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北海道の山と登山

北海道の山と登山


冬の間は良い雪を求めて山に入っていますが、夏も波の無い日などは登山をしています。北海道の山は北に位置しているため標高1000m程で森林限界に達し、低い山でも高山帯の雰囲気が味わえます。北海道の山の特徴としてはアルプス的景観の山は少ないですが、険しい渓谷を持つ日高山脈、スケールの大きな大雪山など、地域により個性の強い山が多くあります。シーズンの短い夏山は登山者でそれなりの賑わいをみせますが、メインのコースを外すと殆ど他の登山者と行き会うこともありません。


森林の殆どが国や道の官有林で占められているため、登山のアプローチに制限があったり山小屋など山岳施設が少ないのも北海道の山の特長です。本州の山にある営業小屋のような施設は北海道には無く、かろうじて夏山登山シーズンだけ管理人が居る避難小屋も数えるほどしかありません。さらに渓谷からしか登れない山や、そもそも登山道自体が無く、冬でなければ登れない山も数多くあります。また逆に、夏には林道を利用して奥深く入れた山も、冬には深い雪に閉ざされ日帰り出来た山も数日がかりとなってしまうことも珍しくありません。


北海道の山は本州の山に比べ、圧倒的に情報が少なく、未知の山域もあります。冬はスキーやスノーシューを使いピークを目指し、その斜面にラインを描くのも北海道らしい冬の登山と言えます。もう未知の山域は日本に存在しないと思われていますが、北海道にはまだまだ登山者の足跡が薄い山もあります。また、そこまでは...と言う方でも日本一早い紅葉を大雪山で手軽に紅葉登山を楽しむコースもあります。ここではそんな北海道の山の気象や山の様子を紹介しています。


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■ 北海道の山の四季

日本海側の北海道の山は積雪が非常に多く、さらに雪解けも遅く6月までは低山でもその殆どの登山道は雪の下です。7月になると、雪渓を残しながら北海道の山も夏山シーズンに入ります。これに先立ち6月中旬~大雪山、知床、十勝岳、羊蹄山などで山開きが行なわれます。雪渓が消えたあとには高山植物が咲き乱れ、お花畑があちらこちらに現れます。北海道の山はその緯度の高さにより標高1000m足らずで高山植物が見られる所も少なくなく、礼文島では標高0mで高山植物のお花畑が確認出来ます。北海道の夏山シーズンは短く7月~8月で終わります。


9月になると日本一早い紅葉が知床連山や大雪山で始まり、山頂付近では初冠雪が見られるのもこの時期です。「大雪山には夏と冬しかない。」と言われるほど北海道の高山帯の秋は短く、ミゾレが降ったり雪に見舞われたり、そうかと思えば小春日和の中、紅葉を楽しめたりと変化に富んだシーズンが北海道の秋の短い登山シーズンです。10月中旬には山頂から山腹に雪が降りてきて本格的な冬山シーズンに入ります。11月中旬~末には大雪山やニセコ、富良野などの大規模スキーリゾートが営業を開始し賑わいをみせることになります。


12月~2月の厳冬期の北海道の山はエキスパートだけに許された世界となります。北海道の山は高くても2000m程ですが。緯度が高いため本州の3000m級の山と同等の気象条件となります。しかしそこに降り積もる雪はバックカントリーに入る者には待ちわびたパウダースノーであり、短い厳冬期の登山シーズンインとなります。3月になると日も長くなり天候も安定してきますので、ちょっとだけ気が緩みがちとなりますが、山の最大積雪深度はこの時期になるので登山時の雪崩には十分な注意が必要です。


4月に入ると気温も上がり、残雪期の春山登山シーズンとなります。夏道のない山へも残雪を利用して自由に登ることも可能となります。4月~6月にかけては山麓から、山頂へと雪解けが進み、登山道が部分的に雪の下から出てきますが、意外とルートファインディングが難しいのもこの季節です。また2000mあたりの大雪山などはまだまだ冬山の様相で登山装備もそれに準じた冬のものが必要となるので注意が必要です。


