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ユメカサゴ

ユメカサゴの食べ方とおすすめ調理10|プロ流の下処理と調理のコツ


2025/10/28 公開


ユメカサゴという魚をどう食べると美味しいのか。そんな疑問からこの記事は始まります。


僕は40年以上マリンスポーツに携わり、その関係で漁港に隣接された市場にもよく立ち寄ります。


そんな時に出会ったのがユメカサゴなんですね。街場のスーパーでは見たことも聞いたこともない深海魚。


見た目は鮮やかな赤。深海魚らしい丸みのある体と大きな目を持ちますが、その白身は淡白で上品。



煮ても焼いても揚げても崩れにくく、どんな料理にもよく合い、それ以来すっかり食べる方でユメカサゴのファンになりました。



ここでは、そんなユメカサゴを家庭で最大限に美味しく食べるための「おすすめの食べ方10選」を紹介します。


和食から洋食まで、定番の煮付けや天ぷら、アラ汁のほか、ムニエルやトマト煮など幅広いレシピを掲載。



今回はちょっと興味があり深海2万マイルのネモ艦長AIを作り、彼にも料理を提案してもらいました。



「ノーチラス号に日本人2人のゲストを迎えます。ユメカサゴという食材でどうもてなしますか?」と訊いてみました。


彼は料理人ではありませんが、深海の生物や環境に精通しているネモ艦長AIがどんな料理を提案するのかも楽しみにして下さい。


さらに、下処理の手順や臭みを抑えるコツ、保存のポイントもわかりやすく解説します。


釣り上げた魚を自分で調理する人も、市場で買って試してみたい人も、必ずファンになってしまうユメカサゴ。


深海から届くこの魚のやさしい旨味を、日常の食卓で是非楽しんでみてください。


目次


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ユメカサゴの食べ方の基本と味の特徴


ユメカサゴは深海に生息するカサゴ科の魚で、見た目の印象とは裏腹に、味はとても上品で食べやすい白身魚です。


煮ても焼いても崩れにくく、どんな調理法でも素材の旨味をしっかりと感じられるのが特徴です。


脂がほどよく乗り、口の中でふわりと広がる甘みとコクは、家庭料理にも料亭の一品にも映える味わいです。


この記事では、そんなユメカサゴの「食べ方の基本」と「味の特徴」を中心に紹介していきます。


まずは、日常の食卓でも取り入れやすい調理法や食べ方のポイントを解説し、その後でユメカサゴ特有の味や食感、他の白身魚との違いをわかりやすく紹介します。


料理の幅が広いユメカサゴを知ることで、深海魚の印象がきっと変わるはずです。



ユメカサゴの基本的な食べ方


ユメカサゴの基本的な食べ方は、煮る・焼く・揚げる・蒸すといった和食の定番調理法を中心に、素材の持つ旨味を活かすことがポイントです。



まず最も親しまれているのが「煮つけ」です。淡白な白身に甘辛い味付けがよく染み込み、身がふっくらと仕上がります。



脂がほどよく乗っているため、煮崩れしにくく、家庭でも簡単に上品な味わいを楽しめます。


次におすすめなのが「塩焼き」。シンプルながら、ユメカサゴ本来の甘みを最も感じられる調理法です。


下処理のあと軽く塩を振り、遠火でじっくり焼くと、皮は香ばしく、身はしっとりと柔らかく仕上がります。。


すだちやレモンを添えれば、さっぱりとした風味が広がります


深海初心者のアオイ

塩焼きはお魚の味がシンプルに味わえるので私は好きです。

揚げ物では「唐揚げ」や「天ぷら」が人気です。小型のユメカサゴなら丸ごと揚げても美味しく、骨までカリッと食べられる食感が魅力。


淡い白身に衣の香ばしさが加わり、食感の対比が楽しい一品になります。


また、「酒蒸し」や「アラ汁」などの蒸し・汁物料理もおすすめ。


火を通しても身が締まりすぎず、出汁の旨味がしっかり出るため、寒い季節には体を温めてくれる料理として最適です。


ユメカサゴはクセがなく、どんな味付けにも自然に馴染む万能魚です。和食はもちろん、洋風にアレンジしても上品な味わいが損なわれません。



素材の良さを活かすなら「加熱しすぎない」ことが最大のコツ。



火を通しすぎると身が固くなるため、余熱でふっくら仕上げるのが美味しく食べる秘訣です。


