは?



実は、そんな砂漠でも湿度は20パーセントほどあります。



それなら過酷な環境で知られる、カリホルニアのデスバレーだとかなり湿度も0パーセントに近いのではないでしょうか。


2020年8月16日の午後3時41分にデスバレーでは世界記録となる摂氏54.4度の気温を観測しました。


この気温なら空気もさぞかし乾燥していると思いますが、この時の湿度でも7パーセントはありました。



ということは...湿度0パーセントの世界って、さぞ厳しいい環境なのではと想像してしまいます。


今回はそんな湿度0パーセントの世界を以下の内容で進めてゆきます。


目次


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湿度0パーセントってどんな状態


結論から言うと、大気(空気)の存在する地球上の自然界では湿度が0パーセントの環境は存在しません。



これは空気が存在する以上、それに含まれる水分(水蒸気)は僅かながらでも存在するので、空気が存在するいじょう湿度0パーセントにはならないということです。


しかも、湿度とは空気に含まれる水蒸気量のことなので、空気が存在しなければ湿度○○パーセントという概念自体存在しないことになります。



慎重派のアオイ

確かに空気の無い宇宙空間には湿度という概念はありませんね。

ですが自然界でも、冬の内陸部で晴天・乾燥・強風といった条件が重なると、極端に湿度が下がり湿度0パーセントに限りなく近くなることがあります。


このような環境では、空気が乾ききっているため、肌や喉が乾燥しやすくなり、木造建築や植物にもダメージが出やすくなります。


また、湿度が極端に低下すると静電気が発生しやすくなったり、火災が起きやすくなるといったリスクもあります。


人工的には、精密機器を扱うクリーンルームなどで湿度0パーセントに近い状態が維持されることがありますが、私たちの日常生活の中では、きわめて非日常的で注意が必要な環境といえるでしょう。



実際には、完全なゼロになることは非常にまれで、観測上もごく限られた条件下でのみ確認される現象です。



イントロでは砂漠の湿度のお話しをしましたので、逆に南極あたりの湿度も知りたくなりますよね。


極寒の南極であれば空気中の水分も凍ってしまうので、湿度は0パーセントに近くなりそうですが...


ということで、2005年12月19日の南極の昭和基地、札幌、東京の気象データがありましたので見比べてみました。



場所 平均気温 平均相対湿度
南極昭和基地(標高18m) -1.7℃ 81%
札幌(標高17m) -2.3℃ 61%
東京(標高6m) 4.2℃ 31%


空気中に含まれる湿気そのものの量を調べるときには「絶対湿度」空気 1kg中に含まれている水蒸気の量を比べないと、なんとも言えないのですが意外にも南極の湿度はそれほど低くないようです。



ちなみに南極で観測史上最低気温は1982に観測したマイナス45.3℃でその時の湿度は25パーセントでした。



常識派のサトシ

気温が低いと含む水蒸気量は少なくなるので25パーセントでも充分に乾燥はしていますが...0ではないですね。

で、話が終わると、予想どうりというか、面白くないですよね!



実は、日本国内で湿度0パーセントを観測したことがあるのですが、これはどういう事でしょう?



次は自然界ではありえないと言い切った湿度0パーセントを国内で観測した時のお話しです。



日本で湿度0パーセントが実在した!?


