THE NORTH ISLAND

welcom to nature of hokkaidou


雪山テント泊

雪山にテント泊する!設営場所や装備、快適に過ごす方法を全公開


本音で言うと厳冬期の冬山にテントで泊まるのはあまり楽しくはありません。とにかく寒いし、バーナーを止めるとテント内は外と変わらない氷点下になります。テントの内側には霜がびっしりと着いて風が吹くとそれが顔に落ちてきて寝ていても、目が覚めることもしばしばあります。夜中にトイレに行きたくなり暖かなシュラフから這い出て、ブーツを履き極寒の外に出るのはかなりの苦痛です。テントの撤収時に吹雪なんかになるともう苦行以外のなにものでもありません。


それでも雪をまとった山々は美しく、雪山は魅力に溢れています。まずはいきなり厳冬期の冬山にテント泊するのはハードルが高いので気温が上がり、日照時間が長くなる残雪期から始めるのがいいと思います。ちなみに厳冬期だとテント泊するときの気温はマイナス15℃~-20℃、GW頃の春の残雪期だと0℃~-5℃。と春の方がかなり楽です。見開きの写真もGWの利尻山でのテント泊です。

スポンサーリンク



テントを選ぶ


どの方向からの風にも強度があり、同サイズでもっとも軽いテントとなると選ぶのはドームテントになります。しかも設営、撤収のしやすさから考えればやはりドーム型がピカイチです。見開きの写真では右がゴアテックスのシングルウオール、左はフライシートをかける通常のテント(厳冬期の場合は冬用の外張り使用。)です。どちらもポールはスリーブを通すもので、ポール数は2本の設営をスピーディーに行えるタイプです。


これはどちらも1人用のテントですが、複数人用のものでは数本のポールを使ったジオテックス型で居住空間が広いものもあります。またドーム型でも設営方法に2通りのタイプがあり、ひとつは先ほど説明したスリーブを通すもの。もうひとつはポールに対してテント本体から出ているフックをひっかけて吊り下げるタイプのものがあります。吊り下げ式は設営がとても簡単ですが構造上フレームの中間部からの張り綱をとりにくく、固定が底辺のみのものもあるので耐風性が若干弱いという特徴があります。


雪山テント泊

テントメーカーとしては老舗のアライテントのエアライズ1です。ストックでレインフライは付属していますが、別売りで冬用外張りもあるので4シーズン、フルで使えて便利なテントです。

アライテント(ARAI TENT) エアライズ1(AIR RAIZ1) 1人用 本体:クリーム フライ:オレンジ

アライテント(ARAITENT) エアライズ1/Xライズ1 冬用外張



テントの設営場所を決める


設営場所を選ぶにあたって一番注意をしなければいけないのが、その場所は安全か?ということです。雪崩が起きた場合の走路や沢のボトムではないか。斜面の途中や谷の中などは出来るだけ避けるべきです。また森林限界を超えた稜線やコルなどは風が強くなる場所ですのでここでの設営も向きません。樹林帯の尾根筋などは風も弱く雪崩の危険も無いので安全かつ快適です。風雪の中では「早く設営を」と安易に場所を決めがちですがこんな時こそ慎重になりましょう。


またテントの出入り口と風向きにも注意しましょう。風上に向けてはいけないのは周知の事実ですが、風下に向けると吹き溜まりの雪が入り口付近に溜まってしまいます。風向に対して直角より若干風下に向けるのが、風も吹き込まず、雪も溜まらないので快適です。ただこの時に今の風向がその山の主風向なのかも判断しましょう。日本の山は主に西からの風が吹くことが多いです。付近のエビのしっぽの伸びている方向やシュカブラなどを見て的確に判断しましょう。


場所が決まったらテントを張るために整地(平らにする)踏み固めましょう。ここをおろそかにしていると後で沈下したり床がボコボコで不快な思いをします。厳冬期の場合はテントの周り1mは踏み固めましょう。これは風避けのブロックを積むための場所になります。また出入りを楽にするために入り口の所を深さ30cmで幅50cmほど掘っておくとブーツを脱いだり、テントへの出入りが楽になります。


スポンサーリンク



テントを設営する


テントを張ったらペグと張り綱で補強しますが、冬季はちょっとした工夫が必要です。ペグにも張り綱と同程度の短い紐をつけておいてペグを雪の中に埋めたらその紐に張り綱を連結して支点として使います。また張り加減の調整部分は夏とは逆に上に付け替えておきます。これは調整部分が下だと雪が降り積もって埋まってしまい、張り綱が緩んでも調整が出来ないという事を防ぐためです。またペグに紐をつけるのは、ペグを埋めた雪面が凍って掘り出せなくなった場合にペグ側の紐を切って撤収するためのものです。


テントマットを敷き、スリーピングマットを広げその上に座ると下からの冷えを防げます。テントの中には出来るだけ雪を持ち込まないのが鉄則です。雪は溶け水となりシュラフやその他の装備を濡らします。ショベル、スノーシューなどはテントの外、入り口付近に立てておきましょう。夜半に降雪が続く場合はテントを埋められないように除雪をしなければいけません。これを怠ると中でランタンやバーナーを使ったときに酸欠になったり、積もった雪にテントの壁が押され居住スペースが狭くなったりしますので必ず実行して下さい。