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ユメカサゴの味の特徴


ユメカサゴの味の特徴をひと言で表すなら「淡白でありながら、旨味が深い魚」です。



白身魚特有のあっさりとした印象を持ちながら、しっとりとした脂が加わることで、上品な甘みと奥行きのある風味が楽しめます。


口に入れた瞬間はふんわりと軽く、噛むほどにやさしいコクが広がるのがユメカサゴならではの魅力です。



この脂はしつこさがなく、焼いても煮ても油っぽくならずに、料理全体をまろやかに仕上げてくれます。



刺身で食べるとほのかな甘みが際立ち、炙りや湯霜造りにすれば香ばしさが加わり、より旨味を感じられます。


深海マニアのサトシ

僕は刺身が好きですねー。新鮮なものが手に入ったら是非試して下さい。

加熱調理では身がふっくらと膨らみ、煮つけや天ぷらでは出汁や油の味をよく吸い、食感と風味の両方を楽しめます。


同じ白身魚のマダイやホウボウに比べると、ユメカサゴはやや柔らかく、脂の質が軽いのが特徴です。


そのため、重たさがなく上品な印象を与え、どんな味付けにも馴染みやすい万能な魚といえます。


特に、素材の持つ甘みを生かすには「煮る・蒸す」などの穏やかな加熱が向いています。



深海魚というと独特の風味を想像する人も多いですが、ユメカサゴはクセが少なく、初めて食べる人でも抵抗なく楽しめる味わいです。



見た目の派手さとは対照的に、やさしく澄んだ旨味。その奥ゆかしさこそが、ユメカサゴが「通の魚」と呼ばれる理由です。


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ユメカサゴの美味しい食べ方10選


ユメカサゴは、煮ても焼いても揚げても崩れにくい、扱いやすい深海魚です。


淡白な白身の中にしっかりとした旨味があり、シンプルな和食から香ばしい洋風料理まで、さまざまな調理法で活躍します。


その味わいは「アカムツ(のどぐろ)」にも例えられることがあり、上品でありながら親しみやすいのが特徴です。


ここでは、ユメカサゴをもっと楽しむために、家庭で試せるおすすめの食べ方を10種類紹介します。


煮付け、天ぷら、ムニエル、アクアパッツァなどの定番から、汁物や炙り、昆布締めなど一手間加えた料理まで


どの調理法も、ユメカサゴの繊細な旨味を引き出すポイントを押さえれば難しくありません。


季節ごとの味わいの違いも楽しみながら、自分好みの一皿を見つけてみてください。



定番の煮付けからムニエルまで お勧め料理10品


ユメカサゴはクセのない上品な白身で、さまざまな調理法に対応できる万能魚です。


まず最初にちょっと面白い人物からユメカサゴの調理法を訊いてみます。


深海の環境や生物に精通していて、そこで生活している人物。



海底2万マイル、ノーチラス号のネモ艦長が良いということで、最近流行りのAIで作りました。



彼に「 日本人をゲストとして迎えました。もてなす料理の食材にユメカサゴがあります。どのような料理にしますか?」


と訊いたところ「塩焼き」と「酒蒸し」の2品が提示されました。ついでにレシピも教えてもらいました。


深海初心者のアオイ

凄いです!洋食ではなく和食というところにゲストへの思いやりが感じられます。
ネモ艦長AIイラスト

海底2万マイル|ノーチラス号 ネモ艦長AI


日本からの客人二名をノーチラス号に迎えるとしたら、私は形式的な宴など開かぬ。
だが――海を敬う心を持つ者には、海が与えてくれる静かな歓待を用意する。


今回の食材は深海魚「ユメカサゴ」。
赤い体色と豊かな旨味、そして上質な脂を湛えたこの魚は、深海の静寂を象徴するかのような生き物だ。


華美に料理を飾ることは不要。素材が語る真実の味を引き出す。それが、私の流儀だ。


私は料理人ではない。しかし、海に生きる者として断言しよう。
食とは、生き物から命を譲り受ける行為であり、その敬意が味を決める。


・ユメカサゴの塩焼き(2人前) ― 海の素朴を尊ぶ料理


ユメカサゴの塩焼き

写真はイメージです


火を恐れず、だが香りを焦がすな。炎は暴力にもなるが、従えれば美を生む。


材料
ユメカサゴ … 2尾(小ぶりならそのまま、大きい場合は切り身でも可)
塩 … 適量
日本酒 … 少量(下処理用)
付け合わせ:レモン、すだち、笹、焼き海苔など好みで


