THE NORTH ISLAND
welcom to nature of hokkaidou
実は今までは気象庁が観測する地点で、風速50mという風速を観測されることは殆どありませんでした。
ですが近年、温暖化の影響もあり台風が大型化し観測される風速の値も高くなる傾向にあります。
そこで気象庁は今まで風速40m以上が最大だった平均風速の最大クラスを新たに「50m以上」という値を新設し、突風の強さを示す指標として「木造住宅が著しく変形、倒壊する」「鉄筋コンクリート造の集合住宅で、ベランダの手すりが広範囲でゆがむ」などの表現を加えました。
50メートルの部分が新設された部分です。
引用元 読売オンライン
いままで国内の観測点で風速50mを観測した主な場所は静岡県・富士山(72,5m)、高知県・室戸岬(69,8m)、沖縄県・宮古島(60,8m)など全国9地点ですが今後は台風の大型化に伴い風速50m以上の猛烈な風に見舞われる地域が広がる恐れがあるとしています。
このような被害をもたらす風速50mの風について、体感的にはどれほどのものなのか、公共の交通機関への影響、また起こりえる被害、風害現象。
また過去に観測された国内最大風速地点なども以下の内容で解説しています。
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今のところ風速50mを日本語で表現する気象用語は「猛烈な風」となっています。
じつはこれ風速30m以上全てで使われている表現なのですが、気象庁の最大風速レベルが40m以上というクラスしか無かったことによりこうなっています。
イントロでも書きましたが今後は50m以上というクラスが新設されるということですので、新な表現が出来るかもしれません。
気象予報などで報じられる風速は、実際には地上約10メートルの高さにおける10分間の平均風速を計測し単位は(m/s)を使います。
例えば風速50mを分かり易く時速に換算すると以下の計算になります。
50(m/s)× 60(秒)×60(分)=180000(m)。時速180kmにあたります。
プロのピッチャーでもこの球速のボールを投げれる選手はいません。
つまり風速50mとは体感的には時速180kmで走る車の窓から顔を出して当たる風の感じです。
ちなみにこれは平均風速の話で、風は一定に吹いているわけではなく瞬間的に1,5倍~2倍ほどの80m~90m以上の突風が吹くことも珍しくないことを覚えておきましょう。
「風速50m、ビル風の脅威 台風時期前に公開実験」実験映像です。
* その他に各風速を解説したページもありますので参考にしてみてください。
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やってみたいと思う人は居ないと思いますが、この風速での野外アクティビティーは全て不可能です。
というか野外に出るという事自体に命の危険を感じるはずです。
公共の交通機関は運転見合わせ、高速道路は通行止め、一般道も場所にとっては通行止めとなっているはずです。
外遊びは考えず、安全な場所でこの状況が過ぎるまですごしましょう。
アクティビティー | 可能度 | 影響 |
---|---|---|
キャンプ | × | キャンプ場自体が閉鎖しています。 |
登山 | × | 平地で30mの予報が出ていれば山では50m~60mの可能性もあり遭難の危険性があります。 |
自転車 | × | この風速ではまともに走れず転倒の危険があります。 |
ランニング | × | 快適に走れるのは風速4m/sまでで10m/sが限界点。これ以上はまともに走れません。 |
短距離走 | × | 競技会であれば中止されますし競技場自体が閉鎖されてます。 |
走り幅跳び | × | 競技会であれば中止されますし競技場自体が閉鎖されてます。 |
野球 | × | プロ野球であれば中止、草野球でも野外では無理でしょう。 |
サッカー | × | 風に対する中止規定は無く観客に危険が及ばない状況であれば、どんな天候でも行われますが、スタジアムに向う交通機関に影響が出ると中止になります。 |
ゴルフ | × | 競技ゴルフの場合、天候による競技中断や中止に明確な基準はありませんが、グリーン上のボールが風で勝手に転がったりティーアップしたボールが落ちるなどの状況は中止となります。 |
アーチェリー | × | 風に対しての明確な決まりはないが、的が倒れるなど審判が危険と判断した場合は中止。またアーチェリーの弓は金属またはカーボン製なので、雷が鳴った場合は必ず中断となります。 |
テニス | × | 強風による中止基準は特にありませんが、8m/s位がリミット。 |
スポーツカイト | × | 一般的な中風用のカイトでは風速3m/s~風速6m/s位で行うのが安全。30mは論外。 |
釣り | × | 磯、船とも海がシケているので海に近づく事自体が危険です。 |
ウインドサーフィン | × | 海が大シケとなる為、海に近づく事自体が危険。 |
サーフィン | × | 波の面に影響が出始める風速5m/sがリミット。それ以上の風速で海に入るのは危険。 |
SUP | × | 風に流される風速5m/sがリミット。40m/sは論外。 |
スキー・スノーボード | × | ゴンドラ、リフトとも運休になるので不可。 |