白雲岳から見るゼブラ

7月初旬 白雲岳から見るゼブラ雪渓


■ 北海道の山小屋、避難小屋

登山口にある山小屋に関しては管理人が居て有料で予約が必要なところと、無料で自由に使用可能なところがあります。前者は夏の期間だけ管理人在中で冬は閉鎖されるところが多く、暖房と水は確保されますが寝具や食事の提供はありません。後者は原則無人ですのでストーブなどの暖房器具も登山者自身で責任をもって使用します。薪などが用意されていれば、かなりラッキーと言えます。山岳会や大学、役場など管理者に使用の許可を得るとともに施設は何があるのか確認も必要です。


山中の山小屋も予約が必要な幌尻岳の幌尻山荘、空沼岳の万計山荘、札幌岳の冷水小屋がありますが、いずれも小屋直通の電話はなく管理者への予約となります。その他、多くの避難小屋がありますが、基本的に中の施設は何もありません。水も近くの雪渓から調達という場合が殆どです。あくまでも避難小屋ですので混んでいる場合は横になって休めないなんてこともあります。いずれにしても予約が出来ないということは、混雑して入れないということも起こりえるのでテントやツエルトなども併用して用意しておくと安心です。


【北海道の山と登山口の山小屋】


・羅臼岳 木下小屋 開設6月~9月 管理人在中 有料:素泊まり 木下小屋HP


・斜里岳 清岳荘 開設6月中~10月中 管理人夏期在中 有料:冬季閉鎖 斜里岳登山情報


・大雪山旭岳 北鎮岳 愛山系ヒュッテ 5月中~10月上 有料:温泉あり 愛山渓温泉HP


・十勝岳 白銀荘 通年開設 管理人在中 有料:温泉あり 白銀荘HP


・南暑寒岳 南暑寒荘 6月中~10月中 管理人夏期在中 有料:冬季閉鎖 雨竜町HP


・暑寒別岳(暑寒別コース)暑寒小屋 通年開設 夏期昼間のみ管理人常駐 無料増毛観光情報局HP


・暑寒別岳(箸別コース)箸別小屋 通年開設 管理人不在 無料増毛観光情報局HP


・夕張岳 夕張岳ヒユッテ 6月下~9月 管理人夏期在中 有料 夕張岳ヒユッテHP


・手塩岳 手塩岳ヒュッテ 通年開設 管理人不在 無料 士別市HP


・ペテガリ岳 ペテガリ山荘 通年 管理人不在 無料


・神威岳 神威山荘 通年 管理人不在 無料


白雲岳避難小屋

初夏の白雲岳避難小屋


【北海道の山と山中の山小屋】


・利尻山 利尻山避難小屋 通年開設 管理人不在 無料


・利尻山 沓形7合目避難小屋 通年開設 管理人不在 無料


・大雪山旭岳 姿見の池避難小屋 通年開設(非常時以外宿泊禁止)管理人不在 無料


・大雪山黒岳 黒岳石室 6月下~9月下 夏期管理人在中 有料 テントサイト バイオトイレ有り


・白雲岳 白雲岳避難小屋 5月中~10月下 夏期管理人在中 有料 水は雪渓利用


・中別岳 中別小屋 通年開設 管理人不在 無料 水は雪渓利用


・トムラウシ山 ヒサゴ沼避難小屋 通年開設 管理人不在 無料 水は雪渓利用


・十勝岳 十勝岳避難小屋 通年開設(非常時以外宿泊禁止)管理人不在 無料 水無し


・カミホロカメットク山 カミホロカメットク避難小屋 通年開設 管理人不在 水は雪渓利用


・美瑛富士 美瑛富士避難小屋 通年開設 管理人不在 無料 水は雪渓利用


・幌尻岳 幌尻山荘 7月初~9月末 夏期管理人在中 要予約 日高町HP


・ニイカップホロシリ山荘 通年開設 管理人不在 有料(5名以上は要予約)ポロシリ山岳会HP


・羊蹄山 羊蹄山避難小屋 6月中~10月上 夏期管理人在中 有料 俱知安町HP


・芦別岳 ユーフレ小屋 通年開設 管理人不在