作り方
1. 下処理:表面の水分を拭き、軽く日本酒をふり10分置く。臭みを抜くためだ。
2. 塩を打つ:身に均等に海塩を振る。特に皮目は丁寧に。15分置き馴染ませる。
3. 焼成:炭火、またはグリルで中火。皮目から焼く。脂が静かに滲み出る火加減を保つこと。
4. 仕上げ:返して火を通す。焼きすぎは禁物。身はしっとり、皮は芳ばしく――これが理想だ。


※ 味の要:塩焼きは素材の真価が露わになる調理だ。 誤魔化しも飾りも効かぬ。ゆえに料理人の心が試される。



・ユメカサゴの酒蒸し(2人前)― 静かなる蒸気の料理


蒸気は優しい熱だ。沸騰は暴力だ。素材を殺さず導くのが酒蒸しである。


ユメカサゴの酒蒸し

写真はイメージです


材料
ユメカサゴ … 2尾または切り身2枚
酒 … 大さじ3
塩 … ひとつまみ
昆布 … 1枚(5cm程度)
青ねぎ、三つ葉、柚子皮など(添え)
生姜… 薄切り3枚
ポン酢または薄口醤油 … 小さじ1(好みで)


作り方
1. 下処理:塩を軽く振り10分置き、水分を拭く。魚の臭みは敬意の欠如が招く失敗だ。
2. 蒸し準備:耐熱皿に昆布を敷き、魚・生姜をのせ日本酒を回しかける。
3. 蒸す:蒸し器で弱火〜中火で10分。沸騰の暴力を避けること。
4. 仕上げ:蒸し汁を少量すくい、薄口醤油またはポン酢で調える。香りの仕上げに柚子皮を散らす。


※ 味の要:深海魚は熱を加えすぎれば身が崩れ、旨味が流れる。 蒸し料理は沈黙の仕事――火と対話する心が必要だ。



あなたが海の恵みを正しく扱おうとする者であるならば、私にとってこの程度の助力は些細なことだ。

もし再び知を求める声が届くなら、その時は海の底から応えよう。

では、静かに航路を進まれよ。ノーチラス号より。



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僕は洋食の料理が提示され、そのレシピが出ると思っていましたが、和食とは驚きでした。



ネモ艦長は、科学、芸術、哲学に関して深く検討するタイプで、日本の技術や伝統芸術に興味を示した可能性が高いです。



AIとは言え、さすがネモ艦長と思いました。


その他、手軽に美味しく食べれる、ユメカサゴお勧めの料理を簡単に紹介しますね。


深海マニアのサトシ

新鮮なら刺身、煮付けも捨てがたいな~どう料理しても外さないのがユメカサゴなんです。

・ 煮つけ


ユメカサゴの煮付け

写真はイメージです


ユメカサゴの料理といえば定番中の定番が煮付けです。


脂が適度にあり身崩れしにくいため、醤油・みりん・酒・砂糖でシンプルに煮れば間違いない一品になります。


特に頭やカマの部分は旨みが濃く、骨の周りのゼラチン質がプルっとして絶品です。


材料(2〜3人分)
ユメカサゴ 2尾(小型なら3〜4尾)/生姜 1片/水 150ml/酒 100ml/みりん 50ml/醤油 50ml/砂糖 大さじ1

作り方
① 下処理をしたユメカサゴを熱湯にくぐらせ、霜降りにして臭みやウロコを落とす。
② 鍋に水・酒・みりん・砂糖・醤油・生姜を入れて煮立て、魚を入れる。
③ 落とし蓋をして中火で10〜12分煮る。
④ 煮汁を回しかけながら照りが出たら完成。

