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仕事を遊ぶ

働き方改革は個人の創造力が問われる時代


今回はサーフィンにもバックカントリーにも関係のないテーマのようですが、「働き方改革」は僕達の仕事に少なからず影響があります。多くの人にとって仕事は生活の中で重要な位置付けを占めています。その仕事の仕方を国の政策で変えようというのですから無関心ではいられません。仕事の仕方が変われば収入や生活が変わり、僕達のライフスタイルにも影響があります。ということは今までどうり海や山も行くライフスタイルにも影響が出るかもしれないという事です。ということでまずは「働き方改革」とはどういうモノなのかという事からお話してゆきたいと思います。



■ 働き方改革とは。

いま日本は労働力の主力となる生産年齢人口、15歳~64歳がかなりの勢いで減少しています。ちなみに平成25(2013)年には8000万人だった労働人口が、平成39(2027)年には7000万人になり、平成63(2051)年には5000万人まで減少してしまう予測で、深刻な働き手不足に陥る状況です。(国立社会保障・人口問題研究所調べ)このままでは国の生産力は低下し、国力の低下にも繋がって行きます。そこで考えたのが「一億総活躍社会」です。実は、日本の労働生産性は、OECD加盟国の全35カ国の中で22位となっていて主要7カ国の中で最下位です。人口が低下している中での労働力を増やすためには、労働市場に参加していない女性や高齢者の掘り起こしが必要です。そのために労働条件などを良くして働きやすくするので高齢者も子育て主婦も頑張ってね! 簡単に言うとこういう事になります。


■ 働き方改革3つの課題

働き方改革を行うには3つの課題がありこれを解決し目玉とする方針です。

・長時間労働の改善

・非正規と正社員の格差を改善

・高齢者の就労促進

これらが、働き方改革の最重要事項と国は言っています。その間に出生率を上げて将来の働き手を増やすことも目論んでいるようです。


■ 長時間労働の改善

まず「長時間労働の改善」からお話してゆきますが国際的にみても日本の長時間労働は深刻で、働き盛りの30代~40代の長時間労働の割合が特に多い状態です。戦後の高度長期時代に忙しいことが美徳とされ、働けば働くほど待遇があがっていく状況のなかで「睡眠時間が少ないことを自慢し、忙し過ぎることがステーサス」みたいな時代がありました。戦後の時代において「アメリカに追いつき、追い越せ」を合言葉に日本全体が頑張っていた時代です。でも..時代は移り変わり、経済大国と言われる国となっても長時間労働をして頑張っている。「あれ?俺たちは何のために頑張っていたんだっけ?」この状況で長時間労働をする意味は無く時代にそぐわなくなっています。


また長時間労働の問題は「出生率」にも大きく影響しています。長時間労働を望まれる年齢と、出産・育児年齢が重なるため女性がキャリアの中断や育児との両立の不安から出産に踏み切れなかったり、男性も育児への協力がしにくいという状況があります。日本では年間実労働時間やその残業時間にも上限基準があり1カ月45時間、年間360時間までしか残業をさせてはいけない決まりがあります。しかしこれには抜け道があって労使合意があれば、どれだけ残業しても(させても?)良い仕組みになっていました。そこでこの特例を見直すのが働き方改革の目玉となっていて残業時間の特例は、1カ月100時間、2~6カ月の平均80時間となりました。また対象は大企業だけになりますが、月50時間を超える時間外賃金の割増を50%とする労働基準法の規定がすでに適用されています。


■ 非正規と正社員の格差を改善

次に「非正規と正社員の格差を改善」ですが、ようは正社員もパートも同じ仕事内容ならば待遇も同じにすべきという取り組みです。たとえば、非正規のベテラン社員の給与が、経験の浅い正規社員よりも格段に安いといった場合、それはダメでしょという事です。将来的に非正規というもの自体をなくし、生活にあわせた働き方を選べるようにするという政策も進んでいます。これに合わせ最低賃金の引き上げも、時給1,000円にしようという動きもあります。