・空沼岳 万計山荘 6月中~10月上 土日管理人在中 要予約 まちさぽHP


・札幌岳 冷水小屋 6/1~10/31 休日前管理人在中 要予約 北海学園HP


・無意根山 無意根尻小屋 通年開設 土日管理人在中 北大山スキー部HP


・樽前山 樽前山7合目ヒュッテ 通年開設 通年管理人在中 登山者用の施設ではないので非常時以外は利用不可


参考URL 大雪山国立公園連絡協議会HP 避難小屋・キャンプ場・野営場


黒岳石室

夏の日差しが眩しい黒岳石室


■ 道北の山

利尻山や手塩岳に代表される道北の山は北海道の中でも不思議な魅力を秘めた山域です。登山道が整備された山が少なく公共交通機関が使えない遠い山が多いのも特徴です。そのため自家用車でなければ山に入ることが出来ず、静かな登山が楽しめます。全国の登山者が一度は登りたいと憧れる利尻山は日本のパタゴニアと呼ばれ、その気象条件の厳しさから海外登山遠征隊の訓練の山として登られました。厳冬期からゴールデンウイークまで全国から多くのエキスパートがバリエーションルートを登るべく訪れます。東稜、東北稜、南稜、仙法志稜の各稜と東壁、西壁があり、そこにはさらに数本のバリエイションルートがあり登山者の腕が試されます。


道北の山には冬の季節にこそ魅力を発揮する山があります。「チトカニウシウシ山」や「函山」「諸骨岳」など地味ですが味わい深い山々と言えます。また留萌の南側には暑寒別岳を主峰とする増毛山塊があります。南暑寒には北海道の尾瀬と呼ばれる「雨龍沼湿原」がありますが、その規模は尾瀬よりも遥かに広大なものです。冬季は豪雪地帯として知られ雄冬岳、浜益岳、郡別岳などはシベリア寒気団が入ると猛烈な降雪となり、冬季は経験を積んだ登山者のみに許される山域となります。


利尻山

季節はずれの雪に恵まれたGWの利尻山


■ 日高山脈

日高山脈は北日高、中日高、南日高と3つに別けて呼ばれます。標高の高い山は北日高から中日高にかけて分布していて、バリエイションルートの対象となるエキスパート登山者向けの沢は南日高に点在していています。夏の登山道は少なく、一般の登山者が気軽に登れる山は多くはありません。氷河時代にはこの山脈上にも小さな氷河があり、それにより形成されたカールと呼ばれる地形が今でも見てとれます。日本百名山のひとつ「日高幌尻岳」にも北カール、東カール、七つ沼カールがあり縦走路から望むことが出来ます。


こう書いていくと、日高の山はエキスパートの登山者向きばかりと思ってしまいますが、そうでもありません。日高山脈の南端に位置する「アポイ岳」は襟裳岬から4kmほどのところに位置していて標高も911mと低山の部類に入りますが、その特種な気候のため多くの珍しい植物が生育している人気の山でもあります。また北日高にある「伏美岳」からは北日高の全域と中日高にある「ピセナイ山」からも中日高の全域を望むことが出来、手軽な登山で大パノラマを楽しむことが出来ます。


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■ 大雪山

大雪山はその総面積2300平方キロにも及ぶ日本最大の山岳国立公園です。この面積は神奈川県とほぼ同じで広大ですが、どこからでも登れると言うわけではなく、登山口は限られています。最も登山者に人気があるのが、北海道の主峰「旭岳」をはじめ、「黒岳」「北鎮岳」「熊ケ岳」「北海岳」の山々です。その中でも人気なのは「旭岳」から「黒岳」までの縦走コースで「大雪銀座」と呼ばれるほどで夏山登山シーズンには全国から多くの登山者が訪れます。「旭岳」や「黒岳」にはロープウエイがかけられていて、アプローチが容易なのも人気の1つとなっています。