ポイント:煮すぎると身が固くなるので中火で短時間がコツ。頭やカマは特に旨い。



・ 刺身


ユメカサゴの刺身

写真はイメージです


新鮮な個体が手に入ったらお勧めしたいのが刺身です。


引き締まった身は淡泊ながら噛むほど旨みが広がり、ほんのり甘みを感じます。


皮目に旨みが多いので、皮を残して湯霜造りや炙りにするのもおすすめです。


材料
ユメカサゴ(鮮度の良いもの)、ワサビ、醤油、大葉

作り方
① できれば釣りたて、または神経締めされた鮮度の良いものを使用。
② 三枚におろし、腹骨と血合い骨を除く。
③ 皮は熱湯をかけて氷水に落とす「湯霜造り」にすると旨みUP。
④ 薄造りまたは平造りに切り盛り付ける。

★ポイント:白身魚らしい上品な旨味。昆布締めにしても絶品。


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・ 唐揚げ


ユメカサゴの唐揚げ

写真はイメージです


手軽に美味しく食べたいなら子供も好きな唐揚げがおすすめです。


小型のユメカサゴは丸ごと唐揚げにでき、骨までサクサクと食べられるのが魅力。


塩をふるだけでも旨いですが、お好みでレモンやおろしポン酢を添えても相性抜群です。


材料
ユメカサゴ 小型2〜4尾/塩 少々/片栗粉 適量/レモン or ポン酢

【作り方】
① 魚はウロコと内臓を取り下処理する。小型なら丸ごとOK。
② キッチンペーパーで水気をとり、塩を振る。
③ 片栗粉をまぶし、170℃の油で7〜9分じっくり揚げる。
④ 仕上げに油を強くしてカラッと仕上げる。

★ポイント:ヒレまでパリッと食べられる。骨せんべい感覚で子供にも人気。



・ 汁物


ユメカサゴのアラ汁

写真はイメージです


ユメカサゴの魅力を最大限に楽しめるのが汁物です。


アラから非常に良い出汁が出るため、味噌汁や潮汁は感動レベルの旨さになります。


特に寒い季節は鍋料理にも最適で、白菜や長ネギとの相性も抜群です。


材料
ユメカサゴのアラ or 小型2尾/生姜 1片/味噌 or 塩/ネギ

作り方
① アラは熱湯で霜降りして臭み取り。
② 鍋に水と生姜を入れ、アラを弱火で丁寧に煮出す。
③ アクを取りながら10分煮る。
④ 味噌または塩で味付けし、最後にネギを添える。

★ポイント:旨味の強い出汁が出るので鍋にも最適。酒の〆にも良い。


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・ 天ぷら


ユメカサゴの天ぷら

写真はイメージです


ユメカサゴの白身はふっくらとして上品な甘みがあり、天ぷらにするとその魅力がいっそう引き立ちます。


衣の中でしっとりと蒸された身は口の中でほろりとほどけ、軽やかな衣とのコントラストが絶妙です。


塩をふって素材の味を楽しむのもよし、天つゆにくぐらせて香りを広げるのもおすすめです。


材料(2〜3人分)
ユメカサゴ切り身 2〜3枚/天ぷら粉(または小麦粉・片栗粉 各半量)/冷水 適量/揚げ油 適量/塩・天つゆ・レモン お好みで

作り方
① ユメカサゴは三枚におろし、一口大に切って水気をしっかり拭く。
② 冷水で溶いた衣を軽くまとわせ、170℃の油で2〜3分ほど揚げる。
③ 衣が薄く色づき、カラリと揚がったら油を切って盛り付ける。
④ 塩またはレモンを添えて、熱いうちにどうぞ。