国内で湿度0パーセントが発表された例はいくつかありますが、代表的なのは2005年4月9日の岐阜県高山市と1971年1月19日の鹿児島県屋久島でしょうか。



そのカラクリは、気象庁の発表では整数を使うため湿度が0.4パーセント以下の場合は四捨五入して0パーセントという発表になります。



とは言え、湿度0.4パーセントって限りなく0パーセントに近いですよね。


慎重派のアオイ

本当ですね!湿度0.4パーセントって、もはや0パーセントと言っていいと思います。

あのデスバレーの7パーセントや、砂漠の20パーセントよりも遥かに低いんですから。


ではこの時に何が起きたのか岐阜県高山市を例に取って見てみましょう。


2005年4月9日 : 最小湿度 高山(岐阜)0%

2005年4月9日、移動性高気圧に覆われて広い範囲に青空が広がったこの日、岐阜県高山市では最小湿度0%を記録しました。

高山市も朝から快晴。乾いた空気を持った高気圧に覆われたため、昼12時の湿度は23%まで下がりました。

ここまでなら珍しくない数字ですが、北西の風が吹き始めるとともに、湿度はさらに低下し、13時には6%、そして13時58分、ついに湿度0%を記録しました。

北西の風が吹いたことにより、日本海からの風が白山連峰を超えてフェーン現象を引き起こし、極端に湿度が下がったものと考えられます。

高山では、2009年4月7日にも最小湿度1%を記録しています。この時も北西の風が吹いていました。

日本海との間に白山連峰がそびえるという地形から、高山は最小湿度の記録の生まれやすいようです。

引用元 国立情報学研究所

これが実際には湿度0.4パーセント以下だとしても、正式に気象庁が発表したのですから0パーセントということで良いんじゃないのかなと僕は思っています。



知っておきたい相対湿度と絶対湿度の違い


私たちが「湿度」と聞いて思い浮かべるのは、天気予報などでよく耳にする「相対湿度」が一般的ですよね。


しかし実は、湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」の2つの指標があるんです。


どちらも空気中に含まれる水蒸気の量を表しますが、意味や計算方法は異なりますので、湿度の状態を正しく理解するために雑学と知っておいても損はありません。


今回テーマの湿度0パーセントの環境は、このどちらも限りなく0に近いということになります。



・ 相対湿度とは


相対湿度とは、ある気温における空気が、どれだけ水蒸気を含んでいるかを示す割合です。


たとえば、気温20℃で空気が最大で水蒸気を100g含めるとすると、そのうちの50gしか含んでいなければ相対湿度は50パーセントということ。



つまり、相対湿度は「その気温で飽和状態に対して何パーセント水蒸気が含まれているか」を示す指標です。



常識派のサトシ

天気予報で出てくる湿度はこれですね。

このため、同じ水蒸気量でも気温が高くなると相対湿度は下がり、逆に気温が低いと相対湿度は上がるということが起きます。


冬場に空気が乾燥しやすく感じるのも、気温が低いために空気が含める水蒸気の量が少なくなり、結果として相対湿度が下がるためなんですね。


人間の体感や、カビ・結露の発生などとも密接に関係しているため、身近な湿度の目安として広く使われていますので頭の隅にでも入れておきましょう。



・ 絶対湿度とは


絶対湿度は、空気1立方メートル(m³)の中にどれくらいの水蒸気が実際に含まれているかを、質量(g)で表した数値です。


たとえば、1m³の空気中に10gの水蒸気が含まれていれば、絶対湿度は10g/m³ということになります。



この値は気温の影響を受けにくく、空気中の水分量そのものを把握したいときに使われます。



気象の専門的な観測や、工業・医療分野など正確な湿度管理が求められる現場で活用されています。


家庭用の湿度計などでは相対湿度しか表示されないことが多いため、あまり一般にはなじみがありませんが、加湿器の効果や除湿機の性能を評価する際などには、絶対湿度を参考にするとより実態に即した判断ができるんですね。


温度と合わせて湿度を見たいときには、この絶対湿度の考え方がとても役立ちます。


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湿度0パーセントが発生する条件や環境とは


湿度0パーセントという極端な状態は、日常的にはまず見られない非常に特殊な環境です。


ただし、自然現象や人工環境の中には、限りなく0パーセントに近い湿度が一時的に発生することがあります。


こうした状態が生まれる背景には、気象条件や地形、空気の流れ、そして人為的な湿度管理技術など、さまざまな要因が関係しているんですね。


この章では、自然界における低湿度の条件と、工業・医療などで作られる人工的な超乾燥環境の両面から解説していきます。



気象条件や地形との関係


自然界で湿度0パーセントに近づく現象は、主に「乾燥した空気が一気に流れ込む」「強い日射と高気温」「地形による下降気流」の3つの条件が重なったときに起こりやすくなります。



たとえば、日本国内でも、内陸部でフェーン現象が発生した際に極端な乾燥が記録されることがあります。


フェーン現象とは、山を越えた空気が乾燥しながら下降し、気温が上昇する現象です。


これにより、湿度が急激に下がることがあります。


実際、1971年1月19日に鹿児島県の屋久島でも「最小湿度0パーセント」が観測されています。



1971年1月19日に屋久島は最小湿度0%を記録しました。

この日の天候は1日中曇り、最高気温は17.1℃、最低気温は5.7℃でした。

なぜ湿度が0%となったのか、その理由は定かではありませんが、観測数値は四捨五入なので、厳密にいえば湿度0.4%以下だったということになります。

引用元 ウェザーニューズ

また、2020年5月1日には岐阜県高山市でも湿度0パーセントが記録されており、こうした現象は、冬から春にかけての高気圧に覆われた快晴の日や、乾燥した季節風が吹き込む状況でも見られやすく、火災のリスクも高まります。


乾燥注意報や火災警戒情報が出される背景には、こうした気象条件があるんですね。



人工的に作られた低湿度環境(クリーンルームなど)


一方、自然ではなく人工的に湿度0パーセントに近い環境が作られる場面も存在します。


代表的なのが「クリーンルーム」と呼ばれる無菌・無塵の空間です。



東芝クリーンルーム写真
引用元 東芝HP

これは主に半導体製造、精密機器の組み立て、医薬品の製造工程などで用いられています。


これらの作業では、わずかな水分やホコリも製品の品質に影響を与えるため、極度に乾燥した環境が求められるんですね。



クリーンルームでは温度と湿度が厳密に管理されており、湿度は5%以下、場合によっては1%未満。



除湿には乾燥剤だけでなく、冷却・加熱を繰り返して水分を取り除く高度な空調技術が用いられています。


慎重派のアオイ

クリーンルームの環境ってそういうことなんですね。知りませんでした。

また、国際宇宙ステーション(ISS)や一部の医療機器保存庫などでも、微生物の繁殖や結露を防ぐために超乾燥環境が維持されています。


こうした環境では人間が長時間滞在するには不向きなため、防護服や空調設備を通して間接的に対応するシステムが整えられているんですね。


日常生活では目にすることはほとんどありませんが、私たちの身の回りのテクノロジーの裏側には、こうした「湿度0%に限りなく近い空間」が確かに存在しています。


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湿度0パーセントが人や自然に与える影響とは


では限りなく湿度0パーセントに近い環境ってどんな感じでしょう?