■ 高齢者の就労促進

最後に「高齢者の就労促進」です。現在日本の定年制では65歳が定年ですが高齢者の約6割が「65歳を超えても働きたい」と考えていることが国の調査で判明しています。しかし実際に働ているのは約20%に留まっていてこの労働市場に入っていない高齢者の労働力の掘り起こしも重要と国は考えています。現在、生産年齢人口の減少に反比例し、高齢者人口は上昇していく傾向で、2060年には約3,500万人となる予測です。国の政策としては65歳以降の継続雇用延長や、定年延長を行う企業等に対する支援が検討されています。これは平均寿命が延びた現在の日本で定年制という制度自体が時代にそぐわなくなってきている背景もあり、遅すぎる対策だとも言えるかもしれません。働けるうちは生涯現役時代が来るのかもしれません。


■ 個の時代へ

ここまで簡単に「働き方改革」について説明してきましたが、何となく思うのは今まで国の政策が悪く女性が子供を産まなくなり出生率の低下を招き、その結果労働人口が減り国力が落ちてきたので、ちょっとしたニンジンを見せて高齢者や主婦を働かせよう~みたいな印象を受けてしまいます。ですが、これが実現すると会社員やパート、アルバイトの方の労働環境はギャラや労働時間などの条件を含め、良くなるのも事実かと思います。


ただホトグラファーやデザイナーなどクリエーターや個人事業主などアクティブな方においては、残業するとか、休日とか時間的概念に捕らわれず仕事をしています。ようは何時間働いたではなく、どの位の成果があったか?ということが重要で時間的モノサシで仕事を計ってはいません。なので「働き方改革」は本人次第ということが言えるかと思います。


ここからは僕自身の考えなのですが労働人口の減少により国力が落ちる対策として、今まで市場に出てこなかった労働力の掘り起こしも重要ですが、その質の向上、全体的な底上げも必要と思います。これからは「個人の能力」が重要になってくる時代だと僕は思っています。特にAIや機械に代替されない創造性のある仕事をする個人の生産性が、そのまま直接企業の生産性につながり、それが国の生産性を上げる力になると思っています。企業や国の生産性を上げるための方法というのは、創造的な個人の生産性を上げることと言えます。


働き方改革

その最大の価値、「創造力」というモノをもっているのは「個人」なのです。つまり優秀な個人のモチベーションをあげなければ、会社や組織、大きな単位でいうと国の将来は無いってことなんです。当然その創造性やクリエイティブな部分はこれを読んでいる貴方も勿論備わってます。何といってもサーファーやスノーボーダーの横乗り系人種にクリエイターが多いのは周知の事実です。(笑) 今回の「働き方改革」でその辺の話が出てこないのは寂しい限りでした。


今後、会社や仕事は社会環境により変化し続けていきます。ということは、社会が変われば当然仕事や会社の考え方も変化させていかなければならないということです。今までの社会では、会社に行かなければならない、ということが当たり前でした。でも、高速インターネットやクラウド環境、そういうものの進化で、一部の仕事は会社に行かなくても会社と同じ環境で仕事ができるようになっています。今までの「しなければならない」ということ自体が、古い慣習に捕らわれているのかもしれません。


さらに社会の変化はAIの出現で工場などの単純作業に留まらず、銀行の与信作業、税理士、等の知的労働でさえ、AIやロボットに置き換えられてゆきます。でも、AIやロボットに仕事を奪われるのではないかという心配はありません。AIやロボットが、24時間働き続けてくれば僕達は他のもっと人間でなければ出来ないクリエイティブな仕事に集中出来ます。結果、社会全体のGDPが上がり個人も豊かになっていく。そう考えることも出来ます。


■ 働き方改革は個人の創造力が問われる時代 まとめ。

今回の「働き方改革」はこの辺のことを考える良いきっかけを僕たちに与えてくれました。これからは国の政策や社会環境に左右されない個で生きてゆく力を付ける時代がやって来ます。高速インターネットが整備され、誰もがスマホやパソコンを持ち大きな企業と対等な発信力を持てる時代です。収入ですら自分で作り出すことができる環境が整ってきています。これから未来に向け、僕たちが努力すべきはいつの時代も言われてきた個人を磨くことです。自分自身の個性を、最大限に引き出し、存在自体が価値になるような人。個人と言うのは、1人しかいません。ですから他人と比べるのではなく、他人と競争するのではなく、自分自身にいかに価値をつけていくか、それを磨く時代と言えます。


「創造力」を持っている「個人」はどんな法律が出来、どんな働き方になっても世の中が必要とします。それは今後も変わらない事実です。今回の国が推し進める「働き方改革」を期に自分自身の「働き方改革」を考えてみるのもいい機会と言えるかもしれません。全てはKEEP ON SURFING!のために。