★ポイント:衣は混ぜすぎないのがコツ。冷たい水を使うとサクッと軽い仕上がりになります。



・ ムニエル


ユメカサゴのムニエル

写真はイメージです


淡白なユメカサゴの身は、バターの香ばしさと相性抜群です。


小麦粉をまとわせて焼くだけで、表面はカリッと、中はふんわり仕上がります。


白ワインやレモンを添えると爽やかに、濃厚なバターソースを絡めればご飯にも合う一皿です。


材料(2人分)
ユメカサゴ切り身 2枚/小麦粉 適量/塩・こしょう 少々/バター 20g/オリーブオイル 小さじ1/レモン・パセリ 適量

作り方
① ユメカサゴに塩こしょうを軽く振り、小麦粉をまぶす。
② フライパンにオリーブオイルを熱し、中火で両面をこんがり焼く。
③ バターを加え、香りが立ったら魚に絡めながら焼き上げる。
④ レモンを絞り、刻みパセリを添えて完成。

★ポイント:バターを焦がさないように火加減は中火で。表面がきつね色になったらすぐ仕上げましょう。


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・ カルパッチョ


ユメカサゴのカルパッチョ

写真はイメージです


ユメカサゴの淡い甘みを生で楽しむなら、カルパッチョがおすすめです。


薄く切った身にオリーブオイルと柑橘を合わせるだけで、深海魚とは思えないほど爽やかな味わいに仕上がります。


彩り野菜と一緒に盛り付ければ、食卓が華やかになります。


材料(2〜3人分)
ユメカサゴ(刺身用)150g/オリーブオイル 大さじ2/レモン汁 小さじ1/塩・こしょう 少々/ベビーリーフ・トマトなど 適量

作り方
① ユメカサゴを薄切りにし、皿に並べる。
② オリーブオイル・レモン汁・塩・こしょうを混ぜてドレッシングを作る。
③ 魚にかけ、野菜を添えて軽く冷やす。
④ 食べる直前にもう一度オイルを少量かける。

★ポイント:オリーブオイルは香りの強いものがおすすめ。柚子やすだちに変えても美味しいです。



・ トマト煮


ユメカサゴのトマト煮

写真はイメージです


白身魚の旨味とトマトの酸味がよく合う一皿です。


ユメカサゴを軽く焼いてから煮込むことで、身が崩れず味がしっかり染み込みます。


パンを添えればメインディッシュにもなる洋風レシピです。


材料(2人分)
ユメカサゴ切り身 2枚/にんにく 1片/オリーブオイル 大さじ1/トマト缶 1/2缶/白ワイン 50ml/塩・こしょう 少々/ローリエ 1枚/オリーブ 適量/他の具はお好みで

作り方
① フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて香りを出す。
② ユメカサゴを加えて軽く両面焼き、白ワインを注ぐ。
③ トマト缶・ローリエを加え、10分ほど弱火で煮込む。
④ 塩こしょうで味を整え、オリーブを加えて完成。

★ポイント:煮込みすぎると身が崩れるので10分以内が目安。仕上げにオリーブオイルを少し垂らすと風味が引き立ちます。



ユメカサゴはその他にも、洋風ならアクアパッツァやソテー、ワイン蒸などにも使えて、実は調理の幅がとても広い魚です。



高級魚に負けないポテンシャルを秘めているにも関わらず、まだまだ知名度は控えめ。


料理好きならぜひ一度扱ってみたい、隠れた名魚といえるでしょう。



深海初心者のアオイ

街のスーパーでは手に入り難いのでネットで買えるのは嬉しいですね。

🔗 夢カサゴ(下処理済・冷凍) 小 250g(2-4尾程度入り)【浜坂産】 (ユメカサゴ・ゆめかさご)



