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冬山でのビバーク

雪山での緊急避難ビバーク!雪洞泊、ツエルト、必要な装備と知識


一般的に「ビバーク」には2つの解釈があります。予定していたフォーカストビバークと予定外のフォーストビバークです。ここでは予定外のビバークの説明をしてゆきます。予定外、ということは悪天候で身動きがとれなくなった。又は事故や怪我人が出て、もしくは自身が怪我をして動けなくなり天候が回復するか救助がくるまでの間、山中で1泊しなければいけない状況に追い込まれたということです。


こんな時は気が動転してしまって正しい判断が下せないものですが、疲れきってしまうまえにビバークするのか、しないのかするとしたらどこでビバークするのかを決めなければいけません。そんな状況下で行動を続行するのは危険であり、疲れきって体力を消耗しきってからのビバークでは寒く過酷な冬山の夜を乗り切れません。こんなときに冬山でのビバークの方法を知っているのと、いないのとでは生死に関ります。ここではそんなビバークの方法の説明をしてゆきます。


冬山でのビバークではツエルトを持っているか、雪洞を掘れるかが最低条件となります。とは言え雪洞の場合は掘れる地形と体力が必要となります。1人用の緊急的なものでも1時間ほどの重労働をしいられます。怪我人の付き添いで2名用であれば1時間半以上はかかってしまうかもしれません。可能な限り雪洞を掘るとしてもビバークの絶対条件としてツエルトを持っているということになります。

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■ 雪山のビバークに必要な装備


冬山でのビバーク

上の写真は僕が日帰りの山行で日常的に持っているビバークに使える装備です。銀色のエアマットは実は100円均一で買った野外観戦用の座布団を2枚連結して半身用のマットとしたものです。ツエルトといえども薄いテント地ですので下からの冷えを遮断する物が必要となり、これはかなり有効です。しかも空気を抜けばかなりコンパクトになり軽量で制作費¥200です。シャベルは雪洞を掘ったり、ツエルトを張る場所をならすのに使います。勿論、雪崩対策にも。


下、左が2名用のツエルトになります。たたむとこのようにコンパクトになりますが2名収容可能の簡易テントです。ポールは無く、ストックなどを使いたてます。またテントの形状に出来なくても床が中央から開くので被って使うことも出来ます。その横はシュラフ型のエマージェンシーシートでウエア、ブーツを着けたままこの中に入り体温が逃げるのを防ぎます。その右はビバーク用の8時間燃焼するロウソクです。ツエルト内の照明と僅かながらの暖房効果もあります。


その横はIWATANIのシングルバーナーです。ツエルト内の暖房に効果的で点けているときは半袖になれる位まで温まりますが消すとまた氷点下まで下がります。非常食は通常、調理しなくても食べれるものが常識ですがコーヒーやスープなどがあれば温かなものにありつけます。その横はチタンのコッヘルと厳冬期用のガスカートリッジです。これらがあるとかなり心強いです。その横はヘッドランプです。やはりロウソクだけでは暗いのと、暗くなってからのビバークの準備もありえるので必要です。


アライテント スーパーライト・ツェルト

アライテント スーパーライト・ツェルト1 370100


テントメーカーとしては老舗のアライテントのツエルトです。たたむとコンパクトになり軽量(260g)ですので夏冬問わずザックに入れておきましょう。


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パタゴニア

■ ビバークする場所を決める。

ビバークしなければいけない状況では、あまりノンビリと場所の選定をする余裕は無いかと思います。ビバークで大切なのは出来るだけ風の当たらない場所を選ぶことです。尾根筋からは出来るだけ下がり、風裏となる斜面や樹林帯、岩陰などを選ぶことです。風裏は積雪も多く雪洞も堀りやすいですが雪崩が起きやすい斜面ではないか?雪尻に乗っていないか?などは十分に注意しましょう。


地形を十分に観察し斜面を下ります。さらに日本の山岳地域は主に西から風が吹きます。その風裏となる東側は急峻な地形となっていることが多く転落や滑落ということにならないように気を付けましょう。原則として出来るだけ雪洞を掘れれば良いのですが、掘れないまでも斜面をL型に削ったところにツエルトを設営する半雪洞との併用も有効ですので覚えておいて下さい。ここで雪洞を掘るのが原則と言うのにはそれなりの理由があります。


雪洞は外がどんな猛吹雪でも内部はとても静かです。加えてその内部の気温も外が-20度になっても0度前後から下がりません。これは冬山という環境下において驚異的な温かさです。ウエアを着ていれば寒いと感じることも無いでしょう。快適なのは大きめの雪洞の中にツエルトを張ってしまうのが一番ですが、それだけの雪洞を掘るためには2時間以上の重労働が伴います。体力と時間が必要となりますので緊急避難のビバークには現実的ではないかもしれません。なお雪洞の出入り口は雪のブロックやツエルトなどで塞ぎましょう。


■ ビバークの夜を過ごす。

ビバークの体勢がとれたら後はテント生活と変わりませんが、温かなシュラフがあるはずもなく冬山の長い夜をおくることになります。ビバークでは出来るだけ保温に勤めましょう。体温は首から逃げるのでファスナーをしっかり閉め、フードをかぶります。血行が悪くならないようにブーツの紐は緩めましょう。このときにシュラフカバーがあれば体温の保持にかなり有効です。軽いものなのでこれも携行するか、最近はシュラフ型のエマージェンシーシートもあるのでそれを利用するのもいいでしょう。

SOL(ソル) ヒートシート エマージェンシーウィウ゛ィ

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この後は非常食があればそれを食べ、コーヒーやスープなどがあればバーナーでお湯を沸かして摂れば体も温まります。いったん眠るとそのまま凍死してしまうと思っている方もいるかもしれませんが、意識を失う位に疲労困憊でもしていないかぎりそんなことはありません。寒くて眼が覚めます。


正直に言うと冬山でのビバークというのはツエルトや雪洞を含めあまり快適ではありません。とにかく寒いですし雪を持ち込むので湿っぽくなりがちです。バーナーを止めればツエルトの中はあっというまに氷点下の外と変わらない気温まで下がります。ツエルトの内側は霜が着き、風が吹くとそれが落ちてきて顔に着き眠れたもんじゃありません。外が猛吹雪の場合は用をたしに出るのもかなりの苦痛です。さらに言うとエマージェンシーシートは保温性はあるものの通気性が無く結露が酷く不快です。


それでも冬山という環境の中ではツエルトや雪洞は天国なのです。バーナーを点ければとても温かくなりますし風も直接当たりません。エアマットやシュラフカバー、エマージェンシーシートがあればさらに温かく過ごせます。一生のうちに何度も経験することは無いでしょうが、長い夜を耐えた後はちょっとした自信がつくことでしょう。

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