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風速30mとはどの位

風速30mとはどのくらい?その風害と事前対策を徹底検証!


台風や発達した低気圧の接近に伴い吹くことのある風速30m/sの風は、気象用語では「猛烈な風」と表現されます。


このレベルになると風による災害も心配ですね。



例を挙げると、固定されていないプレハブ小屋が倒れたり、建物の外装材や、屋根のトタンや瓦が剥がれたり飛ばされたりします。



ビニールハウスが潰される被害が出るのもこの風速からです。


フェスや花火などの野外イベントは全て中止となります。


そもそも交通機関が運休となり高速道路も通行止めとなる風速ですので現地にたどり着けなくなります。


そんな風速30m/sにより起こる「風害」や対策、公共の交通機関に及ぼす影響を以下の内容で解説しています。


目次


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風速30m/sの爆風で何が起きる?その状況と体感


風速30m/sともなると、人の体感としては「立っているのがやっと」というレベルの強風です。



この風速では、屋外にいるとまともに歩くことが難しくなり、自転車やバイクに乗ることは身の危険を感じます。


車でもハンドルを取られることがあり、運転には細心の注意が必要で、風を受けやすい箱型のトラックなどは横転の危険もあります。



建物や身の回りへの影響も大きく、屋根の一部が剥がれたり、看板や外壁の一部が飛ばされるなどの飛散物によっての被害も出ます。



特に古い建物や簡易的なプレハブ構造の倉庫などは、被害を受けやすいでしょう。


街路樹が倒れたり、大きな枝が折れて飛ぶこともあり、屋外での行動は危険を伴います。


体感としては、顔や体に当たる風圧が強く、息をするのも難しいほどです。


目を開けるのもつらく、砂や小石が飛んでくると痛みを感じるほどです。


慎重派のアオイ

こんな日は出掛けちゃいけないですよ~といういか速いうちに避難指示が出るかも!

僕が住んでいる北海道の冬なら猛吹雪となり、ホワイトアウトという視界がまったく無くなる状態になります。


こうした強風が予想されるときは、事前の対策が特に重要です。


飛ばされやすいものは固定する、外出を控える、停電に備えて懐中電灯やモバイルバッテリーを準備するなど、早めの準備が安全を守るポイントになります。


以上のように風速30m/sは感覚的には災害級の爆風ということになります。


さらに風速30m/sの体感を分かり易く時速に換算すると以下のようになります。



30(m/s)× 60(秒)×60(分)=108000(m)時速108kmにあたります。



つまり風速30m/sとは体感的には時速108kmで走る車の窓から顔を出して当たる風の強さです。



ちなみにこれは平均風速の話で、風は一定に吹いているわけではなく瞬間的に2倍ほどの60m/sの突風が吹くこともあります。


常識派のサトシ

60m/sですか!まったく想像も出来ないです。

こうなるともう何処か身近な所で災害が起きていると考えた方がいいですね。


気象庁の採用しているビューフォート風力階級(下の表)の表現が体感の目安となると思います。


この表は各風速の状況が伝わり易く、ある程度は想像がつくので体感を想像しやすいです。



風速(m/s) 名称/風力階級 陸上の様子 海上の様子
0.3未満 静穏/0 静穏,煙はまっすぐに昇る。 鏡のような海面
0.3以上1.6未満 至軽風/1 風向は煙がなびくのでわかるが風見には感じない。 うろこのようなさざ波が立つ。
1.6以上3.4未満 軽風/2 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。 はっきりしたさざ波が立つ。
3.4以上5.5未満 軟風/3 木の葉や細かい小枝絶えず動く。軽い旗が開く。 波頭が砕ける。白波が現れ始める。
5.5以上8.0未満 和風/4 砂ぼこりが立ち,紙片が舞い上がる。小枝が動く。 波の小さいもので、長くなる。白波がかなり多くなる。
8.0以上10.8未満 疾風/5 葉のある潅木が揺れ始める。池や沼の水面に波頭が立つ。 水面に波頭が立つ。
10.8以上13.9未満 雄風/6 大枝が動く。電線が鳴る。傘は差しにくい。 白く泡立った波頭が広がる。
13.9以上17.2未満 強風/7 樹木全体が揺れる。風に向かっては歩きにくい。 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。
17.2以上20.8未満 疾強風/8 小枝が折れる。風に向かっては歩けない。 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流される。
20.8以上24.5未満 大強風/9 屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。 大波。泡が筋を引く。波頭が崩れて逆巻き始める。
24.5以上28.5未満 暴風/10 陸地の内部では珍しい。樹木が根こそぎになる。人家に大損害が起こる。 のしかかるような大波。白い泡が筋を引いて海面は白く見え、波は激しく崩れて視界が悪くなる。
28.5以上32.7未満 烈風/11 めったに起こらない。広い範囲の破壊を伴う。 山のような大波。海面は白い泡ですっかり覆われる。波頭は風に吹き飛ばされて水煙となり、視界は悪くなる。
32.7以上 颱風/12 被害がさらに甚大になる 大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる。
引用元 日本気象協会

