
THE NORTH ISLAND
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大型台風の直撃や発達した低気圧の通過に伴う気象予報ではたまに出る風速20m/sの予報。
風のみで起きる災害は稀ですが雨や雪など複合的になれば災害1歩手前の風速と言えます。
気象用語でもこの風速となると「非常に強い風」と表現されます。
何かにつかまっていなければ歩くことが困難となり、トタン屋根や瓦は風で剥がれる危険性もあり風に飛ばされたものにより窓ガラスが割れる危険性もあります。
慎重派のアオイ
飛行機やJRなど公共の交通機関に影響が出始めるのもこの風速で、運休や速度制限が始まります。
車の運転も風に煽られ危険な状況となりトラックなど風の影響を受けやすい形状の車は横転することもあります。
この風速の状況下で可能な野外アクティビティーは無いと思いますが、その辺も含め風速20m/sが与える影響を以下の内容で総合的に解説しました。
目次
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気象用語で風速20m/sは「非常に強い風」と表現され、ビューフォト風力では「疾強風」と呼ばれ風力8(17.2m/s~20.7m/s)にあたります。
感覚的には非日常的な強い風なんだろうなという事が想像出来ますね。
ビューフォト風力の表現では、陸上では樹木の小枝が折れ、風に向かって歩けなくなり、海上では大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流されるとあります。
テレビのニュース映像でも風速20m/sの市街地の様子を見ることがありますが、人はまともに歩くことが出来ませんでした。
僕が住んでいる北海道では台風が勢力を保ったままやってくることは稀ですが、それでもたまに大きいのがやってきて慣れていない道民は驚きます。
平成16年9月8日、北海道に上陸した台風18号は瞬間最大風速50m/sを記録し北海道大学内の樹木、約2000本が倒れるなど被害を受けました。
市街地でも看板が飛ばされたり、トラックが横転するなどということが起きていたのが鮮明な記憶として残っています。
常識派のサトシ
ちなみに気象予報などで報じられる風速は、実際には地上約10メートルの高さにおける10分間の平均風速を計測し単位は(m/s)を使います。
さらに風速20m/sを分かり易く時速に換算すると以下の計算になります。
20(m/s)× 60(秒)×60(分)=72000(m)時速72kmにあたります。
つまり風速20m/sとは体感的には時速72kmで走る車の窓から顔を出して当たる風の感じです。
ちなみにこれは平均風速の話で、風は一定に吹いているわけではなく瞬間的に2倍ほどの40m/sの突風が吹くことも珍しくないことを覚えておきましょう。
慎重派のアオイ
やはり「非日常的な強風ということで、不要な外出は控えたほうがいい。」という感じですね。
気象庁の採用しているビューフォート風力階級(下の表)の表現がひとつの目安となると思います。
この表は各風速の状況が伝わり易く、ある程度は想像がつくので体感などえを説明するのに便利です。
引用元 日本気象協会
風速(m/s) 名称/風力階級 陸上の様子 海上の様子 0.3未満 静穏/0 静穏,煙はまっすぐに昇る。 鏡のような海面 0.3以上1.6未満 至軽風/1 風向は煙がなびくのでわかるが風見には感じない。 うろこのようなさざ波が立つ。 1.6以上3.4未満 軽風/2 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。 はっきりしたさざ波が立つ。 3.4以上5.5未満 軟風/3 木の葉や細かい小枝絶えず動く。軽い旗が開く。 波頭が砕ける。白波が現れ始める。 5.5以上8.0未満 和風/4 砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる。小枝が動く。 波の小さいもので、長くなる。白波がかなり多くなる。 8.0以上10.8未満 疾風/5 葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ。 水面に波頭が立つ。 10.8以上13.9未満 雄風/6 大枝が動く。電線が鳴る。傘は差しにくい。 白く泡立った波頭が広がる。 13.9以上17.2未満 強風/7 樹木全体が揺れる。風に向かっては歩きにくい。 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。 17.2以上20.8未満 疾強風/8 小枝が折れる。風に向かっては歩けない。 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流される。 20.8以上24.5未満 大強風/9 屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。 大波。泡が筋を引く。波頭が崩れて逆巻き始める。 24.5以上28.5未満 暴風/10 陸地の内部では珍しい。樹木が根こそぎになる。人家に大損害が起こる。 のしかかるような大波。白い泡が筋を引いて海面は白く見え、波は激しく崩れて視界が悪くなる。 28.5以上32.7未満 烈風/11 めったに起こらない。広い範囲の破壊を伴う。 山のような大波。海面は白い泡ですっかり覆われる。波頭は風に吹き飛ばされて水煙となり、視界は悪くなる。 32.7以上 颱風/12 被害がさらに甚大になる 大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる。
