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スプリットボード

スプリットボードがあれば山はもっと楽しくなる!その魅力とおすすめモデル


ここ数年、北海道のバックカントリーエリアでも海外からのスノーボーダーをよく見かけるようになりましたが、彼らの殆どがスプリットボードを使っています。


こういう道具類のムーブメントは海外から始まり、必ず日本にもやって来ます。


僕の周りにもスプリットで山に入るスノーボーダーが数人居ます。というか僕自身もその一人です。



スプリットボードを使わなくても山は楽しいものですが、使うようになってから更に楽しくなりました。



まず、背中が軽い!今までスノーボードを背負っていたのですから3kg~5kgは違います。



歩くスピードが速い!シール登行の場合は足をスライドさせながら歩くので、1歩の歩幅が広くなります。



さらに足を持ち上げないので疲労感も全然違います。つまり体力に余裕が生まれ、周囲の色々な事を楽しむ心の余裕も出来ます。



僕は常々、山で行動するならスキーが一番機動力があると思っていましたが、その機動力をスノーボードに与えたのがスプリットボードなのです。


今回はそんなスプリットボードの魅力を以下の項目で解説してゆきます。


  1. 1. スプリットボードとは
  2. 2. スプリットボードのメリット
  3. 3. スプリットボードのデメリット
  4. 4. スプリットボード最大の特徴ウオークモードから滑走モードへ
  5. 5. スプリットボードを始めるのには何が必要?
  6. 6. お勧めのスプリットボード
  7. 7. おすすめのインターフェース&バインディング
  8. 8. おすすめのクライミングスキン
  9. 9. おすすめのトレッキングポール
  10. 10. スプリットボードの向く山、向かない山
  11. 11. スプリットボードの滑走フィーリング

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スプリットボードとは


ここ数年よく聞くスプリットボードですが、どういうもので、何に使うか?という事から説明してゆきます。



これはスノーボードでバックカントリーに入る時に、板が二つに割れ山スキーのように雪原を歩いたり、山を登ったり出来るスノーボードです。



滑り降りる目的地に着いたら、その二つに割ったスキー状のものを1枚のスノーボードに組み立て普通のスノーボードのように滑走します。


スプリットボード

上の写真がスプリットボードをスキー状にしたもので、元々は見開きの写真のスノーボードですが、山を登る時にはこういう風になります。


今まではスノーボードで山に入ろうと思えば板を担いでスノーシューで登っていました。



それに比べると、スプリットボードは担ぐ板がスノーシューの代わりになってくれるので道具に無駄が無く、体も楽なため注目されています。



しかし道具である以上、メリットとデメリットはあるので以下に挙げてみました。


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スプリットボードのメリット


スプリットボードには、ソリッドボードでバックカントリーに入る場合に比べ以下のメリットがあります。


今まで背負っていたスノーボーが無いので背中の荷が軽い


バックカントリーにおいて荷物が軽いというのはかなりのメリットとなります。


体力や時間、行動に余裕がうまれます。



シール登行はスライドさせて歩くため1歩が大きく移動が速い


山スキーやテレマークが雪山において行動が速いのはこれが理由になります。


1歩がスライドするのでトータルでかなりの距離を稼げます。



スプリットボードが、登りではスノーシューの代わりになってくれるので道具に無駄がない


ソリッドボードの場合は登る時はスノーボードが荷物となり、滑る時にはスノーシューが荷物となります。


スプリットボードの場合は登りも滑りも道具に無駄がありません。



体力に余裕が生まれ、周囲の色々な事を楽しむ心の余裕が出来る


以上の事から今まで辛かった登りに余裕が生まれ、登る事くを楽しむ事すら出来ます。


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スプリットボードのデメリット


道具である以上メリットもあれば、デメリットもあります。



メリットになるはずのシール登行に慣れないとスノーシューより疲れる


シールでの歩行や登りには慣れが必要です。


これに慣れないとメリットのはずがデメリットとなってしまいます。



ハイクモードから滑走モードに組み立てるのに時間がかかる


滑走地点でシールを剥がし、2本の板を1枚のスノーボードに組み立てる作業があります。


これも慣れないと時間がかかってしまいます。



色々なパーツが付くためソリッドボードより重たくなる


アイゼン登行となるアルパインエリアではボードを担いで登ります。


この場合、色々なパーツの付いているスプリットボードは、ソリッドボードよりも重たくなるのでちょっと辛いです。



フルセットで20万~30万円と道具が高価である


今使っているバインディングを流用することが出来れば、若干費用は抑えられますが、それなりの出費は覚悟しなければいけません。


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スプリットボード最大の特徴ウオークモードから滑走モードへ