多くの場合は台風の接近で風が強まることが一般的であり合わせて強い雨も伴う場合もあります。



* その他に各風速を0~100m/sまで解説したページもありますので参考にしてみてください。



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風速30m/sを記録した台風 直近の事例(動画付き)


日本に接近して風速30m/s以上の最大風速、又は瞬間最大風速をもたらした直近の台風を調べてみました。


慎重派のアオイ

けっこう日本にも強い台風が来てるんですね。怖いです。

この記事を書いている2021/11現在でも3件、これが九州や沖縄などの台風の通り道ではさらに多くなります。


2021/9 台風14号


海水面温度が高かったことや、風の条件が台風の発達に適していたことなどから、台風は急発達し、発生から24時間後には、中心気圧945hPa・最大風速45m/sの「非常に強い」勢力になりました。

・アジア名:チャンスー(Chanthu)

・強さ階級:強い

・中心気圧:975 hPa

・最大風速:20m/s(日本接近時)

・瞬間最大風速:30m/s(日本接近時)


メ〜テレニュースによる東海地方に接近している台風14号。18日午前6時40分頃の愛知県や三重県各地の雨や風の様子の中継録画です。


2021/8 台風10号


台風10号は8月7日の夜からオリンピック閉会式のある8月8日にかけて東日本に接近したことで記憶に新しい台風です。この影響で関東、甲信では風雨が強くなり公共の交通機関にも影響が出ました。

・アジア名:ミリネ(Mirinae)

・強さ階級://

・中心気圧:980 hPa

・最大風速:23m/s(日本接近時)

・瞬間最大風速:35m/s(日本接近時)


ANNnewsCHによる台風10号のニュース動画です。関東に最接近 強風域に入った千葉県鴨川市からの中継もあります。


2021/7 台風8号


この台風は上空に寒気を伴うなど、台風と温帯低気圧の中間的な性質を持っているため、台風の中心から離れた地域で風雨が強まりました。7月28日に予定されていたオリンピック サーフィン決勝戦と3位決定戦を前日に前倒しされるなどオリンピックにも影響が出ました。

・アジア名:ニパルタック(Nepartak)

・強さ階級://

・中心気圧:990 hPa

・最大風速:20m/s(日本接近時)

・瞬間最大風速:30m/s(日本接近時)


テレ東BIZによる台風8号の中継映像です。東北に上陸し オリンピックの競技スケジュールにも影響がでました。(2021年7月27日)


