
THE NORTH ISLAND
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風速10m/sほどでしたら生活していても普通に経験する機会はありますし、僕の住んでいる北国の冬ではそう珍しくない風速です。
他の地域でも低気圧や台風が接近すると10m/sほどの風は吹くことがあると思います。
ちなみに北海道の襟裳岬では風速10m/s以上の風が吹く日が300日以上あるというのが有名です。
でも改めて風速10m/sってどのくらいか、体感などを説明するとなるとちょっと表現が難しいと思います。
ではその風速10m/sの中で釣りやキャンプ、ゴルフなどの屋外レジャー、スポーツはどこまで可能?
フェリーは出航出来る?航空機は飛ぶ?JRは?公共交通機関への影響はどの程度あるの?
今回は風速10m/sが及ぼす屋外活動や、日常生活、公共交通機関などへの影響を以下の内容で解説しています。
目次
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気象庁の採用しているビューフォート風力階級によると、陸上では「葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ」とあります。
風速10m/s では傘などはさすのが難しい状態で、地面の砂埃や葉っぱなどが飛んできて、向かい風では歩きずらいと感じ始めるでしょう。
樹木全体や電線が揺れ始め、高速道路を走行中の車は横風により流される感覚を受けるのもこの風速から。
ディズニーリゾートでは野外のショーやパレードが中止となるのが風速10m/sと言われています。
慎重派のアオイ
実際には地上約10メートルの高さにおける10分間の平均風速を計測し、単位は(m/s)を使います。例えば風速10m/sを分かり易く時速に換算すると以下の計算になります。
10(m/s)× 60(秒)×60(分)=36000(m)。時速36kmにあたります。
つまり風速10m/sとは体感的には時速36kmで走る車の窓から顔を出して当たる風の感じです。
ですがこれはあくまでも平均風速であって、風は一定の強さで吹いている訳ではなく強弱を繰り返しています。
例をあげると、風速6m/s~16m/sの風が吹いていて、その10分間の平均が風速10m/sだったということです。
また3秒間の平均風速のうち、最も強かった瞬間の風速を「最大瞬間風速」と言い、2倍の20m/sの強さなることがあるので侮れません。
* ちょっと手強い「最大瞬間風速」については詳しく解説しているページがありますので参考にして下さい。
常識派のサトシ
ちなみに、風速10m/sとは気象庁の採用しているビューフォート風力階級(下の表)の表現でいうところの疾風となります。
この表現は状況が伝わり易く、ある程度は想像がつくので風の強さの目安になるかと思います。
引用元 日本気象協会
風速(m/s) 名称/風力階級 陸上の様子 海上の様子 0.3未満 静穏/0 静穏,煙はまっすぐに昇る。 鏡のような海面 0.3以上1.6未満 至軽風/1 風向は煙がなびくのでわかるが風見には感じない。 うろこのようなさざ波が立つ。 1.6以上3.4未満 軽風/2 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。 はっきりしたさざ波が立つ。 3.4以上5.5未満 軟風/3 木の葉や細かい小枝絶えず動く。軽い旗が開く。 波頭が砕ける。白波が現れ始める。 5.5以上8.0未満 和風/4 砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる。小枝が動く。 波の小さいもので、長くなる。白波がかなり多くなる。 8.0以上10.8未満 疾風/5 葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ。 水面に波頭が立つ。 10.8以上13.9未満 雄風/6 大枝が動く。電線が鳴る。傘は差しにくい。 白く泡立った波頭が広がる。 13.9以上17.2未満 強風/7 樹木全体が揺れる。風に向かっては歩きにくい。 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。 17.2以上20.8未満 疾強風/8 小枝が折れる。風に向かっては歩けない。 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流される。 20.8以上24.5未満 大強風/9 屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。 大波。泡が筋を引く。波頭が崩れて逆巻き始める。 24.5以上28.5未満 暴風/10 陸地の内部では珍しい。樹木が根こそぎになる。人家に大損害が起こる。 のしかかるような大波。白い泡が筋を引いて海面は白く見え、波は激しく崩れて視界が悪くなる。 28.5以上32.7未満 烈風/11 めったに起こらない。広い範囲の破壊を伴う。 山のような大波。海面は白い泡ですっかり覆われる。波頭は風に吹き飛ばされて水煙となり、視界は悪くなる。 32.7以上 颱風/12 被害がさらに甚大になる 大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる。