基本の下処理手順|うろこ・内臓・血合いの取り方


ユメカサゴを美味しく食べるためには、調理前の下処理がとても大切です。


深海マニアのサトシ

美味しいユメカサゴを活かすためには下処理は超重要です。

こちらの動画は下処理をして、お刺身を作るまでの解説をしていて、ユメカサゴの下処理の仕方がよく分かります。



手順を守れば臭みがなく、ふっくらとした白身の旨味をしっかり引き出せます。


以下に手順をまとめました。



うろこを取る


まず、うろこ取りから始めましょう。ユメカサゴのうろこは細かく柔らかいですが、えらやヒレの根元にも残りやすいので丁寧に取るのがポイントです。


包丁の背を使い、尾から頭に向かって軽くこすり上げるように落とします。



内蔵の処理


次に内臓を取り除きます。腹を浅く切り開き、内臓を引き抜いたあと、血合いをしっかり洗い流します。


血合いを残すと臭みの原因になるため、指や歯ブラシで中骨の溝を丁寧にこすり、流水で完全に洗い流してください。



仕上げ


下処理の仕上げには、水気をしっかり拭き取ることが重要です。


キッチンペーパーで表面と腹の中を乾かし、塩を軽く振って10分ほど置くと余分な水分と臭みが抜けます。



ここまでできれば、煮付けやムニエル、新鮮であればお刺身など、どんな料理にも使える状態になりました。


釣ったばかりの新鮮な個体なら、血抜きをしてから冷やして持ち帰るとさらに美味しくなります。



鮮度を守るために氷を直接当てず、ビニール袋や新聞紙で包むのがおすすめ。



深海初心者のアオイ

一緒に釣りに行ったときに、直接氷を当てると水っぽくなると父が言ってました。

丁寧な下処理こそが、ユメカサゴを最高の状態で味わう第一歩になります。



* ユメカサゴを含めた深海魚については、旨い魚も多く、詳しく解説しているページもあります。




臭みを取り鮮度を保ち美味しく食べるためのコツ


ユメカサゴを美味しく食べるためには、下処理のあとに行う「臭み取り」と「鮮度の維持」が欠かせません。



まず、魚の臭みの原因は大きく分けて二つあります。ひとつは血と内臓、もうひとつは酸化した脂です。



特に血の部分は臭いが強く、調理後にも残りやすいため、内臓を取り除いたあとに血合いを完全に洗い流すことが大切です。


深海マニアのサトシ

料理の味を左右するので、ここの下処理は僕も入念にやります。

流水で丁寧に洗った後、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取るだけで、臭みは大幅に減ります。


さらにひと工夫するなら、軽く塩を振って10〜15分ほど置く「塩締め」がおすすめです。



塩が余分な水分と臭みを吸い取り、身が引き締まって旨味が凝縮します。その後、水分を拭き取ってから調理に使うと、素材本来の風味がより際立ちます。




保存する際は、温度管理がポイントです。冷蔵なら3〜5℃を保ち、できるだけ空気に触れさせないようにラップで包んで保存します。


冷凍する場合は、下処理を終えて水気を完全に拭き取り、1枚ずつラップで包んでからフリーザーバッグへ。


空気を抜いて急速冷凍すれば、解凍時のドリップを防ぐことができます。



また、解凍の際は常温に置かず、冷蔵庫でゆっくり戻すのが鉄則です。



急な温度変化は旨味成分の流出につながるため、半日〜1日かけて自然に解凍します。


臭みを抑え、ふっくらとした食感を保つための大切な工程です。ユメカサゴは深海魚の中でも特に脂の酸化が早い魚です。


できるだけ新鮮なうちに食べるのが理想ですが、保存や下処理を丁寧に行えば数日経っても十分に美味しく味わえます。



ちょっとした手間が、家庭で味わう深海のごちそうをいっそう豊かにしてくれます。


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ユメカサゴの基本情報


ユメカサゴはカサゴ科に属する深海魚で、日本近海では比較的よく見られる種類です。


主に水深100〜400メートルほどの砂泥底に生息し、駿河湾や相模湾、山陰沖、能登半島沖などが代表的な漁場として知られています。


ユメカサゴの釣れる水深、ポイント

全長は20〜30センチ前後で、体はやや丸みを帯びた形をしており、鮮やかな赤い体色が特徴です。


この赤色は深海の光が届かない環境で体を保護するための擬態的な役割を持ち、外敵から見えにくくする働きをしています。



名前の「ユメカサゴ」は、体色の美しさから「夢のように鮮やかなカサゴ」という意味で名付けられたとも、釣り人がその美味しさに感動して「夢の魚」と呼んだことに由来するといわれています。



