THE NORTH ISLAND
welcom to nature of hokkaidou
バックカントリーやゲレンデに限らず、スノーボードをしていて危険を感じたことはありませんか?
以前、いったい自分はどの位のスピードで滑っているのだろうと思い、手持ちのGPSでスピードを計ってみたことがありました。
平日の空いているノンストレスで滑れる環境で、普通に流してる状態では約40kmほど。
気持ちよく板を走らせてると感じる状態では約50km~60kmで、カッ跳んでると感じるスピードは約70kmでした。
これは自分自身でかなり驚きました。
これで転倒したり他のスキーヤー、スノーボーダーと接触したり衝突したりすれば交通事故と変わりません。しかも生身。
そう思っていた矢先にシーズンインして間もなくゲレンデで他のスノーボーダーと接触して転倒するということがありました。
このときは、かなりスピードが出ていたこともあり軽い脳震盪をおこし、自分が何をしていたのか、どこに居るのかを把握するのに数分を要しました。
幸いにもお互いに怪我はありませんでしたが、当たり所が悪ければ大怪我をしてもおかしくない状況でした。
特に頭部の怪我は致命的です。この時感じたのはやはりヘルメットは必要だな。ということです。
スノーボードは基本的に自己責任で滑っていますので自分自身で身を守るのは当たり前の事と言えます。
ヘルメットを被っていれば、避けられる怪我もあるのも事実です。
海外から訪れるスノーボーダーの殆どがヘルメットを着用していることを考えると、もはや世界標準となっていると言えるでしょう。
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下の写真はある日のカナダのゲレンデ風景ですが、見渡す限りの殆どの人はヘルメットを着用しています。
日本でも、外国人のスノーボーダーが増えたことで、ゲレンデでのヘルメット着用率が以前に比べて増えています。
さらに言えば平野歩夢くんから下の世代は被ることに何の抵抗も無いと思います。
ですが僕達オヤジ世代はヘルメットに慣れていません。
僕らがスノーボードを始めた頃は必要なものだという概念自体が無かったので必要性を肌で感じれないというのが正直なところです。
しかし今は全ての世代で安全意識を持つタイミングに来ていることを感じます。
欧米ではヘルメット着用率が8割以上と言われていて、被らないと逆におかしいという扱いを受けます。
そのくらい海外では自己責任という意識が根付いています。
日本のこの40年余りのスノーボードの歴史は「安全意識が育つ前にトレンドとして業界が大きくなってしまった。」という経緯があります。
ですが、これからは「セーフティー」という概念を世界基準にまで引き上げ、安全にスノーボードを楽しむ時期にきています。
ちょっとはヘルメットに興味を持って頂けたでしょうか?ファッション的にもヘルメット良いかも!と思ってきたところで、安全性を重視したヘルメット選びのポイントをお話してゆこうと思います。
丸一日中着用して滑るという事で考えるとフィット感が最重要です。
これは僕が実際に体験したのですが、お店で試着した時は何とも無かったのに数時間被っていたら頭が痛くなったということがありました。
欧米人に比べて日本人は後頭部のハチが張って幅が広いので、割とサイズが大きいものになる場合がほとんどです。
自分はMだと思っていても実際にはLの方が快適なのはよくあります。さらに中にインナーを着けることを考え、サイズ選びをすることが大切です。
という事で、ヘルメットはスノーボードブーツと同様に実際に試着して購入することをお勧めします。
自分のサイズが分かっていても実際に被ってみないと本当に合うかどうかは分かりませんし、ちょっと当たる、気になるところがあると、実際に滑る時は確実に痛くなって被りたくなくなってしまいます。
購入した後にそんな思いをしないように、ヘルメットもブーツと同じイメージで実際に被って、お店の担当者と納得いくまでフィッティングして選んでみてください。
ここは割りと見落とす人も多いのですが、ゴーグルとヘルメットの相性が悪いとゴーグルとヘルメットの隙間に雪が詰まります。
そうして、それが融けてゴーグルのレンズが曇ったり最悪の場合はゴーグルの中に雪や水分が浸入してきたり、ということが起きます。
形状的には平面レンズで角張っているゴーグルだとヘルメットとフィットしない組み合わせもあるので、とにかく試してみることが重要です。