改めて書く必要も無いかと思いますが、風速50mでは全ての公共交通機関は運休となります。
この風速では電車やバスの横転も考えられ、そもそも普通に歩くこと自体が困難な状況です。
加えて台風などの接近による風の場合は猛烈な雨となる場合もあり河川の氾濫も予想されます。
私鉄の場合の降雨量で判断する場合は、1時間あたり40mm以上、継続300mm以上の雨で運転見合わせになるケースが多いようです。
また2018年9月の台風24号以来、首都圏の鉄道各社は台風接近などに際し、事前に運休を告知する「計画運休」を本格的に実施しています。
これは予報値を元にした判断であり、下述している規制値が必ずしも基準になっていません。勿論、高速道路は通行止めとなります。
一般道も路肩が弱い場所や土砂崩れなどが懸念される所は通行止めになります。
そもそも徒歩であれ自家用車であれ外出すること自体に命の危険が伴う状況と言えます。
以下に一般交通機関が運休する条件をまとめてみました。
交通機関 | 影響 |
---|---|
JR | 20~25m/sで速度規制。25m/s以上で運休。 |
地下鉄 | 地上部は風速25m~30mで全て運転見合わせ。 |
旅客機 | 風向や滑走路の路面状態にもよるが離発着する空港の風速が25m以上で欠航の可能性大。 |
フェリー | 各社、規定により違うが東京湾フェリーの場合、 金谷、久里浜両港が風速18m/s、波高1.2m、視程500m以下となった場合は運休となる。 |
路線バス | 風速20m/sでおおむね運休。 |
高速バス | 高速道路が通行止めとなる風速20m/sで運休。 |
モノレール | 各社規定によるが、おおむね風速20m/sを越えると運休となる。 |
ロープウエイ | 各社規定によるが、おおむね風速15m/sで運休となる場合が多い。 |
スキー場のリフト | 各社規定によるが、ペアリフトは18m/s、ゴンドラは15m/sで運休となる。 |
高速道路 | 風速10mから15mで速度規制が入り、(法定速度100km/hのところなら50から80km/hに)、20m/s~25m/s以上で通行止めになる。 |
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風速30mで雨や雷がつくと暴風雨という天候になり、強い台風や大きな低気圧が直撃した天候になります。
雨はその強さ(降水量)にもよりますが、例えば風速50mで一時間降水量が4mm/h位、それに雷が付くと災害級の嵐ですね。
分かり易くどの位の雨が降るかと言えば、直立した人の上 (50cm×50cm)に30分で500mℓの水が降る感じで、雨具を用意しても風でずぶ濡れになりますし、まともに立っていられません。
簡単に言うと風速50mで貴方が立っている50cm×50cmの範囲に30分で缶コーヒーのロング缶(250mml)約2本分の雨が降る。
体感的には時速180kmで走る車の窓から顔を出して雨が当たる感じですので、目を開けることも呼吸も難しくなります。
外出は止め避難も想定しテレビ、ラジオ、ネットなどで情報を集めましょう。
避難指示や避難勧告が出る天候ですし、公共の交通機関も運休となります。
降る雨の量によっても状況は大きく変わります。以下に降水量の目安をまとめた記事がありますので参考にしてみてください。
また、これに雷が加わると屋外に出る事自体が危険となります。対処方法についてまとめた記事もありますので、こちらもどうぞ。
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台風による強風や大雨が原因で起きるライフラインの停止に備え、ある程度の水や食料など防災グッズを用意しておくのは必要です。
また、家屋の修繕・補強も早めに済ませておきましょう。
強風に備えて、窓ガラスが割れて飛び散らない様に飛散(ひさん)防止用フィルムを貼ったり、外壁や屋根などを補強したりするのは天候が悪化する前に済ませましょう。
ベランダの植木鉢や玄関先においてある子供用の自転車などは風で倒れたり飛ばされる可能性があります。
室内や、物置やガレージに避難させ、窓や雨戸はしっかりと鍵をかけ、必要に応じて補強、側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておくのも重要です。
窓ガラスが飛来物などで割れて飛散するのに備え「飛散防止フィルム」を貼っておくのが有効です。
また窓ガラスが砕けた場合に備えて、室内のカーテンやブラインドを閉めておくと部屋の中に飛び散るのを防ぐことが出来ます。
飛散物により電線が切れたり、電信柱が倒れる、又は台風に伴う雨により変電所に被害が出るなどして広範囲にわたる停電も予想されます。
そんな事態に備え懐中電灯や電池式ラジオ、水や食料なども準備しておき、合わせて防災グッズを用意しておくのも忘れずに。
学校や公民館など、避難場所として指定されている場所への避難経路を確認。
避難するときは、持ち物を最小限にして、リュックサックなどを使い両手が使えるようにしましょう。
生活用水やトイレ用の水は浴槽にを溜めておくと役立ちます。
また大雨が降って浸水被害が発生している場合は水が流せませんので、非常用トイレの準備も必要になります。
高速道路や一般道の通行止め、JR、航空機などの運休により生活物資や食料が届かない可能性もありますので数日分の食料、飲料水は事前に確保しておくのが重要です。