人体と自然界に与える影響を解説してゆきます。



人体への影響(肌・喉・感染リスク)


極端な低湿度は人体には良くない影響が出ることは良く知られていますが以下のような事が起きてきます。


  1. 1.黙っていても肌から水分が奪われていく。
  2. 2.呼吸することにより体内の水分が奪われていく。
  3. 3.極端なドライアイになり目の表面が傷つきやすくなる。
  4. 4.脱水症になる。
  5. 4.感染リスクが高まる。

湿度が0パーセントに近づくと、空気中の水分が極端に少なくなるため、人体にはさまざまな影響が現れます。


まず、肌の水分が奪われやすくなり、乾燥肌やかゆみ、ひび割れといったトラブルが起きやすくなります。


成人男性で体重の60パーセント、新生児で約80パーセントが水分でできています。これが急速に失われていくのですから、かなり過酷な環境といえます。


また、喉や鼻の粘膜も乾燥し、防御機能が低下します。


これにより、風邪やインフルエンザなどのウイルスが侵入しやすくなり、感染リスクが高まるのです。


常識派のサトシ

うわ~これはキビシイですね。

とくに冬場は気温の低下と合わせて湿度も下がりやすく、乾燥による体調不良を感じる人が増えます。


乾燥による目の違和感やドライアイ、コンタクトレンズの不快感なども湿度の低さが一因です。


このような環境では、命の危険すら感じます。



植物や木造建築物へのダメージ


湿度が極端に低くなると、植物や木造建築物にも大きな影響が現れます。


植物は乾燥した空気にさらされると、葉から水分が急速に失われ、しおれや枯死の原因となります。


特に室内の観葉植物や湿潤な環境に適した種類は、0%に近い湿度では管理が難しくなります。



また木材は空気中の水分を吸収・放出する性質があるため、湿度が低すぎると縮みやひび割れが起こり、柱や床の歪み、建具の不具合につながります。



加えて、乾燥によって落ち葉や草木が非常に燃えやすい状態になり、山火事のリスクも高まります。


実際、ここ数年は国内でも乾燥と強風が重なり大規模な山火事が発生する例が増えています。


湿度が限りなく0パーセントに近い状況は、生命が生きていくにも自然環境にも厳しい環境と言えると思います。



* 人と自然にとって快適な湿度を解説しているページもあります。



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対極の湿度100パーセントってどんな状態


ではでは、湿度0パーセントの対極にある湿度100パーセントの環境ってどんな感じなのでしょう?



実は、湿度100パーセントの環境は僕達の周りにけっこうあります。



例えばミストサウナなんかもそうですし、自然界の中でも頻繁に起きています。


下の図は冬の北海道、氷点下の赤井川村に出された湿度100パーセントの予報です。



湿度100パーセント図
引用元 YAHOO天気・災害

湿度100パーセントって高温多湿の夏に起きるものだと思っていたので、冬の氷点下の気温の中でも起きているのを知ってビックリでした。



そもそも、湿度100パーセントとは、その気温の空気が含める水蒸気量の限界まで達した状態なので条件さえそろえば起きるんですね。



慎重派のアオイ

うわ~これも体に悪そう!

その体感はもう水分が蒸発出来ない状態なので、汗は乾かず、洗濯物は濡れたまま、布団もしっとり湿気を含み...みたいな状態なので、超不快な環境です。



* そんな湿度100パーセントについては、さらに詳しく説明しているページがあります。



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湿度0パーセント あとがき


湿度0パーセントという状態は空気が存在する限り無いということが分かりました。


それなら空気の無い宇宙空間では湿度0パーセントという状態はあるのか?


湿度とは空気に含まれる水蒸気量のことを言うので、空気が無ければ湿度○○パーセントという概念も無くなります。



ですが気象庁の発表で湿度0パーセントと発表されることが稀にあります。


これはどういう事なのかと言うと、気象庁の発表の数字は整数を使い、小数点以下は四捨五入されますので、0.4以下は0という表現になります。



よって湿度0パーセントいう発表があっても、それは0.4以下だったという解釈になります。



しかし、砂漠の湿度が約20パーセント、乾燥していることで知られるドライサウナでも15パーセントの湿度があります。


さらに過酷な自然環境で知られるデスバレーで最高気温を記録した日でさえ7パーセントの湿度がありました。



そう考えると日本国内で測定された湿度0.4パーセント以下の状態でも驚愕に値します。



湿度の話をするときは温度もセットで考えなければ正確な状況とはならないのですが、それにしても0.4パーセント以下は驚異です。


この辺の事を知ると、いま自分が居る環境がいかに快適かが理解出来、感謝したい気持ちになります。


今回、文中でリンクしたのと、その他の湿度に関する記事です。



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