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冬山装備

冬山装備一覧 雪山からバックカントリーまで基本装備を徹底解説


山が一番魅力的に輝く時期は雪のシーズンの冬山ですが、重い荷を担ぎ黙々とラッセルしなければならないことも多く、コースタイムも春に比べ5割程度多くみる場合もあります。


さらに冬山の気象は非常に変化が激しく、いつも快適な天気に恵まれるとは限りません。


ですが雪山にはそこでしか味わえない素晴らしい景色やシーンが数多くあり魅力に溢れていますので必要な技術を身に付けて、装備を揃え、白銀の世界を楽しみましょう。


冬山、雪山の基本装備と言っても、スキーなどでの滑走目的の冬山登山、純粋なピークハント目的の冬山登山、その目的により必要とする装備は変わってきます。


しかしウエアなどの身に着けるもや、GPSやコンパスなどのルートファインディング用品、アイゼンなどの登攀道具など、変わらないものもあります。


今回は、僕が雪山で日常的に使っている物を例にあげて、基本的な雪山日帰り装備の解説をさせて頂きます。


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冬山、雪山基本装備表(必ず必要なもの)


登山の目的や時期、狙う山などによっても基本となる装備は変わってきますが、以下は僕が冬山に入るときに日常的に用意している物です。


装備 用途
アウターシェル ゴアテックス素材など防水、透湿性のあるのジャケットとオーバー・パンツです。
ミッドレイヤー フリースなどの中間着のことです。基本的にはこれで保温性を調整します。
ベースレイヤー 肌に直接触れるので一番大切なものです。速乾性と保温性に優れてた冬山登山用を使います。
帽子 通常のニット帽とバラクラバ(目出帽)を用意して下さい。
グローブ 保温性の高いグローブに薄手のインナーグローブがあると快適です。
ソックス 冬用のウールのソックスの薄手のインナーソックスがあると爪先が冷えません。
スノーシュー 山スキーを使わない場合はMSRなどの登山用を使います。
アイゼン(クランポン) 森林限界を越えたアルパインエリアや春のザラメ雪の時に使います。
登山用ザック 日帰りでも冬は装備が増えるので30㍑以上は必要です。
ビーコン、プローブ、ショベル 雪崩に遭ったときのセルフレスキューに必ず必要です。
ツエルト、非常用マット ビバークしたり怪我人を収容したり出来る、簡易タイプのテントです。
エマージェンシーシート、ロウソク シートはビバーク中の体温の維持や怪我人の収容、ロウソクは照明に使います。
シングルバーナー、コッヘル カップ麺を作ったり、コーヒーをいれたりと山で温かな物を口にするのに重宝します。
救急セット カットバンや傷薬、包帯、持病がある方はその薬なんかを用意します。
ヘッドランプ 冬の日没は早く、山で何かアクシデントがあった場合は暗くなってからの下山もありえます。
GPS、地図 以前はコンパスを使っていましたが、冬山のルートファインディングではGPSが便利です。
水筒、サーモスボトル 飲料水としては勿論、低体温症になった場合は湯たんぽとして体を温めることも出来ます。
ゴーグル、サングラス ゴーグルは吹雪の時、サングラスは日差しが強いときの雪目防止に使います。
ヘルメット 登攀目的ではればクライミング用を、滑走目的であればスキー、スノーボード用を使います。
登山靴 登攀目的であれば冬季用プラブーツ、スキー登山であれば兼用靴を使います。


