THE NORTH ISLAND
welcom to nature of hokkaidou
波予想はサーフィンを楽しむ上でサーファー必修の知識です。
メジャーポイントについては予想サイトなどもありますが、それとてパーフェクトではありませんし、短時間だけ発生して無くなる波の情報は得ることは出来ません。
また自分が通っているマイナーなポイントの予想はネットからは得ることが出来ません。
ここでは基本的な予想に必要な知識と、ちょっとした気象学を交えてお伝えしてゆきます。
これをマスターして応用するとどんなポイントの波予想も出来るようになりますし、95%以上の確率で波を当てれるようになります。
そんな波の当て方を以下の項目で解説してゆきます。
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結論から言うと、波(高さと向き)、風(向きと強さ)、これを読むだけで90%の確率でいい波を当てることは可能です。
さらに潮位を読めば95%の確率で良い波を当てれます。
必要なのは天気図でもなければ、課金される予想サイトの情報でもなく以下の3つだけです。
以下、もう少し詳しく解説してゆきますね。
自分の向かうポイントの海岸線にどの向きから、どんなサイズの波が入って来るのかが解れば、波の有る無とサイズまでを知ることが出来ます。
当然、波の向きは海岸線に真っすぐに向かってくる方がサイズがあります。波のサイズは0.6m以上あればまーまーです。
この時に波の周期もチェックしましょう。周期が6秒以上であればしっかりとしたウネリで、それ以下だと風波で力の無い波となってしまいます。
この情報が得れるのが「リアルタイムナウファス」です。エリア選択から全国の観測ポイントでのリアルタイムのデータが得られます。
このサイトで僕がよく行く浜厚真の近くの苫小牧港のデータを見てみると波高1.11m 波周期8.3s 波方南西 ということがわかります。
この観測ポイントをクリックすると以下の画面になります。
この画面を1日表示にすると、これから波が上がるのか、又は下がるのかが何となく分かります。
さらに詳しく予報を知りたければ「GPV]の詳細画面で2日先の予報までを知ることが出来ます。
ここまでは波は、有るのか、無いのか、有るならサイズはどの位で、これから上がるのか下がるのかを調べました。
では実際にこのデータだと波はどの位のサイズになるかと言うと、波高は1.1mとさほどではありませんが、周期が8s~9sとそこそこ長いので波のサイズは肩~頭ほどはあると思います。あとは風が合えばいい波のはずです。
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次は波の形の良し悪しを決める風を調べます。
理想は無風か緩いオフショアでオンショアでも風速が3mまでなら波の形にさほど影響はありません。
更に風向きと同時に、これからも同じ風向きなのか、強くなるのか、弱くなるのかを知りたいところです。
どんなに波が有ってもオンショア、ビュービューではサーフィンにならず、それはただのシケになってしまいます。
ここでも僕は「GPV]の予報を使います。
この画面を見る限りでは対象のポイント(黄色円内)では6m以上のサイドオンが吹いていて、コンディションが悪いことが分かります。
僕なら他のポイントのサーチをするか、ノーサーフにします。
または、何となく予報に納得がいかないときは、もう一つのサイトも調べてみることもありあります。
このサイトでは波予想も見れますが、波に関してはGPVとナウファスを使っています。
このデータでもポイントではサイドオン6mとあまり宜しくありません。
ここまで調べておけば、90%の確率で波を外すことは無いでしょう。
さらにあと5%の予想を確実なものにするためには潮位も調べます。
遠浅のビーチのポイントでは必要ありませんがリーフのポイントや水深の深いポイントでは重要になります。
波はそのウネリの倍の水深でブレイクします。
つまり1mの波がブレイクする場所は水深が2mの地点で、潮が上げて2m50cmの水深になっていると波はインサイドで割れることになります。
大潮の時期は水深が1mも変化するので、潮が満ちているときは海面がただ筋張っているだけということがあります。
しかし潮が引いて1mも海面が下がれば腹~胸の波がミドルからブレイクしてくるということになります。
これはリーフなどの水深があるポイントでは当たり前に起きている事実です。
なので水深のあるポイントやリーフ、または河口のポイントでは、その日のウネリのサイズに合わせた潮回りを読む必要があります。
波予想で潮位も考えるようになったら、波を読む中級者以上の証なので的中率も95%以上になっているはずです。
僕は潮位は以下のサイトで調べています。
これは北海道版ですので、ご自身の住んでいるエリアの潮位表を利用してください。
最後にリバーマウスのポイントに関しては満潮時の方が波が良いようですが、これは潮が上げることにより海に流れる河の水量が押さえられ波に影響を与えないためとも考えられていますが、そのときのサンドバーの形や水深によっても一概には言えませんので注意が必要です。
次の章ではさらに理解を深めるために、波はどうやって産まれ、僕達の居る海岸にとどくのか、というお話しです。
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まず波はどやって生まれるのか?という基本的なところからお話してゆきます。
波が出来る基本的な要因は風です。
では風はどうして吹くのか?風とは空気の流れで、空気は気圧の高いところから気圧の低いところへ流れます。
この空気の流れが風です。単純に考えて気圧の高いところとは高気圧、低い所は低気圧と思ってください。
ちなみに低気圧は気圧が低ければ低いほど勢力が強く吹き込む風も強くなります。この勢力が強くなったものが台風です。
ではその周りで風はどういうふうに吹くのか?
