THE NORTH ISLAND
welcom to nature of hokkaidou
僕がスノーボードを始めたのは1982年ころで、当時通っていたサーフショップで、これがアメリカで流行っているスノーサーフィンというものらしい。
と、2台のデモ機を見せてもらい試乗してからでした。
スノーボード発祥の歴史はそこからさらに遡ること20年前の1960年代となります。
今ではスキー場に行ってもスキーヤーよりもスノーボーダーの方が多いということも珍しくなく、すっかりメジャーなスポーツとなりました。
それだけではなくオリンピック種目となり日本人から金メダリストも出るまでにこのスポーツも成長しました。
今回はそんなスノーボードの発祥の地やルーツについて、以下の内容で迫ります。
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辿れる史実からするとスノーボードの発祥の地はアメリカというのが定説です。
SIMS創設者となるアメリカ、トム・シムス氏が13歳のとき、木工製作の授業でスケートボードのデッキ底にブリキを貼りつけてオリジナルのボードを作ったことが起源とも言われています。
また、1965年、アメリカのシャーマン・ポッペン氏が娘へのプレゼントとして子供用のスキーをボルトで留めて作ったものをBRUNSWICK社から子供用の遊具として販売されたSNURFERが、ルーツであるという説もあります。
世界最古のスノーボードブランドと言われているWINTER STICKも、1972年にデミトリア・ミロビッチ氏によってアメリカ・ユタ州で設立されています。
期を同じくして、同時多発的に1枚の板に横乗りをして雪の斜面を滑る遊びは世界中であったかもしれませんが、それがスノーボードという道具にまで発展したのはアメリカだけでした。
発祥についてはアラスカという説やトルコのカチカル山地、ノルウエーという説もありますが、60年代のアメリカというのは間違いないようです。
ヨーロッパ産まれのモノスキーとは
ちなみに、アメリカより遥かにウインタースポーツが盛んなヨーロッパにも1枚板で滑走するという道具は当然のように生まれました。
スキーをくっつけて1枚板にしたようなモノスキーというもので、製品化や普及率はスノーボードよりも早く、それなりに人気もありました。
日本への輸入もスノーボードより早かったと記憶しています。
横乗り指向のアメリカはサーフィンやスケートボードのようにスタンスを前後にとり、オープンスタンスで横向きに乗るスタイルを追求します。
対して、アルパイン指向の強いヨーロッパは、スキーのように前を向いてクローズドスタンスでのスタイルを追求しました。
結果、発祥地の違いはスタイルの違いとなり、微妙に異なるものへと進化をとげます。
モノスキーは、スノーボードに酷似はしていますが、あくまでもスキーというカテゴリーになります。
ところで、スノーボードはなぜ世界的に広がったのでしょう?
それはスノーボードのファッション性が、広く女性に受け入れられたということにつきます。
スポーツに限らず、世界的ヒットをするものは例外なく女性の心を掴んだものが多いというのも事実です。
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SNURFER発明のきっかけは先の章でも触れたとおり、アメリカのシャーマン・ポッペン氏の娘へのクリスマスプレゼントでした。
それをBRUNSWICK社が製品化したもので、これが後にジェイク・バートン氏が名機 BACKHILL を開発するインスピレーションとなったものです。
以下がその写真となります。
とりあえずノーズロッカーはあり、ターンのきっかけはノーズについたロープで行うようです。
キャンパー無し、サイドカーブ無し、当然エッジもありませんがパウダーなら何とか滑れそうな気がします。
気になるのは滑走性能ですが、古い映像を見つけました。
思ったよりも幅が狭く、ボードというよりは1本物の水上スキーのような印象ですが、よく走っています。
BURTON SNOWBOARD の原型はSNURFERだった
以下の1979年(左)~1984年(右)のバートンの初期型のモデルを見てみると、いかにSNURFER(スナーファー)の影響が大きかったかが良くわかります。
その後、デッキの滑り止めに始まり形状の変化、現代のバインディングの原型となるものまで操作性を追求し、5年後には現在のスノーボードにかなり近い形へと進化してゆきます。
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以下にスノーボード発祥から初めてオリンピック種目に採用されるまでを年表にしてみました。
1960代アメリカで産声を上げたスノーボードの原型は、その後熱心な横乗りフリークにより進化しました。
注目すべきは1971年に日本でもMOSSにより試作機が作られていたことです。
その後1972年にWINTER STICK設立、1976年にSIMS SNOWBOARDs、翌年に1977年にはBURTON SNOWBOARDが設立されました。
当時のブランドイメージはWINTER STICKはディープパウダー、BURTONは大会指向、SIMSはフリーライディングというふうに記憶しています。
それから3年後には初のワールドカップ開催。
発祥から35年後の長野オリンピックでは初のオリンピック種目となりました。
2014年のソチオリンピック、ハーフパイプではついに日本人からメダリスト(平野歩夢/銀 平岡卓/銅)が出ることになります。
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スノーボード発祥の地はアメリカですが、アメリカの何処?
となると、ミシガン州だ!とか西海岸、マウントフットのすそ野だとか、説は色々ですが、その全てが合っている気もします。
アメリカの中でもサーファーやスケートボーダーが同時多発的に雪山をサーフィンやスケートボードのように滑り降りてみたい!
そういう空気が熟した時期であったと考えるのが自然だと感じています。
原点回帰ではありませんが、今、バインディングもエッジも付いていない「雪板」でパウダーを滑るのが一部マニアの間で流行っています。
バートン スノーサーフィン BURTON 22-23 [ THE THROWBACK BOARD ] 雪板
恐らくこの道具がスノーボード発祥の頃の道具に一番近いフィーリングを持っていて、何が当時の横乗りフリークを熱狂させたのかを感じ取ることが出来ます。
雪板に関しては詳しく解説しているページがありますので、こちらをご覧ください。
シーズン中に機会があれば是非体験してみて、スノーボード発祥の頃に思いをはせてみるのも悪くないかと思います
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