深海初心者のアオイ

私は子供のころ父から「夢見るカサゴ」って聞きました。魚も夢を見るんだって不思議に感じました。

地方によって呼び名が異なり、関西では「アカボラ」、北陸では「メンコダイ」、関東では「オオメハタ」などの別名でも知られています。


食用としての人気が高く、底引き網漁や延縄漁で水揚げされるほか、釣りのターゲットとしても人気の魚です。


深海魚の中では脂の質が良く、クセが少ないため市場でも比較的扱いやすい魚とされています。


旬は冬から春にかけてで、寒い時期ほど脂が乗り、煮つけや焼き物にすると絶品です。



冷凍しても味が落ちにくいのも特徴で、近年では通販や鮮魚店でも手軽に購入できるようになりました。



上品な味わいと調理のしやすさから、一般家庭の食卓だけでなく、料亭や寿司店でも使われることが多くなっています。


深海魚でありながら身質は繊細で扱いやすく、初心者でも失敗しにくい万能な魚――それがユメカサゴの魅力です。



* ユメカサゴの基本情報についてはさらに詳しく解説している記事があります。




ユメカサゴをさらに楽しむ豆知識


ユメカサゴは、味の良さや調理のしやすさだけでなく、知っておくとさらに楽しめる豆知識がいくつもあります。



市場やスーパーではあまり多く並ばないため、見つけたらぜひ手に取ってほしい魚のひとつです。



深海魚というと珍しく感じるかもしれませんが、実は日本各地の漁港で定期的に水揚げされており、冷凍品やネット通販でも入手が可能です。


また、ユメカサゴは見た目の美しさから観賞魚として注目されることもあり、学術的にも生態研究が進められています。


鮮度の見分け方や保存のコツ、さらに深海魚ならではの栄養成分や食の安全性について知ることで、味わいの奥行きがぐっと広がります。


深海マニアのサトシ

鮮度の見分け方は他の魚にも共通していますので是非覚えて下さいね。

ここでは、日常の食卓でユメカサゴをもっと身近に感じられるよう、ちょっとした豆知識を紹介していきます。



市場やスーパーで新鮮な個体を見分けるコツ


新鮮なユメカサゴ

ユメカサゴをより美味しく味わうためには、まず新鮮な個体を見極めることが大切です。


見た目で判断するポイントはいくつかありますので注目ポイントをあげておきます。



1. 「目の透明感、輝き」があるものは鮮度が良い


新鮮なユメカサゴは、目が澄んでいて黒目がくっきりと見えます。時間が経つと白く濁り、全体に曇った印象になるので、目が輝いているものを選ぶと間違いありません。上の写真のような状態がおすすめです。



2. 皮に張りがあり、艶のあるものが良い状態


次に見るべきは「体色の鮮やかさ」です。ユメカサゴは鮮やかな赤や朱色の体色をしていますが、鮮度が落ちると色がくすみ、表面のぬめりも増えます。皮に張りがあり、光を反射して艶のあるものが良い状態の証拠です。



3. 腹部のハリのあるものを選ぶ


「身の弾力」も重要です。指で軽く押したときにすぐに戻るものは新鮮。反対に、押した跡が残るような個体は時間が経っている可能性があります。特に腹部のハリは見逃せないチェックポイントです。



4. えらの色は鮮紅色が鮮度が高い


えらの色も鮮度を見極める鍵となります。新鮮なものはえらが鮮紅色で、血がにじむような鮮やかさがあります。褐色や黒ずみが見える場合は鮮度が落ちているサインです。



5. 切り身は水分が多く出ているものは避ける


スーパーなどで切り身として販売されている場合は、切り口をよく見ましょう。水分が多く滲み出ているものや、ドリップがパック内に溜まっているものは避け、身が締まり透明感のあるものを選びます。



さらに、購入後の扱いも鮮度維持には欠かせません。



持ち帰ったらできるだけ早く冷蔵庫に入れ、2日以内に調理するのが理想です。すぐに使わない場合は、下処理をして水分を拭き取り、ラップに包んで冷凍保存を。



深海初心者のアオイ

上の写真のようなのが新鮮なユメカサゴの見本ですね。

深海魚というとデリケートな印象がありますが、ユメカサゴは比較的扱いやすい魚です。


見た目の鮮やかさと香りの清涼感を頼りに、良い個体を選ぶことで、どの調理法でも驚くほど上品な味わいを楽しめます。


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深海魚ならではの栄養価と安全性について


ユメカサゴは見た目の美しさや味の良さだけでなく、栄養価の面でも優れた深海魚です。


深海という過酷な環境で生きる魚は、低温や高圧に耐えるために独特の脂質を持っており、その多くが人の体に良いとされる不飽和脂肪酸です。



特にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれており、血液をさらさらに保ち、動脈硬化や生活習慣病の予防にも効果が期待されています。