以下、詳しく解説してゆきます。


アウターシェル、ジャケット、パンツ


これは一番外側に着るジャケットやパンツの事で、アウターシェルに求められる機能として防風と防水そして透湿です。


冬山で雨に打たれることはめったにありませんが、湿雪などからくる水分をシャットアウトする防水性は必要となります。


また冷たく厳しい冬山の強風を防ぐ防風性は最も必要です。


冬山と言えども登りでは汗をかきます。その汗を効率よくウエアの外に放出する透湿性も快適性という観点からも、必要となります。


冬山ウエア

よってゲレンデなどで使う中綿入りのウエアは暑すぎるのと、汗がこもるので不向きです。


素材としては防水性と透湿性に優れたゴアテックス3レイヤーのものがおすすめです。


コンパクト性を求めるならゴアテックス・プロシェルのウエアは快適です。登山用のシェルは1枚もののものが多く、殆ど保温効果はありません。


もっと言えば裏地も無いものが殆どです。保温に関しては中間着とアンダーで調整するという方法を取ります。



高価なゴアテックスウエアはシーズン終了時御にクリーニングなどしてキレイに保ちましょう。


その時に保管も可能な宅配クリーニングは便利です。お店によっては登山靴のクリーニングもやってくれるお店もあります。




ミッドレイヤー 中間着


アウターシェルの下、アンダーの上に着る中間着のことです。多くはフリースが一般的ですが最近はソフトシェルの物も出ています。


違いは防風性と撥水性があり、荒天時以外はアウターとして使えるということでしょうか。


僕は透湿性重視で殆どフリースを使うことが多いですが、フリースもその厚さが色々あり、あまりバルキーなものは温度調整が難しいので中厚のもを厳冬期に、薄手のもは春の残雪期用として使っています。


冬山ウエア

写真は僕が使っている物ですが左が厳冬期用、右が春の残雪期用です。


その他、写真はありませんがナイロンの超薄手のジャケットがあれば、登りで風が有ったり、雪が降ったりでシェルを着ると暑い場面では重宝します。


ノローナ メンズ トロールヴェゲン サーマル プロ ジャケット 2021 Norrona trollveggen Thermal Pro Jacket


NORRONA(ノローナ)lyngen alpha90 Jacket(リンゲン アルファ90 ジャケット)



ベースレイヤー


実は、冬山においてこのベースレイヤーが一番大切と言えます。


登りにおいては冬山と言えども汗をかきます。その汗を素早くウエアの外に放出して肌は常にドライに保ち、さらに保温を確保するというのがベースレイヤーの役目です。


厳冬期においては最近流行りのメリノウールのアンダーは温かく快適です。忘れがちですが、パンツも冬山登山用の素材のものを使用して下さい。


冬山ウエア、ベースレイヤー

普段使いでは化繊の冬季用登山アンダーがおすすめです。


もっともNGなのは綿などのアンダーで保温性は低く、汗をかくと何時までも乾かず、体温を奪ってゆきます。


また、ヒートテックも速乾性がないので冬山には向きません。そもそも、アクティビティー用では無いので、過酷な冬山の登山には使えません。


写真は僕が使っているものですが、以下にリンクを貼っておきます。


パタゴニア公式サイト メンズ・キャプリーン・エア・クルー


パタゴニア公式サイト メンズ・キャプリーン・エア・ボトム



帽子、グローブ、靴下


バラクラバ(目出防)は吹雪のおりに温かく重宝します。登りでは汗をかくのでグローブも登り用の薄手のものを用意しておきましょう。


写真はありませんが、ソックスは中厚の登山ソックスの下に薄手のインナーソックスを重ねると温かいです。


冬山ウエア、グローブ、ソックス、帽子

また、グローブに関しても薄手のインナーグローブを着けていると指先が冷えることがありません。


冬山では何かの作業でグローブを外しても指先を冷やさない為に素手にならないことが肝心ですので、そんな時にインナーグローブは重宝します。



登攀道具、スノーシュー、アイゼン(クランポン)


