THE NORTH ISLAND
welcom to nature of hokkaidou
10年ほど前から「スノーサーフ」というスノーボードのスタイルを聞くようになりました。
これは「波と雪山」同じようにアプローチして、同じように楽しもうという、ひとつのスタイルです。
サーフィンやスノーボード、1枚の板に横乗りして同じ感覚、同じような方法で立体的なラインをイメージしてみる。
僕もサーフィンとスノーボードを始めた40年前からそういうふうに捉えてきました。
ちょっと伝わりにくいかもしれませんが、サーファーが雪山を見たら誰しもが考える事です。
当然、道具もそういう動きが出来る物を選ぶようになってゆきます。だってその方が気持ちよく楽しめるから。
今回はそんなスノーサーフを以下の内容で解説してゆきます。
スポンサーリンク
イントロでも書きましたが、スノーサーフィンとは、「波と雪山」同じようにアプローチして、同じように楽しもうという、ひとつのスタイルです。
同じ横乗りなので、スタイルはイメージし易いですが根本的な違いがあります。
それは山の斜面は動きませんが、波は常に動いていてパワーゾーンをキープしていないと乗り続けることは出来ません。
なーんて面倒くさい事を言い出すと、この遊び自体がつまらないものになってしまうので、肩の力を抜いてリラックスしてゆきましょう。
そもそもスノーボードやサーフィンは自由な発想が楽しいスポーツです。
スケーターはスケートボードの動きをイメージした滑りになるでしょうし、サーファーはサーフィンをイメージした滑りになる。
サーファーであれば波と雪山、同じようなアプローチで楽しもうというのは自然な発想です。
波と雪、サーフィンと雪面 同じようなアプローチが出来る代表的なテクニックをあげてみます。
バックサイドの深いカービングターンはサーフィンのボトムターンそのものです。
ちなみにスノーボーダーは恥ずかしながら僕です。
水上と雪面の違いはありますが、板から伝わってくる面の硬さやカービングの感覚は同じです。
波のトップでのターンですが、ボトムからのアプローチや板の反しは雪上も海面も大きな違いは感じていません。
動く波の場合は波のリップが押してきますが、それとて雪庇が出ているリップにアクションするのと大して違いを感じません。
この瞬間も波に対するアプローチと同じ感覚で板を反しています。
最近人気のトリック LAYBACK これが決まると中々気持ちがいいです。
厳密に言うとサーフィンのLAYBACKとスノーボードのLAYBACKとは別物なのですが、それで良いんです。
要は○○ぽくて気持ちが良ければ。
この他にカットバックやフローター、オフザリップなどサーフィンのトリックは雪の上でも殆どが再現して楽しむことが出来ます。
一番分かり易いのは動画を観ることだと思うのでご用意しました。
NISEKO FILMS による 【DOWNCHILL Session】です。
フルレールによる深く大きな弧のカービングターン、バンクなどを利用した3Dの立体的なラインどり。
力が抜け、リラックスしたサーフラインのように雪山をクルージングしています。
またライディングだけではなく、波予想をするときと、良い雪が降る予測をたてるとき、気象情報を集める作業はほぼ同じです。
そういう意味ではバックカントリーに向かう意識と、台風のウネリが入るリーフの波を狙う意識は特に近いと言えます。
究極のスノーサーフ、バックカントリーの記録を取っています。YouTube動画を残しているものもありますので参考になればと思います。
スポンサーリンク
3Dのラインをイメージして上手く地形を利用して楽しめば、それはどんな板、ブーツ、バインを使ってもスノーサーフィンと呼べるものだと思います。
ですが、スノーサーフィンに向いた板、気持ちよく滑れる道具は確かに存在します。
例えば板に関して言えば、サーフボードはロッカー(板の反り)でターンをします。
普通のスノーボードはキャンパーの跳ね返りを利用してターンをするので、ビミョウにそのフィーリングは変わってきます。
また、パウダーランではキャンパーボードはノーズがダイブしようとするのでテールに体重を乗せぎみに滑ります。
しかしサーフボードではそういう荷重の仕方はありません。
なので、なんか違うな~ということになります。
長年サーフボードに近いフィーリングのスノーボードを追い求めてきた結果に出した答えは「ロッカーボード」です。
ロッカーボードであれば、ディープパウダーでも圧雪面でもサーフィンと同じスタンス、前足荷重で気もち良く滑れます。
スポンサーリンク
このシリーズはキャンバーがなくロッカーとサイドカーブでターンをするのですが、そのフィーリングはサーフボードに非常に近いと言えます。
僕は20年以上このフラットキャンバーのスノーボードに乗っていますが、そのフィーリングはゲレンデでもバックカントリーにおいても雪山で気持ちよくサーフィン出来ます。
GENTEM STICK web site より。
上の図はパウダーランにおいてフラットキャンバーと通常のキャンパーをもつボードのソール下の雪の流れです。
フラットキャンパーの方が自然でスムーズなのがわかります。
実際のライディングではキャンパーボードはノーズがダイブしようとするのでテールを踏み続けることになりコントロール性が劣ります。
一方、フラットキャンパーはノーズが強く浮き上がろうとするので、前足で抑えるとうサーフィンに近いフィーリングの違いになります。
気持ちよく滑るという部分でこの差は大きいです。