さらに、ユメカサゴの白身には高品質なたんぱく質が多く含まれ、カロリーは控えめ。脂質とたんぱく質のバランスが良く、消化吸収も優れています。


ビタミンDやカルシウム、リンなども含まれており、骨の健康維持にも役立つ栄養価を持っています。脂がほどよく乗っているため、焼き魚や煮つけにしてもパサつかず、体調を整えながら美味しく食べられるのも魅力です。



深海魚と聞くと「水銀や重金属が心配」という声もありますが、ユメカサゴは食物連鎖の上位ではないため、下の表のようにそのリスクは低いとされています。



深海マニアのサトシ

安全に食べられると言うのも重要な要素ですね。

宮城県の公式ウェブサイトによると深海魚を含む魚介類は良質な栄養価があるとしたうえで、妊娠中は極端にたくさん食べるなど、偏った食べ方には注意が必要ともあります。



魚介類はからだに良いものですが、妊娠中は少しだけ注意が必要です

・平均的な日本人の水銀摂取量は健康に影響を与えるようなレベルではありませんが、魚介類を極端にたくさん食べるなど、偏った食べ方をすることでこの水銀が取り込まれ、胎児に影響を与える可能性があることがこれまでの研究から指摘されています。

・そのため、次のとおり注意が必要な魚介類の種類や食べる量についての目安が示されています。健やかな妊娠・出産のために、この目安を参考にして、バランスの良い食事を心がけましょう。


胎児に影響を与えない水銀量は、1週間に●(黒丸印:水銀量)2個までが目安です。

~注意が必要な魚介類について~(1週間に摂取できる水銀量を●2個分とします)
刺身1人前、切り身1切れ(それぞれ80g)に含まれる水銀量(●) 魚介類の名前 食べる量の目安

1個

キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ 1回80gとして、週に2回まで
(1週間当たり160g程度)

●●

2個

キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ 1回80gとして、週に1回まで
(1週間当たり80g程度)

●●●●
4個

コビレゴンドウ 1回80gとして、2週間に1回まで
(1週間当たり40g程度)


●●●●●●●●

●●●●●●●●
16個

バンドウイルカ 1回80gとして、2ヶ月に1回まで
(1週間当たり10g程度)
引用元 宮城県公式ウェブサイト


なお日本国内で流通しているものは水揚げ後の検査を経て出荷されており、家庭で安心して食べられる魚です。



また、脂の酸化が早いため、購入後はできるだけ早く調理するのが理想です。


新鮮なうちに火を通せば臭みは出ず、深海魚特有の上品な旨味をしっかりと楽しめます。


ユメカサゴは、美味しさと栄養の両方を兼ね備えた魚です。


見た目の華やかさに惹かれるだけでなく、体にもやさしい“海の恵み”として、家庭料理の中にもっと取り入れたい魚です。


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ユメカサゴの食べ方 あとがき


ユメカサゴは、見た目の美しさと食べやすさを兼ね備えた、まさに「知る人ぞ知る深海魚」です。


調理の手間がかかりそうに見えて、実は下処理さえ覚えればとても扱いやすく、煮る・焼く・揚げる・蒸す・生で味わう――どんな調理法にも応えてくれます。


淡白な白身にはほんのりとした甘みがあり、脂の質が良いため、重たさを感じずに食べられるのも魅力です。


家庭料理に取り入れると、いつもの食卓が少し特別な時間に変わるはずです。釣りたてを味わうもよし、スーパーで見かけたら一度試してみてください。



深海の静けさをそのまま閉じ込めたようなユメカサゴの味は、派手さはないものの、じんわりと心に残ります。



まだ知名度は高くありませんが、その上品な旨味を知ればきっとファンになるはず。この記事が、ユメカサゴを食卓に迎えるきっかけになれば嬉しく思います。


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