雪国での冬山登山では山スキーを使ったり、テレマークスキーを使うことが多いかと思います。


その他の地域ではワカンや、スノーシュー、アルパインエリアではアイゼン&ピッケルというスタイルになります。


スノーシューにはトレッキング用と登山用がありますので、登山用を選ぶようにして下さい。


スノーシュー、クランポン

またアイゼンに関しては、4本爪~12本爪までありますが縦走用の10本~12本爪の物を選んで下さい。


爪先の爪の無いアイゼンはキックステップでクラストした硬い雪の斜面を登れません。


このサイトでもスノーシューとアイゼンにつきましては別ページで詳しく説明していますので参考にして頂ければ幸いです。





冬山用登山日帰り用ザック


日帰りでも冬用のザックは35㍑~40㍑は欲しいところです。


ツエルトやアバランチギア、その他の装備を入れると夏山よりも30%ほど冬の装備は多くなります。


最近はピークハントと言えどもスノーシューなどを使うことも多いので、ザックに取り付けられて、背面が開くタイプのザックが使いやすいかと思います。


スノーシューを使わないのであれば、夏山で使っていたザックでも十分に使えます。


冬山用登山用ザック

写真は僕が日常的に使っているものです。メインはホグロフスのマウンテンサーフ30㍑を使っています。登りはスノーシューかスプリットになるので、やはり選択するのは板を取り付けられるこのようなタイプになります。


このサイトでも日帰りのザックに関してのページがありますので参考にして頂ければ幸いです。



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アバランチビーコン、プローブ、スノーショベル


雪崩対策用のアバランチビーコン、プローブ、スノーショベルです。


プローブはカーボン製とジュラルミン製がありますが、どちらも軽量で長さは3mあればいいかと思います。


スコップは硬質プラスティックとジュラルミン製があり、雪崩対策の他に雪洞を掘ったり、スノーキャンプの折には風よけブロックなども作れます。


雪への入りはジュラルミンの方が良いような気がしています。


アバランチビーコン

ビーコンに関しましてはどんどん進化が進んでいて反応も良くなっています。


古いビーコンのなかには、信号の間隔が1秒以上の機種もあり、複数埋没の際には発信が重なり場所の特定などに手こずる場合もあります。


主流はトリプルアンテナの物ですのでオークションや知人から中古を買う場合は注意してください。


アバランチビーコンや雪崩に関しましては説明ページがありますので参考にして頂けると幸いです。




ビバーク 緊急用装備


ビバーク用のツエルトやマット、ヘッドランプ、ロウソク、救急セット、コッヘル、シングルバーナー、などです。


このマットはダイソーで空気を入れるタイプの座布団2枚をテープで繋げたものです。空気を抜くとコンパクトになり、かなり使えます。


シングルバーナー&コッヘルはコーヒーを沸かしたり、カップ麺を食べたりにも使います。


ツエルト、ビバーク装備

冬は日が短く、何かのアクシデントがあると下山途中に日没となることもあります。そんな時にはヘッドランプのお世話になります。


救急セットは傷薬に包帯、カットバンなどが入っています。ロキソニンなどの痛み止めなどあれば尚よしです。


ビバークに関しましてはこのサイトでも別ページで詳しく説明していますので参考にして頂ければ幸いです。




GPS 地図 スマートフォン


昔はコンパス&高度計を使ってルートファインディングしていましたが、20年ほど前からGPSを使っています。


ただ紙の地図は持ちたい方なので1/25000図にGPSに入れてるウエイポイントなどは記入して使っています。バックアップとしてスマホにもGPSアプリを入れていますが、これがけっこう高性能で使えます。