上記のメリット、デメリットを踏まえ、スプリットボードの最大の特徴、ウオークモードを僕のスプリットで説明させて頂きます。



ウオークモードで使う時はサイドカーブが内側となるようにします。


外したバインディングの左右を間違わずに装着。これでシールを貼ればウオークモードの完成です。



この作業を現地でするのは面倒なので、自宅でこの状態にして持って行くことが多いです。


滑走時には見開きの写真のように1枚のボードに組み立てます。


スプリットボード

ソールに貼っているクライミングスキンです。貼っている方の面は粘着性があり、かなりしっかりと貼れます。



これがあるおかげで雪の斜面を登って行けますが、前には滑るが後ろには滑らないという特性を持ってます。スノーボードに組む時には剥がします。



スプリットボード用スキンG3

ウオークモードではこの状態にアイゼンを取り付けることが出来ますので、クラストして固くなった雪ではこちらの方がグリップしますし安全です。


ちなみにクライミングサポートも2段階の物が付いています。


ボレー、スプリット用クランポン

滑走ポイントに到着したらシールを剥がし以下のように組み直し通常のスノーボードのように滑ります。


gentemスプリットボード

gentemスプリットボード

とまぁ、スプリットボードのイメージは掴めたでしょうか?


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スプリットボードを始めるのには何が必要?


スプリットボードを始めるにあたり必要なものの解説です。


スプリットボード本体


当然のことながらスプリット用のボードが必要となります。現在は色々なメーカーから出ていますが、一つ注意点があります。



スプリットだからと言って普段使いの、お気に入りのボードと極端にフィーリングが違うものを選ばないということです。


要は滑りがメインなので、その滑りの趣向が貴方に合っているものを選ぶということです。



どんなにウオークモードが優れているスプリットも滑りが楽しくなければ高いお金を出した意味がありません。



インターフェース


これは板をスキーにしたり、スノーボードにしたりするのに使うパーツ類で、バインディングの取り付け部分まで含みます。


見開きの写真でデッキに付いている見慣れない部品達です。これも数社から販売されています。



バインディングが専用となるものと、今使っているバインディングを流用出来るものがありますが、価格で選ばず出来るだけ軽く操作感がいいものを選ぶのが失敗しないコツと言えます。



インターフェースのメーカーは専用バインディングを使う「カラコラム」「スパーク」と、手持ちのバインディングが使える「ボレー」があります。


見開きの写真で僕が使っているのは「ボレー」です。



バインディング


これはインターフェースに何を使うかにより変わってきますが「ボレー」を使う場合は手持ちのバインディングを流用出来るので必要ありません。


「カラコラム」を使う場合は専用のバインディングを購入する必要があります。



クライミングスキン


クライミングスキンは、大まかに分けて2タイプあります。登りでのグリップは強くないけど前への滑りがいいタイプ。


これは滑りがスムーズなので移動スピードが速くなりますが、登りに慣れている中級者以上の人向きです。



それと登りのグリップは強力だけど前への滑りがあまり良くないタイプ。


まだスプリットでの登りに慣れていなければ、こちらを選ぶのが無難と言えそうです。



クライミングポール


平たく言うとストックの事です。これは下りでは使わないので短く収納できる3段式の伸縮ポールを使います。


カーボンやジュラルミンで軽いものがおすすめです。


次の章では、さらに詳しくお勧めなど紹介してゆきますね。


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お勧めのスプリットボード


お勧めのスプリットボードです。自分で使っていたり友人の話を聞いたりで、良さそうだなーと思ったものを選んでみました。


GENTEMSTICK ゲンテンスティック 20-21 GIANT MANTARAY CHOPSTICK : 159cm

GIANT MANTARAY CHOPSTICK

これは僕が使っているgentemのGIANT MANTARAY CHOPSTICKというモデルです。長さが159cmで、ウオークモードでの取り回しも良くパウダーでも良く浮きます。ウオークモードでは板同士を踏んでしまったりする事があるので、デッキが傷つきにくい素材になっているのも良いところです。滑りは特に癖も無く思った方向にストレス無く向いてくれます。


GENTEMSTICK ゲンテンスティック 20-21 GIANT MANTARAY CHOPSTICK : 159cm ジャイアントマンタレイ チョップスティック スプリットボード スノーボード SNOWBOARD【早期予約特典 初期チューン無料】