冬の北海道石狩河口橋上での風速20m/sの様子。たまに吹く突風(40m/s以上)でトラックも流されます。
* その他に各風速を0~100m/sまで解説したページもありますので参考にしてみてください。
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高速道路などは風速20m/sから通行止めとなることが多く、高速バスや路面バスも運休となる風速です。
JRの場合は速度制限に入り25m/sを越えると運休になります。
自家用車の運転は可能ではありますが看板や枝、その他の飛散物がぶつかる危険性もあり、よほどの事が無い限りは控えるべきとい言えます。
常識派のサトシ
船舶の場合は波高や視界も影響してきますが風速20m/sではほぼ運休となります。
航空機の場合は横風は13mで向かい風は25m/sまでは大丈夫と言われていますので横風20m/sでは運休になる可能性があります。
ただしそのような場合を想定し方向が違う滑走路が用意されている大きな空港では離発着が可能な場合もあるようです。
以下に風速20m/s時の一般交通機関への影響をまとめてみました。
交通機関 | 影響 |
---|---|
JR | 20~25m/sで速度規制。25m/s以上で運休。 |
旅客機 | 横風は13m/sで向かい風は25m/sまで大丈夫と言われているため場合により影響あり。 |
フェリー | 各社、規定により違うが東京湾フェリーの場合、 金谷、久里浜両港が風速18m/s、波高1.2m、視程500m以下となった場合は運休となる。 |
路線バス | 風速20m/sでおおむね運休。 | 高速バス | 高速道路が通行止めとなる風速20m/sで運休。 |
モノレール | 各社規定によるが、おおむね風速20m/sを越えると運休となる。 |
ロープウエイ | 各社規定によるが、おおむね風速15m/sで運休となる場合が多い。 |
スキー場のリフト | 各社規定によるが、ペアリフトは18m/s、ゴンドラは15m/sで運休となる。 |
高速道路 | 風速10mから15mで速度規制が入り、(法定速度100km/hのところなら50から80km/hに)、20m/s~25m/s以上で通行止めになる。 |
福岡空港 風速40ノット(約20m)オーバーの強風の中着陸してくる飛行機の様子。
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やってみようと思う人は少ないかと思いますが風速20m/sで野外アクティビティーが現実的か一応調べてみました。
しかし、風速20m/sでは現地までの交通機関が止まってしまうためほぼ不可能かと思います。
慎重派のアオイ
アクティビティー | 可能度 | 影響 |
---|---|---|
キャンプ | × | テントを張る事自体が不可能でポールが折れテントも飛ばされる可能性がある。 |
登山 | × | 高所で風を避けるものが無く軽装備では低体温症になり遭難の危険もある。 |
自転車 | × | 風速6m/sを越える場合は危険が伴うので乗るべきではない。 |
ランニング | × | 快適に走れるのは風速4m/sまでで10m/sが限界点。これ以上は危険。 |
短距離走 | × | 実施可能ではあるが公式な記録として登録されない。 |
走り幅跳び | × | 実施可能ではあるが公式な記録として登録されない。 |
野球 | × | プロ野球でも風速に関する明確な規定はないもののZOZOマリンスタジアムでは、2015年に風速14m/sで中止になった例がある。 |
サッカー | × | 風に対する中止規定は無く観客に危険が及ばない状況であれば、どんな天候でも行われるがスタジアムに向う交通機関に影響が出ると中止の可能性も。 |
ゴルフ | × | 競技ゴルフの場合、天候による競技中断や中止に明確な基準はないが、グリーン上のボールが風で勝手に転がったりティーアップしたボールが落ちるなどの状況は中止となる。 |
アーチェリー | × | 風に対しての明確な決まりはないが、的が倒れるなど審判が危険と判断した場合は中止。またアーチェリーの弓は金属またはカーボン製なので、雷が鳴った場合は必ず中断となる。 |
テニス |
× | 強風による中止基準は特にないが、8m/s位がリミット。 |
スポーツカイト | × | 一般的な中風用のカイトでは風速3m/s~風速6m/s位で行うのが安全。 |