しかし低温に弱い機種はバッテリーの残量に注意が必要です。


登山用GPS、地図

登山用GPSとスマートフォン用のGPSアプリにつきましては別ページで詳しく説明していますので、参考にして頂ければ幸いです。




水筒、サーモスなど


冬山と言えども、登りではけっこう汗をかきます。


また冬山はとても乾燥した環境で、息をしているだけで体内の水分が失われてゆきますので積極的に水分を取る必要があります。


僕は水筒に水を持ってゆきますが、サーモスに温かな飲み物という方もたまに見かけますが、どちらでもお好みで、という感じです。


登山用水筒

僕は写真のプラティパスの1㍑の水筒を使っていますが、この水筒は水を入れて乗っかっても破れない強度があるのでキツメのパッキングでも安心です。


しかも中身がなくなれば小さく折りたためるのところもお気に入りです。


価格も¥1400程で購入できますので以下にリンクを貼っておきます。


[プラティパス] ウォーターボトル プラティ ソフトボトル 1.0L 25248 プラティ ロゴ



ゴーグル、サングラス、ヘルメット


登山の目的がスキーやスノーボードなどの滑走の場合はゴーグルやヘルメットが必要になります。


ゴーグルは滑走目的ではない場合も吹雪などの時には必要となりますので用意して下さい。サングラスは快晴の雪山での雪目防止に必要です。


特に春山など日差しが強くなる時期には必ず用意して下さい。


ゴーグル、ヘルメット

ヘルメットに関しましては、他に説明ページがありますので参考にして頂ければ幸いです。




カメラ類


これは、必要というものではありませんが、雪山は時に感動的な表情を見せることもあり「あー、カメラを持って来れば良かった!」と思う瞬間があります。


スマホのカメラでも良いのですが、低温や防水性に優れたアウトドア用のカメラは安心感もあります。


このサイトの山行記録で使っている写真は全てアウトドア用のコンデジで撮ったものです。


意外と写りが良いのとマイナス10℃位までは普通に使えるので重宝しています。


登山用コンデジ

このサイトでも冬山で使えるコンパクト・デジカメの説明をしているページがありますので参考にして頂ければ幸いです。




その他、あると便利なもの


必ず必要という訳ではありませんが、あると便利ですので必要に応じて揃えてゆくという感じでいいと思います。


装備 用途
サポートタイツ CWXなどの機能性タイツは筋肉疲労を抑えたり、関節を安定させてくれる物もあります。
カメラ 雪山を登っていると写真に残したい景色に出会うことがよくあります。
トランシーバー 滑走目的の時など斜面の上と下で連絡し合うのに便利です。
気温計 山中でその時の気温を知れば次回の服装の参考にもなります。
ピッケル 森林限界を超えたアルパインエリアではあると安心ですが、使い方に慣れも必要です。


冬山装備 雪山登山の基本装備 まとめ


以上が僕が日常的に冬山で使っている装備です。


簡単にまとめると雪崩に関する物、ルートファインディングに使うもの、ビバークに使うもの、この辺がザックの中には常に入っています。


これらを最初に揃え、あとは足りないと感じたものを徐々に揃えてゆけば、お財布の負担も少ないかと思います。


また、最初の冬山は先輩や友人に連れて行ってもらったり、ガイドツアーに参加したりという形になるかと思います。


そのような時に装備についてのアドバイスをもらうのも良いと思います。さらに冬山に関しての勉強も徐々に進めて行って下さい。


山の天候、雪崩について、ルートファインディング、救急方、等々、覚えなくてはいけない事が沢山あります。


日帰りの装備に関しては、さらに詳しく説明しているページがありますので参考にして頂ければ幸いです。




ところで、ウエアのクリーニングって、どうしていますか?

ライディングを支える大切なウエア上下やダウンセーター、フリース類などは定期的にクリーニングに出してコンディションを整えておきたいですね。



特にゴアテックスなどの素材は皮脂や汗など汚れを放置していると、最大の特徴である透湿性や撥水性が失われてしまいます。



でもこれらを個別に出していると料金がかさみますし時間もありません。そんな時に便利なのがパック料金を採用している宅配クリーニング店です。



料金の一例として10点パック¥13,500円(税込)というお店がありますが基本的には何を出しても価格は変わりません。



しかも簡単なホツレ直しやボタン付け、軽度のシミ抜きまでやってくれ、宅配となれば大助かりです。



また、布製品だけではなく革製品や靴のクリーニングも行っているころもあるので、革製のグローブも相談に乗ってくれます。


そんな宅配クリーニングを目的別に紹介して、まとめた記事がありますので参考にしてみて下さい。



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