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ふたつ玉低気圧

山の天気 この天気図になったら登山は中止!危険な3つの低気圧


新聞に掲載される天気図は12時間前のものなので予想には使いづらく、昔はラジオの気象通報を聴きながらリアルタイムの天気図を書いていた時期がありました。今はテレビやネットの情報が飛躍的に早くなったのでそんな必要もなくなりました。必要なら山中でスマホから最新の気象情報を得ることが出来ます。そんななかでもこの気圧配置になったら必ず山は大荒れになり過去には大量遭難が起きていて山に入ってはいけないという危険な低気圧があります。


2つの低気圧が日本海と日本の南岸を挟むように通過し広範囲にわたり荒天をもたらす「2つ玉低気圧」。日本列島南岸を発達しながら東に進み寒気を運ぶことが多く太平洋側に大雪や大雨をもたらす「南岸低気圧」。日本海を発達しながら東あるいは北東に進んで急速に発達して爆弾化することがある「日本海低気圧」。このどれもが山は大荒れになり、気象遭難となる確立が非常に高い低気圧です。これをテレビやネットで見た場合はけっして山に入ってはいけません。以下それぞれについて天気図付きで説明してゆきます。

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■ 2つ玉低気圧

日本列島を南北にはさんで北東へ進む2個の低気圧を、「二つ玉低気圧」と言います。冬から春にかけて多く出現し、日本海と太平洋を低気圧が通過することから、広い範囲で悪天候になりやすいのが特徴です。日本海側の低気圧には北から寒気が流れ込み、南側の低気圧は南からの湿った空気を含むため、2個が接近すると周辺の大気が不安定になり、激しい雨や強風、大雪などになります。


その後2個の低気圧は、北海道付近で一つになり急速に発達し、台風並みに発達することもあります。発達した低気圧が東の海上などへ抜けた後は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、道内に北から寒気が入り込み、これも暴風雪や大雪をもたらす要因となります。さらに怖いのは、二つの低気圧にはさまれると短い時間だけ晴れ間がのぞくことがあることです。


いわゆるこれは「擬似晴天」と言われるもので30分~1時間後には天気が急変し防風雨や暴風雪となってゆきます。この時に山に深入りすると取り返しのつかない事態となってしまいますので注意が必要です。二つ玉低気圧が通過している時は一時的に晴れても安心せず、山に行ってはいけません。


■ 南岸低気圧

南岸低気圧

東シナ海や台湾付近で発生して発達しながら東に進み,日本の南海上や南岸を通過する低気圧を南岸低気圧と言います。この気圧配置になると,西日本や東日本の太平洋側に降水がもたらされますが、冬季や春の初め頃では関東平野部で大雪となり山も大荒れとなることがあります。低気圧は発達しながら東に進み、ちょうど日本列島南岸に差し掛かった頃に最大勢力期を迎えます。進路の予想も難しく単純に東進するだけではなく、北上・停滞したり、急発進・急発達などにより、予報が外れるケースも多いのが特徴です。


この低気圧も日本の東に抜け、急速に発達して北日本から北海道に荒れた天気をもたらし爆弾低気圧と呼ばれることがあります。この低気圧が天気図上に現れたら山に行く計画を見直す必要があります。進路やスピードの予想は難しくまだ遠くに居るからと安心は出来ません。北上するとともに台風並に発達することがあるので北海道では特に警戒が必要です。


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■ 日本海低気圧

南岸低気圧

大陸や黄海などで発生し、発達しながら東北東から北東の方向に進み、日本海に入る低気圧のことを日本海低気圧と言います。この気圧配置になると南西の強風が吹き、晴れて気温が上がります。特に日本海側では高温となり空気が乾燥し、フェーン現象が発生することも少なくありませんが、寒冷前線の通過に伴う雨・雪を挟んで、後半は北西寄りの強風により気温が下がる事が多くなります。低気圧や前線が接近し通過する北日本では、大雨や強風となることがあります。


冬期に現れる弱いものは一時的に日本海側の地方に晴れ間をのぞかせますが、春から初夏にかけて現れるものは発達すると北日本は風雨(雪)が強まり、南側にあたる地方は南風が強まり気温が上がります。この後は寒冷前線がきて気温が下がりますが、このときに南岸低気圧が発生すると先に説明した2つ玉低気圧となります。当然、山は強風に伴い大荒れとなり寒冷前線も近づくので山に入ってはいけません。


■ この予報の天気図になったら山に行ってはいけない まとめ。

上記の低気圧に限らず強い冬型の気圧配置になったり、冬山でいちばん怖いのは、悪天候に見舞われたときです。悪天候下では、転滑落、ルートミス、低体温症、凍傷、雪崩など、さまざまなリスクに遭遇する可能性が格段に高くなります。実際、冬山での過去の大きな遭難事故のほとんどは、悪天候のときに起きています。計画の段階では1週間ほど前から天気予報をチェックし、当日に天気が悪くなりそうだったら、計画を延期・中止するのが賢明です。特に冬型の気圧配置が強まるときや低気圧の通過時には、山は大荒れとなるので行かない選択をするのが大切です。日本海側の山岳地では悪天候が1週間以上続くこともあり、甘くみてはいけません。


万一悪天候に見舞われたことを想定し、エスケープルートや進退の判断を下すポイントもあらかじめ決めておきたいところです。行動中も天気の変化には充分注意を払い、悪化しそうなときは無理せず計画の変更を決断しましょう。低気圧の接近時などに一時的に天候が回復する擬似好天には騙されないように慎重に判断しましょう。冬山の自然条件は天候等によって非常に厳しくなります。同じアクシデントでも、夏山だったら何でもないことが冬山では命取りになってしまうこともあります。天候遭難は山に行かなければ確実に回避できることです。悪天候が予想されるときは山に行くのを中止しましょう。


さらに山の天気を詳しく勉強したい方は以下の書籍がお勧めです。

南岸低気圧

山岳気象大全 (山岳大全シリーズ)


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