釣り | × | 磯、船とも海がシケている風速なので危険。 |
ウインドサーフィン | × | 海がシケとなる為、危険。 |
サーフィン | × | 波の面に影響が出始める風速5m/sがリミット。それ以上の風速で海に入るのは危険。 |
SUP | × | 風に流される風速5m/sがリミット。20m/sは論外。 |
スキー・スノーボード | × | ゴンドラ、リフトとも運休になるので不可。 |
富士山山頂で吹く、風速20m/sの風
これは山裾から20m/sの風が吹いていたという事ではなく、標高を上げるほどに風速が増し、山頂では20m/sの風が吹いていたということです。
下界で風速20m/sであれば富士の山頂での風速は50m/s前後になる可能性があり、登山は不可能です。
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近年注目されている風力発電、強風時にはさぞかし大きな電力を発電するだろうと思いがちですが台風や強い風が吹くときは安全のために自動的に止まるように設計されてます。
この時の風速をカットアウト風速とよび、おおむね25m/s程度に設定されています。
大型風力発電機の場合、強風になるとローターが高速回転して破損しないようにブレードの角度を変える「電動式ピッチ制御システム」を導入しています。
さらに、風速が20m/sを超えると危険回避のため、ブレードを風向きと同方向に制御して回転を停止するという安全対策を取っています。
また風力発電には定格風速というものがあり、これを超えたものに関しては発電出力は一定に保たれます。
常識派のサトシ
この定格風速も各メーカーによって異なってきますがおおむね9~12m/s程度に設定されていて、この定格風速あたりで発電量は最大になります。
よって約風速10m/s位での発電量が最大となり、どんなに風が強くてもそれ以上は一定となります。
ローター径80mの風車機では風速10m/sでの出力は機種により違いはありますが2000kwほどで、ざっくりと言えば約2000世帯の電力を賄えるほどとなります。
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風速20m/sで雨や雷がつくと暴風雨という天候になり、台風や大きな低気圧が接近もしくは直撃した天候になります。
雨はその強さ(降水量)にもよりますが、例えば風速20m/sで一時間降水量が4mm/h位ですと暴風雨となります。
分かり易くどの位の雨が降るかと言えば、直立した人の上 (50cm×50cm)に30分で500mℓの水が降る感じで、雨具を用意しても風でずぶ濡れになりますし、まともに立っていられません。
簡単に言うと風速20m/sで貴方が立っている50cm×50cmの範囲に30分で缶コーヒーのロング缶(250mml)約2本分の雨が降る。
外出は止め避難も想定する天候です。
慎重派のアオイ
日常生活に支障の出る天候ですし、公共の交通機関は運休となるものも出ます。
以下に降水量の目安をまとめた記事がありますので参考にしてみてください。
また、これに雷が加わると屋外に出る事自体が危険となります。対処方法についてまとめた記事もありますので、こちらもどうぞ。
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風速20m/sの影響を解説してきましたが航空機を含め、公共の交通機関は運休などの影響があります。
車の運転も高速道路が通行止めになったり、一般道でも風に煽られたり看板やトタンが飛んでくる可能性もありお勧め出来ません。
本文中でも触れましたが、風速20m/sとは平均風速のことで倍の40m/sの突風が吹く可能性があるんですね。
そうなると歩くのも難しくなり、高さのある車や、トラックも横転の危険があります。
野外で出来るアアクティビティーは、こんな状況なので勿論ありません。
台風の接近などでこのような予報が出たら、ベランダや玄関先の風で飛ばされそうな物の片付けをしたり雨戸の点検をしましょう。
場合によっては避難の準備も必要かもしれません。
不要な外出は控え、用事はあらかじめ済ませておきましょう。
海は近づくこと自体が危険です。気象予報をチェックし今後の天候の変化も調べておくのも必要です。
以下に他の強めの風速の記事をリンクしておきましたので参考にして下さい。
🔗 最大瞬間風速とはをわかりやすく!強さの目安と生活への影響も徹底解説
🔗 風速6mとはどのくらい?体感、外出、レジャーへの影響を特集!
🔗 風速7mとはどのくらい?体感、日常生活、レジャーへの影響を大特集!
🔗 風速8mとはどのくらい?体感からアクティビティの可否まで大特集!
🔗 風速9mとはどのくらい?体感から屋外レジャーの可否まで特集!
🔗 風速10mとはどのくらいの威力?自転車など日常生活への影響を解説
🔗 風速15mとはどのくらい強い?外出や交通機関、日常への影響を徹底検証
🔗 風速50mとはどのくらい?住宅が倒壊する破壊力と風害現象!
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