以前の傾向としては上級者のハイエンドモデルはブーツもビンディングも硬めが主流でしたが、ことスノーサーフィンでは柔らかめがお勧めです。
僕個人としては膝で乗るスタイルなので硬めのブーツが好みなのですが、やはり動きが制限され気持ちよく滑れないな~と感じることがあります。
やはり、ある程度の足首の自由さがありながら、しっかり荷重出来て360度サポートみたいなのが理想です。
そんな中、やっぱり来たか!というビンディングやブーツがあります。
ビンディングはSALOMON DISTRICT、ブーツは K2 TARO TAMAI SNOWSURFER 次の章でしっかり紹介させて頂きます。
スポンサーリンク
それでは気持ちよくスノーサーフィンするための道具を紹介してゆきます。
サーファーやスノーボーダーのスタイルは一様ではなく違う答えもあるかもしれませんが、40年間サーフィンとスノーボードをしてきて辿り着いた僕なりの答えでもあり、おすすめです。
ボードに関してはおすすめが何点かあるのですが、ビンディングとブーツに関して現時点ではこれ一択で全く問題ないかと思います。
GENTEMSTICK フラットキャンパーシリーズのSLASHER(スラッシャー)です。
GENTEMSTICKのは入口は色々なモデルがあるのですが、何を選んでも最終的にはこのフラットキャンバーシリーズに行きつきます。
フラッグシップモデルのTTシリーズもお勧めなのですが、最初の1本目としては僕も使っている、このSLASHER(スラッシャー)がお勧めです。
グルーミングバーンでのフルレールのカービングの喰い付き、操作性、パウダーでの浮きも申し分ありません。
GENTEMSTICK SLASHER 166cm ゲンテンスティック スラッシャー
・Length1660 mm
・Running Length1010 mm
・Nose Width290 mm
・Waist Width252 mm
・Tail Width280 mm
スポンサーリンク
gentem stickのフラッグシップモデルです。すでにgentem stickユーザーでフラットキャンバー未経験の方にはこちらをお勧めします。
この回転性とシャープさは他に類をみません。僕の知り合いでどんなコンディションでもこの一本で通し続けるハードコアースノーサーファーがいます。
そんなあなたに是非乗ってもらいたい1本です。
22-23 GENTEMSTICK T.T 165 CLASSIC 165cm ゲンテンスティック TT クラシック
Length1650 mm
Running Length970 mm
Nose Width277 mm
Waist Width248 mm
Tail Width272 mm
トップシートにウッドを使った美しい板です。
多少硬く、重くはなる様ですが、この美しさと引き換えなら納得出来ます。
往年のMOSS V1を彷彿させるフォルムも素晴らしいと思います。
U4 HALFを試乗したイメージがあまりにも良かったため、U4EXも乗り込んでみたい1本です。
友人にもMOSSのヘビーユーザーがいてU4EXを強く押していました。
22-23 MOSS SNOWSTICK/モススノースティック U4EX
Length1510 mm
Running Length101.6 mm
Nose Width31 mm
Waist Width26.2 mm
Tail Width29.3 mm
スポンサーリンク
このビンディング、写真では分かりませんがヒールカップがとても柔らかく手で押すと横に動くほどです。
また他のビンディングに比べヒールカップの位置が高く、外にはみ出ていないんですねー。
ということは、ヒールサイドに倒しやすく、出ていないヒールカップはドラグ(雪面に干渉)しにくいということです。
この辺は文章では中々伝わりにくいので動画をつけておきます。
SALOMON サロモン 22-23 DISTRICT ディストリクト
色々な動画を観たのですが、パウダーカンパニー・マネージャー 佐藤さんによる解説が一番刺さったのでご紹介致します。
今更、多くの説明はいらないTTブーツです。
2022~2023もテクノロジーに変更はなく色だけの変更とのことで、すでに完成されているとうことでしょう。
軽く、ソフトでいて適格なサポート、ビブラムソール搭載でそのままで内側に向けて傾きやすい構造。
多くのスノーサーファーに支持されているブーツです。
レディースの設定はなく、ユニセックス22cm~30cmのサイズ展開です。
K2 ケーツー 22-23 TARO TAMAI SNOWSURFER
解説は旭川のスノーボードショップ「Spray」のボスにお願いします。
スポンサーリンク
今回はスノーサーフィンの解説をしてきましたが、僕個人としてはスノーボードを始めたときからこのスタイルだったため、特に目新しいという感覚はなく不思議な感じがしています。
今までは特に「スノーサーフ」という洒落たネーミングやカテゴリ別けもなく、スノーボードに行くといえばこの滑りを指していました。
スノーボードと言えば、とかくパウダーランに注目されがちですが、それだけにフォーカスするとスノーボードの楽しさの50パーセント以上を捨てることになります。
ゲレンデのグルーミングバーンや3D地形を使ってボトムターンをイメージしたフルレールのカービングやバンクでのリッピング、そんなところにもスノーボードの楽しさがあります。
道具は今使っているもので充分ですので、この冬は是非スノーサーフィンを意識した滑りをしてみませんか?新たな楽しさの発見につながるかも知れません
スポンサーリンク