JONES SNOWBOARDS ジョーンズ スノーボード 20-21 SOLUTION


JONES SNOWBOARDS SOLUTION

このSOLUTIONはいかにも調子の良さそうな形をしています。前足から始まるノーズロッカーは良く考えられていると思います。パウダーでの初速も速く、浮力得られやすいはずです。またウオークモードでもこのロッカーが深い雪からの蹴りだし易さを約束してくるでしょう。


JONES SNOWBOARDS ジョーンズ スノーボード 20-21 SOLUTION ソリューション スプリットボード スノーボード パウダーボード フリーライディング バックカントリー


MOSS モス スノーボード 20-21 MATAGI 163 スプリットボード


MOSS モス スノーボード 20-21 MATAGI

こういうシーンが得意なMOSSですので調子が悪いわけは無いという感想です。「水間 大輔」監修というところも期待が出来ます。フレックスは硬めで中級者以上のチューンかと思います。


MOSS モス スノーボード 20-21 MATAGI マタギ 163 スプリットボード 【早期予約】【正規品 初期チューン無料】

3本とも似たようなアウトラインのものですが、個人的にはこの形が登りと滑りのバランスがいい形だと思っています。似てはいますが、3本それぞれ滑りの個性は違います。


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おすすめのインターフェース&バインディング


インターフェースに関してはここで紹介するKarakoramの他にSPARK R&DやVoileがありますが、着脱の速さや各パーツの精度を考えるとKarakoram カラコラム 一択でおすすめします。


僕はバインディングに相互性のあるVoileを使っていますが重くて、組み立てにちょっと時間がかかります。


なぜ使っているか?というとヨネックスのステップインシステムを使っている為です。



付属のクイバーコネクターを手持ちの他のボードに付けていれば、工具ナシでバインディングを簡単に付け替えることも可能です。



これから揃えるのであればKarakoram カラコラムがおすすめです。動画もリンクしていますので参考にしてみて下さい。


Karakoram カラコラム CONNECT SPLIT KIT 2.0 20-21

カラコラム インターフェース

作りの良さと軽量さを考えたらやはりカラコラムです。僕はバインディングとブーツはステップインを使っているので、専用バインディングになるこのシステムは使えません。残念~


Karakoram カラコラム CONNECT SPLIT KIT 2.0 20-21 コネクトスプリットキット スプリット ビンディング バインディング パーツ


Karakoram カラコラム LAYBACK レイバック 20-21 Sサイズ Mサイズ

Karakoram カラコラム LAYBACK

カラコラムの中でもレイバックという名前のとうり比較的柔らかめのバインディングです。サーフ感覚を求めるならこれです。別売りのインターフェースに爪先のアタッチメントが付属していますので、スプリット対応になります。クイバーコネクター は板2台分付いてきますので手持ちのソリッドボードに取り付ければ、同じバインディングで使いまわすことが可能です。


Karakoram カラコラム LAYBACK レイバック 20-21 クイバー スプリット ビンディング バインディング Sサイズ Mサイズ


北海道のアウトドアショップ、パドルクラブ手稲店さん(011-686-5885) の動画です。


KARAKORAM カラコラム QUIVER Connector クイバーコネクター

Karakoram カラコラム クイバーコネクター

PRIME Connectシリーズのバインディングには板2台分のクイバーコネクターが付属してきますが、さらに追加で必要となった場合は、別売りのクイバーコネクターがあります。

KARAKORAM カラコラム QUIVER Connector クイバーコネクター スプリットボード ビンディング 【早期予約】【正規品】


株式会社ハスコ・エンタープライズさんの動画です。


カラコラムのバインディングシステムに関しましては、こちらでもさらに詳しく全モデルを紹介していますので、参考にして頂ければ幸いです。


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おすすめのクライミングスキン


クライミングスキンに関しては2タイプ紹介させて頂きます。どちらもハイトラクションタイプで雪の斜面でよくグリップしてくれます。


ブラックダイヤモンド アセンション スプリットボード・STSスキン [140mm] 【☆】【CP】

ブラックダイヤモンド アセンション スプリットボード・STSスキン

3月の黒岳の山頂直下のクラストした急斜面で僕達はスノーシューの爪を立てながら登っていたところ、その横をこのオレンジのクライミングスキンを付けたテレマーカー(女子)がスキーアイゼンも付けずに涼しい顔で登ってゆきました。


山頂で思わずクライミングスキンは何を使っているかを訊いたといころ「ブラックダイヤモンドのオレンジ」という答えが返ってきて「色々使ったけど、これが一番!」とのことでした。僕も機会があったら是非使ってみたいスキンのひとつです。