思ったほどの強風という印象ではありませんが、動画で観るとそこそこ厳しい状況です。
風速10m/sの辻堂海岸の様子です。
* その他に各風速を0~100m/sまで解説したページもありますので参考にしてみてください。
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以下自分でやっているものも含め、思いつく野外のアクティビティーを風速10m/sで行えるか?ということで調べて表にしてみました。
陸上で行うものはけっこうありますが、海上では海がシケだす風速ということで風を利用して楽しむウインド系以外にはあまりありませんでした。
レジャー | 可能度 | 影響 |
---|---|---|
キャンプ | × | テントを張る事自体が不可能でポールが折れる可能性があります。 |
登山 | △ | 中止を考える境だが雪や雨などが降らなければ可能。 |
自転車 | × | 風速6m/sを越える場合は危険が伴うので乗るべきではない。 |
ランニング | △ | 快適に走れるのは風速4m/sまでで10m/sが限界点。これ以上は危険。 |
短距離走 | △ | 実施可能ではあるが公式な記録として登録されない。 |
走り幅跳び | △ | 実施可能ではあるが公式な記録として登録されない。 |
野球 | △ | プロ野球でも風速に関する明確な規定はないもののZOZOマリンスタジアムでは、2015年に風速14m/sで中止になった例がある。 |
サッカー | 〇 | 風に対する中止は無い。観客に危険が及ばない状況であればどんな天候でも行われる。 |
ゴルフ | △ | 競技ゴルフの場合、天候による競技中断や中止に明確な基準はないが、グリーン上のボールが風で勝手に転がったりティーアップしたボールが落ちるなどの状況は中止となる。 |
アーチェリー | △ | 風に対しての明確な決まりはないが、的が倒れるなど審判が危険と判断した場合は中止。またアーチェリーの弓は金属またはカーボン製なので、雷が鳴った場合は必ず中断となる。 |
テニス | △ | 強風による中止基準は特にないが、8m/s位がリミット。 |
スポーツカイト | × | 一般的な中風用のカイトでは風速3m/s~風速6m/s位で行うのが安全。 |
釣り | × | 磯、船とも海がシケてくる風速なので危険。 |
ウインドサーフィン | △ | 風向きにもよるがエキスパートが楽しめる風速となる。初中級者は× |
サーフィン | × | 波の面に影響が出始める風速5m/sがリミット。それ以上の風速で海に入るのは危険。 |
SUP | × | 風に流される風速5m/sがリミット。10m/sは論外。 |
スキー・スノーボード | △ | 多少風に煽られるが、視界が悪くなければ普通に滑れるコンディション。 |
慎重派のアオイ
風速10m/sでのウインドサーフィンの動画です。風はサイドオフ(陸からの横風)の為、海はさほど荒れていません。
ここで僕の風速10m/sでの雪山登山の経験をお話します。
雪山と言っても春の残雪期登山の経験です。
その日は山裾では北の風4m/sほどですが、登山をする山(オプタテシケ山)の山頂近くは約10m/sの風が吹いている状況でした。
登るのは南面からなので風裏となり、山頂近くでだけ風を受けるので比較的楽な工程...のはずでした。
予報では真北からの風のはずでしたが、標高1700mほどから巻き込んできた北西風に叩かれながらの登山。
4月の残雪期で天気は快晴という天候で気温はさほど低くはありませんが、標高が100m上がるほどに気温は0.6℃下がります。
加えて風速が1m/s増すごとに体感気温は1℃下がり、標高1700mでの体感はマイナス6℃ほど、頂上の2000mあたりではマイナス10℃位だったと思います。
普段ならバラクバを被って顔の風対策をするのですが、さほど寒さも感じなく面倒でもあったのでそこからの3時間ほどはそのまま登りました。
山頂で滑走準備をしバラクバとヘルメットを着用したときに僅かに鼻に痛みを感じていましたが、これが凍傷になっていたんですね。
下山して、汗を流しに温泉に入ったところで感覚が戻ってとても痛い思いをしました。
のちに病院にも行きましたがやはり軽度の凍傷でした。とは言え鼻と頬の一部が黒ずみ、ちょっとカッコ悪かったですね。
違和感を感じたら面倒がらずに対策をしなきゃという教訓を標高2012m、風速10m/sのオプタテシケ山、山頂で得ました。
常識派のサトシ
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風速10m/sが与える一般的な公共交通機関への影響は特にないようです。
この風速ではほぼ影響はありませんがフェリーなど船舶などの場合は風速の他に波高や視界などの要素も関わってきますので風速だけでは一概には判断が出来ないようです。