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風速30m/sによる公共交通機関への影響



高速道路などは風速20m/sから通行止めとなることが多く、風速30m/sでは高速バスや路面バスも運休となる風速です。



JRの場合は風速20m/sから速度制限に入り25m/sを越えると運休になります。



自家用車の運転は可能ではありますが風の影響の大きなワンボックスなどは横転の危険性があります。



また普通乗用でも看板やトタン、瓦などの飛散物が飛んでくる可能性もあり危険です。運転はやめた方がいいと思います。


船舶の場合は波高や視界も影響してきますが風速30m/sではほぼ運休となります。


常識派のサトシ

ほぼ交通機関は全滅ですし、自家用車での外出も無理ですよね~

航空機の場合はそれぞれの航空会社で、基準となるマニュアルが存在しているようですが、欠航する基準についてはオープンになっていません。


欠航の原因には風向、滑走路の状態なども影響しますが、風速に関しては横風は13m/sで向かい風は25m/sまでと言われています。


ですので離発着する空港の風速が30m/sでは欠航の可能性が大きいと言えます。


以下に風速30m/s時の一般交通機関への影響をまとめてみましたが、ほぼ運休となります。


交通機関 影響
JR 20~25m/sで速度規制。25m/s以上で運休。
旅客機 風向や滑走路の路面状態にもよるが離発着する空港の風速が30m/sでは欠航。
フェリー 各社、規定により違うが東京湾フェリーの場合、 金谷、久里浜両港が風速18m/s、波高1.2m、視程500m以下となった場合は運休となる。
路線バス 風速20m/sでおおむね運休。
高速バス 高速道路が通行止めとなる風速20m/sで運休。
モノレール 各社規定によるが、おおむね風速20m/sを越えると運休となる。
ロープウエイ 各社規定によるが、おおむね風速15m/sで運休となる場合が多い。
高速道路 風速10mから15mで速度規制が入り、(法定速度100km/hのところなら50から80km/hに)、20m/s~25m/s以上で通行止めになる。
スキー場のリフト 各社規定によるが、ペアリフトは18m/s、ゴンドラは15m/sで運休となる。

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風速30m/s 家庭で出来る暴風対策


人的被害を生じるほどの強風は、平地の場合は前触れもなく突然吹き始めることはありません。


慎重派のアオイ

そっか!時間的余裕があるんですね。それなら備えることができますね。

基本的には台風や低気圧などに伴って発生します。


この場合、事前に「強風注意報」や「暴風警報」が発表されますので、その場合の事前に出来る対策をまとめてみました。



屋外に置いてある物は出来るだけ室内にしまうか固定する



強風が吹くと、屋外に置いてある物、植木鉢やプランター、ガーデニング用品、自転車や子供のオモチャなど、色々な物が飛ばされる可能性があります。



台風や強風の警報が出ているときは、このような物を出来るだけ屋内に入れましょう。


大型の物は重しや、ロープで固定するなどの対応が必要です。



窓ガラスは飛散防止フィルムが有効的


かなり強い風でも、その風圧で窓ガラスが割れることは滅多にありません。


飛来物から守るようにするため「飛散防止フィルム」を貼っておくといった対策が考えられます。


また窓ガラスが砕けた場合に備えて、室内のカーテンやブラインドを閉めておくという対応もお勧めです。



夜間に強風が予想される場合の対策



可能であれば雨戸やシャッターを閉め、カーテンやブラインドなどは全て閉じた状態で、窓ガラスが割れた時に備え、窓から離れた場所で寝る。



停電に備えて手元にライト・軍手・靴下・靴を用意しておくなどの準備をしておきましょう。



停電に対する準備


強風そのもので電線が切断されるケースはほとんどありませんが、風で倒れた樹木が電線を切断したことによる停電はあります。


LEDライト、電池式のラジオ、スマホ用予備バッテリー、カセットガスコンロ、夏場であれば冷蔵庫内の食べ物用に予め保冷剤などを冷やしておきクーラーボックスで使うなどの対策も必要になります。



断水に対する準備


風そのものが水道を止めることはありませんが、停電すると給水できなくなる地域の場合は断水をする場合があります。


普段飲んでいる水やお茶のペットボトルを多めに買い足しておけば飲料水が確保出来ます。


生活用水やトイレ用の水は浴槽の水を溜めておくと役立ちます。


常識派のサトシ

水が出なければお風呂もトイレも洗濯も出来なくなるので大事です。

また大雨が降って浸水被害が発生している場合は水が流せませんので、非常用トイレの準備も必要になります。



物通の遅れと外出の制限対策


商店への入荷が遅れたり、自身も外出ができなくなるため、買物が困難になる場合があります。


食料品や生活用品の買物は早目に終わらせ、また停電や断水に備えて、調理せずにそのまま食べられる物も多めに買っておくとよいでしょう。


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風速30mに雨や雷がつくとどうなる


風速30m/sで雨や雷がつくと暴風雨という天候になり、台風や大きな低気圧が接近もしくは直撃した天候になります。


雨はその強さ(降水量)にもよりますが、例えば風速30m/sで一時間降水量が4mm/h位ですと暴風雨となります。


分かり易くどの位の雨が降るかと言えば、直立した人の上 (50cm×50cm)に30分で500mℓの水が降る感じで、雨具を用意しても風でずぶ濡れになりますし、まともに立っていられません。



簡単に言うと風速30mで貴方が立っている50cm×50cmの範囲に30分で缶コーヒーのロング缶(250mml)約2本分の雨が降る。



体感的には時速108kmで走る車の窓から顔を出して雨が当たる感じですので、呼吸も難しくなります。


慎重派のアオイ

これはもう災害ですよ!出掛けるなんて無理です!