ただこの時に他の人への配慮も必要で、不要な買い占めは行わないようにしましょう。
備えも大切ですが、避難指示、避難勧告が出た場合は手遅れにならないうちに避難しましょう。
すでに暴風になってしまったなどにより、避難所への移動自体危険と思われる場合は出かけずに家の中の安全な場所で過ごすというのも選択肢に入ります。
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日本に接近して風速50m以上の最大風速、又は瞬間最大風速をもたらした直近の台風です。合わせてその時のニュース動画も載せてみました。
2020/10 台風20号
台風20号は、日本本土からは離れていたものの発達しながらゆっくりと北上し、28日(木)から29日(金)ごろに、小笠原諸島に接近。小笠原諸島では大荒れの天気となりました。
・アジア名:マーロウ(Malou)
・強さ階級:強い
・中心気圧:965 hPa
・最大風速:35m(日本接近時)
・瞬間最大風速:50m(日本接近時)
ウェザーニュースによる台風20号のニュース動画です。
2020/9 台風10号
台風10号は記録的な暴風で各地に被害がもたらされた。長崎県長崎市野母崎町で最大風速44.2m/s、最大瞬間風速59.4m/sとなり、南西諸島や九州を中心に猛烈な風を観測し、観測史上1位の値を超えるなど、記録的な暴風となった台風です。
・アジア名:ハイシェン(Haishen)
強さ階級:非常に強い
中心気圧:910 hPa
最大風速:40m(日本接近時)
瞬間最大風速:50m(日本接近時)
日テレNEWSによる台風10号のニュース動画です。
2020/7 台風9号
フィリピンの東の海上で発生した後、海水温31度という非常に高い海上を通過したことにより発達。9月1日にかけて沖縄へ再接近したおりには。最大風速50m/sまで発達しましたた。
・アジア名:メイサーク(Maysak)
強さ階級:強い
中心気圧:935 hPa
最大風速:40m(日本接近時)
瞬間最大風速:54m(日本接近時)
テレ東BIZによる台風9号のニュース動画です。台風が接近した沖縄の中継映もあります。
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今回のテーマの風速50mでも中々体験することはありませんが、国内ではどの位の風速がどの地域で観測されているのだろう?と思い調べてみました。
気象庁が観測を始めてからの風速ランキングになります。最大風速、瞬間最大風速 とも歴代一位は富士山で観測されています。次は沖縄県が圧倒的多数となります。台風の通り道なのでこの風速が観測される機会も多いのだと思います。
最大風速 (10分間の平均風速の最大値 各地点の観測史上1位の値を使ってランキングを作成)
順 | 地点 | 風速 | 起日 |
---|---|---|---|
1 | 静岡県/富士山 | 72.5m/s | 1942年4月5日 |
2 | 高知県/室戸岬 | 69.8m/s | 1965年9月10日 |
3 | 沖縄県/宮古島 | 60.8m/s | 1966年9月5日 |
4 | 長崎県/雲仙岳 | 60.0m/s | 1942年8月27日 |
5 | 滋賀県/伊吹山 | 56.7m/s | 1961年9月16日 |
6 | 徳島県/剣山 | 55.0m/s | 2001年1月7日 |
7 | 沖縄県/与那国島 | 54.6m/s | 2015年9月28日 |
8 | 沖縄県/石垣島 | 53.0m/s | 1977年7月31日 |
9 | 鹿児島県/屋久島 | 50.2m/s | 1964年9月24日 |
10 | 北海道/寿都 | 49.8m/s | 1952年4月15日 |
風速ランキングに関しましてはさらに詳しく特集しているページもありますので此方もどうぞ。
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この風速の風が吹くという状況自体が既に災害になっているという事だと思います。高速道路は通行止めになり公共の交通機関も運航の見合わせとなっています。このような状況で出かけること自体が命の危険があるという事です。
住居などの建造物にも被害が出る風速です。木造住宅では倒壊の恐れもあり電信柱や樹木も風により倒れる危険性もあります。気象予報などの情報を出来るだけ多くとり、早めに備えに入りましょう。
今回、調べて気が付いたことがありますが、沖縄県は多くの台風の通り道でありながら、住宅被害の報道が殆どありません。令和元年の国土交通省による新規建設報告によると、沖縄県内の鉄筋コンクリート系の建物が全体の85.56%という数字がでていました。
長年台風の通り道として強風にさらされてきた歴史の中で、風速数十メートルに耐えうる建物は鉄筋コンクリート系のものだという一つの答えなのかもしれません。
何はともあれ気象庁が平均風速の最大クラスを新たに「50m以上」という値を新設したということは、このクラスの風が吹くことが増えるということで、このような予報が出た場合は自身の命を守る行動をしましょう。
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