いま使っているゴーグルを持って行って試すのが一番いいかと思います。
下の写真は僕の使っているものですが、ゴーグルとヘルメットを同じメーカーのものにするとほぼフィットします。
開発時には自社のゴーグルに合わせて形状などデザインしていくので合わないということは、まずありません。
僕のはOAKLEYですがPOCやSMITH、Anonなどヘルメットとゴーグルを作っているメーカーは結構ありますので、そういう選び方も選択肢の一つだと思います。
必要か必要でないか、という話では間違いなく必要と言えます。
バックカントリーで狙っていく斜面は障害物の無いオープンな斜面なのですが、山の裾野ではツリーランに入ることが殆どです。
普段であれば立ち木に衝突することは考えられませんが、朝からハイクして良い斜面を登り返して2本。
下山途中のツリーでは雪がモナカ状になっていて脚がとられたり、疲れもあり板のコントロールが甘くなる場面もあります。
こんな時にはヘルメットの必要性を感じます。
また実際にあった事故として、ツリーランで雪崩に遭った場合は40km~50kmのスピードで立ち木にぶつかりながら流されることになります。
これはバットで頭を殴られるのと同等の衝撃がありヘルメットを被っていなければ致命的な怪我を負う可能性があります。
セルフレスキューで掘り出され救出されても命が助からないということになりかねません。
こんな場面を考えてもバックカントリーにおいてヘルメットの着用は推奨されるべきかと思います。
ということで、お勧めのヘルメットを選んでみました。
これは僕が使っているOAKLEYのMOD3というヘルメットです。
ゴーグルがOAKLEYだったので同メーカーのラインナップの中で選ぼうと色々試着しましたが、このタイプが一番しっくりきました。
色はWhite、Dark Brush、Blackoutと3色ありますがウエアが変ってもコーディネートし易いWhiteを選びました。
チンストラップがマグネットラッチ式で簡単装着。
MIPS(多方向衝撃保護システム)搭載で衝撃が加わるとヘルメット内部のパッドがスライドして加わる力を逃がすということで安全性も文句無しです。
スウェーデンの新鋭ブランドPOC。ヘルメットに限らずゴーグルも中々ハイセンスです。
このObex SPINはそのPOCのなかでもハイクラスの安全性を備えています。
強い衝撃に効果的な吸収力を発揮する EPS ライナー、耐衝撃性に優れる PC シェル、耐久性の高い ABS トップシェルを組み合わせたインモールド構造を採用。
さらにPOC 独自開発の衝撃緩和システム SPIN を搭載して高い安全性を実現しています。
ちょっと価格が高いのが難点ですが、かなりカッコいいです。
世界中の数百万人のスノーボーダー、スキーヤー、サイクリストから絶大な支持を受け、世界No.1ブランドのGIRO。
サンタクルーズにあるGIROメインオフィス内のラボ”DOME” には50以上のテスト用機器があります。
3Dプリンター、ゴーグル用テスト機器、プロトタイプ機器、風洞実験施設、そして頭部の温度測定が可能なベンチレーションテスト機器などが備えられています。
そんな中で日本人の頭の形状を徹底的に研究、データ化をし、精製されたヘッドフォームを基に完成されたNEO MIPS/NEOのフィット感は別次元と言われています。
GIRO(ジロ) スキー スノーボード ヘルメット ネオ ミップス アジアンフィット
まずヘルメットに関しての感覚として世代差があるように感じています。。
先ほども書きましたが平野歩夢くんから下の世代は被ることに抵抗が無くなってきています。
パークやキッカーに入る時にも着用することが当たり前になっています。
それに比べ今の30代、40代以上の大半のスノーボード・ユーザーがヘルメット被るということに慣れていません。
それどころか「ヘルメットなんてダセーよ!」なんて声も聞こえてきます。
その辺は世代のギャップがあるように思いますが、頭部への怪我は思ったより深刻な事態を引き起こします。
今世界では、全ての世代で安全意識を持つことがスタンダードになっています。
ヘルメットを被ることが当たり前という意識になってゆけば、不慮の事故で思わぬ怪我をしてしまうなんてことが少しでも減らせると思っています。
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