ただし高速道路に関しては風速10m/s~15m/sで速度制限(法定速度100kmのところなら50から80kmに)が、かかる場合があります。
通行止めとなるのは風速20m/s~25m/sです。
また風速10m/sでは航空機の運航にも影響はありません。横風は13m/sで向かい風は25m/sまでは大丈夫と言われています。
慎重派のアオイ
日常生活で「風が強い」と感じる風速をまとめた記事もありますので参考にしてみてください。
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風速10m/sで雨や雷がつくと暴風雨という天候になり、台風や大きな低気圧が接近した天候になります。
雨はその強さ(降水量)にもよりますが、例えば風速10m/sで一時間降水量が4mm/h位ですと傘は役に立たず、僕なら外出しなければいけない用事は全てキャンセルします。
分かり易くどの位の雨が降るかと言えば、直立した人の上 (50cm×50cm)に30分で500mℓの水が降る感じで、出来れば出掛けたくない天気ですね。
簡単に言うと風速10mで貴方が立っている50cm×50cmの範囲に30分で缶コーヒーのロング缶(250mml)約2本分の雨が降る。
これに雷ですか?どうしても出かけるならタクシーを呼びたくなります。
常識派のサトシ
日常生活にも支障の出る天候ですし野外のレジャー、スポーツなどは当然のように不可能ですので中止しましょう。
以下に降水量の目安をまとめた記事がありますので参考にしてみてください。
また、これに雷が加わると屋外に出る事自体が危険となります。対処方法についてまとめた記事もありますので、こちらもどうぞ。
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風速10m/sのような強い風って何かに利用出来ないの?ということで風力発電について調べてみました。
風力発電機には、大きく分けて2種類に分けられます。
皆さんがイメージする直径数十メートルの風車を回す大型のメガ風力発電機と、都市公園や山小屋、一般ビルや住宅の屋根に載せて使用する小形の風力発電機です。
風速10m/sではどの位の発電量になり、それを売ったらどの位の金額になるんだろうと気になり一般的な家庭用の小型発電機の「エアドルフィン」で調べてみました。
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引用元 新エネルギー・産業技術総合開発機構
年間の発電量を計算すると以下のようになります。
5,690kWh(年間発電量)×55円/kWh(FIT価格)=312,950円/年
312,950円/年は悪い金額ではありませんが、これは机上の計算で、1年を通して10m/sの強い風が常時吹き続ける住宅地は日本にはありません。
高山帯の稜線や襟裳岬などでは可能性があるかもしれません。
ちなみに風が強いことで知られる 全国900以上の山岳地の観測点を除くアメダス地点で、年平均風速が最も大きいのが襟裳岬の観測地点です。
襟裳岬の1981-2010年の年平均風速は8.2 m/s 風速10メートル以上の風の吹く日が年間290日以上あるといわれています。
なお襟裳町では1996年10月襟裳岬近くの丘に、約2憶1600万円を投じて、NEG・MICON 社製の M750-400/100kWを2基、総発電出力800kwのメガ風力発電機を設置、運転を開始していますが、商業用風力発電としては送電設備が脆弱なため企業の立地は実現していません。
慎重派のアオイ
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僕が外遊びをするときに一番気にするのは風ですね。
波乗りではせっかくの良い波を更に良くするのも風なら、まったくの台無しにするのも風です。
冬山でも極端にな言い方をすると、どんなに気温が低くても、どんなに視界が悪くても風さえ弱ければ何とかなります。
キャンプでもそうですよね。風さえ弱ければ気温が低くても、雨でも楽しめます。
なので予報は3つ位の予報サイトを見比べ判断します。
それでも、そこに希望的観測なんかが入ると外すことも。
こういうときは過去の経験が邪魔になることもあり、そこが面白くもあるんですけどね~
以下に他の風速の記事をリンクしておきましたので参考にして下さい。
🔗 風速4mとはどのくらい?キャンプやレジャー、日常への影響を徹底検証!
🔗 風速5mとはどのくらい?日常生活、野外レジャーへの影響を特集!
🔗 風速6mとはどのくらい?体感、外出、レジャーへの影響を特集!
🔗 風速7mとはどのくらい?体感、日常生活、レジャーへの影響を大特集!
🔗 風速8mとはどのくらい?体感からアクティビティの可否まで大特集!
🔗 風速9mとはどのくらい?体感から屋外レジャーの可否まで特集!
🔗 風速15mとはどのくらい強い?外出や交通機関、日常への影響を徹底検証
🔗 風速20mとはどのくらい?飛行機は飛ぶ?車の運転は大丈夫?
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