外出は止め避難も想定しテレビ、ラジオ、ネットなどで情報を集めましょう。


日常生活に支障の出る天候ですし、公共の交通機関もほぼ運休となります。


降る雨の量によっても状況は大きく変わります。以下に降水量の目安をまとめた記事がありますので参考にしてみてください。


この動画は風速30m/sで1時間50mmの雨を伴なった場合の実験映像ですが、とても外出する気にはなれません。





また、これに雷が加わると屋外に出る事自体が危険となります。対処方法についてまとめた記事もありますので、こちらもどうぞ。



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歴代風速ランキング 国内トップ10


今回の記事のテーマは風速30m/sですが、国内では今までどの位の風が観測されているのか興味がわき調べてみました。


以下の表の風速は気象庁の観測点で測られたものですが、富士山の山頂では瞬間最大風速90m/sなんて想像も出来ない風が観測されていました。


最大風速 (10分間の平均風速の最大値 各地点の観測史上1位の値を使ってランキングを作成)



地点 風速 起日
1 静岡県/富士山 72.5m/s 1942年4月5日
2 高知県/室戸岬 69.8m/s 1965年9月10日
3 沖縄県/宮古島 60.8m/s 1966年9月5日
4 長崎県/雲仙岳 60.0m/s 1942年8月27日
5 滋賀県/伊吹山 56.7m/s 1961年9月16日
6 徳島県/剣山 55.0m/s 2001年1月7日
7 沖縄県/与那国島 54.6m/s 2015年9月28日
8 沖縄県/石垣島 53.0m/s 1977年7月31日
9 鹿児島県/屋久島 50.2m/s 1964年9月24日
10 北海道/寿都 49.8m/s 1952年4月15日
引用元 気象庁 各種データ、資料 歴代全国ランキング


風速ランキングに関しましてはさらに詳しく特集しているページもありますので此方もどうぞ。



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風速30m/sとはどのくらい あとがき


強風が予想される場合は、屋外で飛来物に当たって怪我をしたり、屋根などの修理を行っている際に突風にあおられて転落したりするケースが多くあります。


強風で転倒すると大ケガにつながりやすいため、外出や作業そのものを控えるのが得策です。



屋根や窓の補強は早めに済ませ、停電や断水に備えた準備も必要ですが、場合によっては避難警報、勧告により避難しなければいけない事もあります。



この場合も早めに行動し、間に合わない場合や、夜間は動かない方が安全な場合もあります。


風速30m/sとはそんな災害級の強風と言えます。テレビ、ラジオ、ネットなどで情報を集め被害を受けないか、最小限に済むような準備を早めにしておきましょう。


以下に強風関係の記事をリンクしておきましたので参考にして下さい。



🔗 最大瞬間風速とはをわかりやすく!強さの目安と生活への影響も徹底解説


🔗 風速10mとはどのくらいの威力?自転車など日常生活への影響を解説


🔗 風速15mとはどのくらい強い?外出や交通機関、日常への影響を徹底検証


🔗 風速20mはどのくらいの威力?飛行機や車の運転、日常の影響を徹底調査


🔗 風速40m/sはどのくらい凄い?その凄まじい破壊力と対策を徹底解説


🔗 風速50mとはどのくらい?住宅が倒壊する破壊力と風害現象!


🔗 風速60mとはどのくらい 電柱が折れ車が横転する破壊力と対策を考察


🔗 風速70mとはどのくらい 電柱が倒れ鉄骨の壁も変形する威力を徹底解説


🔗風速100mの恐ろしさを大特集!過去の例と被害の大きさを掘り下げます


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