テントで寝る


寝るいう行為に夏も冬もかわりはありませんが、低温ゆえに凍るものはシュラフやシュラフカバーの中に入れてしまうのが良いでしょう。ブーツはインナーを外してシュラフの足元に入れておきます。グローブなどは出来るだけ吊るし乾しして寝るときはシュラフの中に入れましょう。どうしてもテントの中は雪が持ち込まれ湿りやすいのでゴアテックスなどの通気性があるシュラフカバーを使いましょう。シュラフは使用限界-15度対応の物であれば日本の殆どの冬期の中級山岳で使えます。これにカバーを着けたり、インナーを入れるとさらに耐寒性能がUPしますので組み合わせて使うと対応幅が広がります。


イスカ(ISUKA) 寝袋 エア 630EX ゴールド

最低使用温度 -15℃、羽毛量:630g(90/10 800フィルパワー)厳冬期の中級山岳や残雪期の3000mクラスに最適のモデルです。僕もこのクラスのものを使っています。春山~冬山まで幅広く使えて良いシュラフです。

イスカ(ISUKA) 寝袋 エア 630EX ゴールド

イスカ(ISUKA) ゴアテックスシュラフカバーウルトラライト ワイド ネイビーブルー 200821


その他、雪山でのテントではネオプレン(ウエットスーツの生地)のソックスをテントシーズ代わりに使うと便利です。そこそこの保温性能もありますし、そのまま外に出てもOKです。外に出るたびにブーツを履くのは面倒なので僕はこれを使っています。釣具店や作業服店で¥1000位で売っているので値段も適正です。ソックスの上に重ね履きするので大きめのサイズを選ぶのがコツです。



雪山での食事


キャンプでの食事に関しては夏も冬も変わりません。雪山に泊まろうというからには今までそれなりの経験を積んできている方と思われますので冬の食事に関しても今までどうりで問題ないかと思います。ただ違うとしたら野菜などの水分の多い食材は凍りやすいということ水を大量に使う料理は出来ないということかと思います。周りは雪で水を作ることは可能ですが、雪から水をつくるには大量の燃料を消費します。持っていける燃料には限りがあるのでこの辺は工夫が必要です。


炊事に使うバーナーは大別してガソリン式とガス式がありあます。冬山ではかつてはガソリンや灯油などの液体燃料のものが全盛でした。ただこれらのバーナーはある意味、気難しいところがあり使用には慣れが必要でした。当時のガス式は低温に弱く冬山では使い物にならなかったのですが最近は低温に強いプロパンの混入率を高めた厳冬期用のものが充実していますので、こちらが一般的になってきました。ガス式は点火が容易で燃料の扱いが簡単なので今ではこちらが全盛です。


カートリッジは冬用のパワーガスを使いましょう。

PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー


PRIMUS(プリムス) IP-2245A-S ランタン【日本正規品】



雪山に泊まる まとめ。


天気が良くて風も無ければ雪山の夕暮れを楽しむことが出来ます。山全体が夕焼けのオレンジに染まり、ピンクから紫に染まっていく景色を見れるのは雪山に泊まることが出来る者の特権です。日が沈むと都会では見ることの出来ない満天の星空が広がります。天の川や冬の星座のオリオン座を見ることが出来るでしょう。何より楽しんで欲しいのは山のそういう時間で、その日、その時、その場所に居れるということを楽しんで下さい。


普通であれば雪山でそんな時間にそんな場所に居るということは緊急事態ですが今日はテントに泊まれます。熱いコーヒーを炒れてもいいですし、ランタンの明かりを灯しウイスキーのお湯割りなんかでも最高かと思います。ダウンの上下を着込んでテントの入り口を開け放して山の景色を楽しんで下さい。



ところで、ウエアのクリーニングって、どうしていますか?

ライディングを支える大切なウエア上下やダウンセーター、フリース類などは定期的にクリーニングに出してコンディションを整えておきたいですね。



特にゴアテックスなどの素材は皮脂や汗など汚れを放置していると、最大の特徴である透湿性や撥水性が失われてしまいます。



でもこれらを個別に出していると料金がかさみますし時間もありません。そんな時に便利なのがパック料金を採用している宅配クリーニング店です。



料金の一例として10点パック¥13,500円(税込)というお店がありますが基本的には何を出しても価格は変わりません。



しかも簡単なホツレ直しやボタン付け、軽度のシミ抜きまでやってくれ、宅配となれば大助かりです。



また、布製品だけではなく革製品や靴のクリーニングも行っているころもあるので、革製のグローブも相談に乗ってくれます。


そんな宅配クリーニングを目的別に紹介して、まとめた記事がありますので参考にしてみて下さい。



Burtonオンラインストア

>>How to climbに戻る

>>TOPに戻る

スポンサーリンク