気圧の高いところから低気圧の中心に真っ直ぐ吹くのではなく、広大な範囲で時計と反対回りで吹き込んでゆきます。
あなたも衛星写真で台風や低気圧の大きな渦巻きを見たことがあるかと思います。この時に発生する風で海面にさざ波が起こります。
そのさざ波は重なり合いしっかりした波に変化してゆきます。さらにその波が重なりあったものがウネリです。
このウネリが海岸線に届いてサーフィンが出来る波となります。このウネリはたいへん遠いところからも届いてきます。
数百キロ、数千キロを経て私達のいる海岸線に届くのです。
また低気圧や台風は進行方向斜め左に一番強いウネリを発生させます。
よって太平洋を北上して北海道に近づく場合は太平洋沿岸に波が届きますが日本海を抜けた場合の殆どは日本海に私達がサーフィン出来るような波はたちません。
春から秋にかけては太平洋に、この低気圧や台風が発生しやすく波もたちやすくなります。
また初冬から翌春までは西高東低の冬型の気圧配置になりやすく日本海にサーフィンが出来る波がたちます。
この西高東低つまり北海道の西に高気圧、東に低気圧という配置は西から東に風が吹くということです。
大きな範囲で低気圧には時計と反対回りで風が吹き込むので北海道の日本海には北、北西、北東などの風が吹くことになります。
よってこの気圧配置の時には日本海に波がたちやすくなります。
簡単ではありますが波はどうしてたつのかという基本はこんな感じですので覚えておいて下さい。
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気象予報を利用してサーフィン用の予想を立てるとちょっとした矛盾にいつもぶつかります。
気象庁発表の波浪予報で、波は1mとなっていても実際にポイントに到着してみると1mのどころか膝~腰なんてことはよくあります。
また波は2mという予報で、軽く頭オーバーでクローズ寸前なんてこともありますし日本海ではフラットなんてこともあります。
なぜこんな事が起きてくるのでしょう。
現在気象庁が発表する波浪予想では海上の一点を連続通過する100以上の波のうち、高いほうから1/3を選び、これを平均した数値での予報を行います。
この平均化した波の波高を1とした場合10波に1波は1.27、100波に1波は1.61、1000波に1波は1.94という波高の波が現れます。
これにはウネリや風波も含まれますので波の高さは1mという発表でも実際の沿岸では波の高さにばらつきがあるのが現実です。
加えて発生源に近い場所の風波の殆どはウネリになることはなくサーフィンに適したコンディションにはなりません。
これを知ると予報のバラツキや、たまに現れるお化けセットの意味がわかります。
ようは気象予報での波浪予報はサーファーが乗るサーフィン向きの波の予報ではありません。
そこから自分が通うポイントの状況に落とし込んで独自の判断出来ればどんなポイントの波予想も可能になります。
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最後に「良い波とは」実はこれには好みや、経験、乗っているボードなどにより千差万別です。
ロングボーダーは厚くて押しの強い波を好みますし、ショートボーダーは薄くて掘れた波を好みます。
初心者は小さ目の波を好み、上級者は大きな波を好む傾向にあります。
こう考えると「良い波」と言っても、誰に対しての良い波?
これは後輩なんかからよく訊かれることなのですが、そういう時は僕はこう答えています。
「どんな波でも帰りに自然と笑みが出る波が良い波だよ。」
ある意味、苦し紛れの答えではありますが、そう外れているとも思いません。
緻密な波予想も重要ですが、こちらも忘れずにいれば必ず良い波に出会えると僕は思ってます。