ブラックダイヤモンド アセンション スプリットボード・STSスキン [140mm] 【☆】【CP】


G3 NEW 環境にやさしい スプリットボードプラスユニバーサルスキン 140mm

G3 NEW 環境にやさしい スプリットボードプラスユニバーサルスキン

防水加工がされ改良されたG3のクライミングスキンです。シリーズ中最もグリップ、グライド、重量、耐久性のバランスに優れ、環境や人に優しいグルーを使用たモデルです。僕の使っているG3からさらに進化した製品でおすすめです。


G3 NEW 環境にやさしい スプリットボードプラスユニバーサルスキン 140mm S/M(144-162cm) M/L(154-172cm) 7401046 シール クライミングスキン バックカントリー


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おすすめのトレッキングポール


スノーシューでバックカントリーに入っていた場合にはすでにトレッキングポールをお持ちかと思いますが、新に購入する必要はありません。そちらを使って下さい。ここではごく一般的な3段式のトレッキングポールを1点紹介いたします。


MSR エムエスアール ダイナロックエクスプローラー 40240

MSR エムエスアール ダイナロックエクスプローラー 40240

MSRのトレッキングポールです。ポールを短く持った時に握りやすい拡張EVAグリップが付いているというのがポイントです。斜面をトラバースする時など左右の長さを変えることなく使うことが出来、意外と重宝します。


正規品 MSR/エムエスアール〔スキーポール・ストック〕MSR エムエスアール ダイナロックエクスプローラー 40240 アウトドアストック【即日〜3日以内発送】



スプリットボードの向く山、向かない山


スプリットボードを担ぐことになるアルパインエリアは苦手 当然のようにスプリットボードは雪山万能ではないので向く山、向かない山があります。具体的にはアイゼンを使うようなアルパインエリアでは、最後までクライミングスキンで行けることは稀で、大体は途中からはスプリットボードを担ぐことにります。


担ぎが長いと色々なパーツが付いて重たくなっているスプリットは不利で、こういう山は向かないと言えます。


スプリットボード利尻山

アルパインエリア以外の山は全てスプリットボード向きとも言えます。特にアプローチが長く奥深い山スキーが向いている山はスプリットボードの機動性が生かせる得意とする山です。


基本的に山スキーが向いている山は、スプリットにも向いていると僕は考えています。その中でも条件によってはスノーシューを使ったり、アイゼンを使った方が楽な場面もあるよ。という感じです。


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スプリットボードの滑走フィーリング


スプリットボードに乗る前は、1枚の板を割ってるんだから合わせても柔らかいフィーリングになるのかな?と思っていましたが、パウダーでの感覚は何も変わらずでした。



パウダーでは良く浮くし走る


これは雪面からの抵抗が小さいので当たり前と言えば当たり前なのですが変わらず浮くし、ターンも軽い。


スピードも乗るし派手にスプレーも上がります。普段使いのソリッドボードとの違いは特に感じられませんでした。


スプリットボード利尻山


圧雪面では僅かながら板の重たさを感じるが..


次に圧接面(ゲレンデ)での通常クルージングですが、こちらもドリフトでのターン、カービングでのターンどちらもソリッドの板との滑走感覚の違いは感じられません。


ただ若干ですが板の重さを感じます。ですがこれが滑りに影響するという事はありませんでした。


色々なパーツが付いていて確かに重くはなっています。


リフトに乗る時やスケーティングの時に「ん?ちょっと重いか?」という感じです。



滑走フィーリングは元々その板の持っている基本性能が出る


当然の事なのですが、滑走感覚についてはスプリットボードだから変わるというものではなく。


そのボードが元々持っている基本性能がそのまま出ます。なので普段使いの板に近いものを選ぶと違和感無く乗れると思います。


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スプリットボードまとめ。


僕がバックカントリーにスノーボードを持ち込むようになった当初はアルミ製の「ワカン」で登っていました。


その後、海外からスノーシューが入ってきて随分と便利なものが有るんだなと思ったものでした。



そうして今、スプリットボードという道具を手にした時に、やはり雪山での移動手段はスキーにシールという形が一番効率がいいように思っています。



なにより体が楽ですし道具に無駄がありません。



道具なので使うメリット、デメリットと考えがちですが、視点を変えて、この道具を使うことで楽しめるか、そうでは無いかと考えると、間違いなく楽しめる道具ですし、山でも機動力が上がり可能性も広がります。


是非、試してみることをお勧めいたします。




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