大雪山は火山性の山群であり、その登山口の殆どに温泉があります。旭岳温泉、層雲峡温泉、愛山系温泉、天人峡温泉、高原温泉、とあり銀仙台にだけ温泉がありません。これらの登山口を結び、各温泉間を縦走するのも楽しい登山になるかと思います。大雪山のベストシーズンはなんと言っても高山植物が咲き乱れる6月~8月上旬で、紅葉は9月初旬~下旬となります。また日本で一番美しい川と言われる「クワウンナイ川」もこの山域にあります。天人峡が登山口となり、その支流の「ポンクワウンナイ川」は大小の滝が連続するコースとして登山者に人気です。


十勝連峰では、北から「オプタテシケ山」「美瑛富士」「美瑛岳」などがあり主峰「十勝岳」「上ホロカメットク山」「山峰山」「富良野岳」と続いています。また上ホロカメットク山から東の稜線続きに「境山」「下ホロカメットク山」などがありますが、いずれも夏の登山道がありませんので、積雪期に雪を利用してでなければ登ることが出来ません。この山域でも山中の宿泊施設は少なく、営業小屋は「黒岳石室」のみで、その他の小屋は避難小屋の性格が強く無人の場合が多くなっていて、施設も最小限のものがあるだけですので注意が必要です。


大雪山沼の平と安足間岳の初冠雪

大雪山沼の平と安足間岳の初冠雪


■ 道東の山の様子

日本列島の東端とになる知床半島は、総面積1000平方キロあり、その地域は日本国内で最も原始の自然を保っている貴重な地域です。知床半島の山も登山道が整備されている山は限られていて、それ以外は沢を登るか積雪期を利用することになります。この半島に連なる山は西から「海別岳」「遠音別岳」「知西別岳」と続き、知床横断道路えお挟んで「羅臼岳」「三つ峰」「サルシナイ山」「オッカバケ山」「硫黄山」などが峰を連ねています。その他、斜里岳もその山様から登山者に人気の高い山であり、阿寒の自然の中にある「雌阿寒岳」「雄阿寒岳」も訪れてみることをお勧めします。


■ 夕張山地

夕張山地には人気の高い山が二つあります。ひとつは花の名山として知られる「夕張岳」です。一方の「芦別岳」はこの山域の最高峰で、富良野盆地を見下ろすようにそびえています。さらにその西には、石灰岩の岩峰が見事に連なる「崕山」がありクライミングの舞台の山として人気です。同時に貴重な高山植物の宝庫でしたが、林道が奥に延び、容易にアプローチ出切るようになったため盗掘の被害が大きくなってしまったのは残念なところです。


■ 道南、ニセコ、積丹の山

渡島半島の南にキリシタン殉教の地として知られる「大千軒岳」があり、大きな十字架が立っているのが有名です。この「大千軒岳」の周囲は「中千軒岳」「前千軒岳」などがあり、半島の北にはスキーリゾートで有名なニセコ連山、この地域最高峰の羊蹄山などがあり登山道も比較的整備されていて、訪れる登山者も多い地域です。北西の日本海側にはキロロリゾートのある「余市岳」を最高峰とするに積丹山塊のある積丹半島があります。この半島には「積丹岳」「余別岳」「珊内岳」など魅力溢れる山がありますが、残念ながら登山道があるのは「積丹岳」のみとなっています。


余市岳

厳冬の余市岳南斜面を滑った後のコルへの登り返し


■ 札幌近郊の山

北海道第一の200万都市札幌。その南西方向には1000m前後の山が数多くあります。これだけの大都市の近くに、自然の山があるところは世界的も珍しいと言われています。この地域の山々は、スキー登山とともに開拓され、北海道大学の学生やOBたちが歴史を築いてきました。今では、その殆どの山に登山道が整備され、休日には多くの登山者で賑わいます。また、支笏湖周辺には「漁岳」、冬季オリンピックの滑降コースが一時的に作られた「恵庭岳」「樽前山」「風不死岳」などがあり、山と森と湖の自然美を形作っています。


■ 北海道の山まとめ

北海道の山といっても、北海道は広く道北の山と道南の山では、まったくその山様は違いますので、ザックリとではありますが道内各地域の山の様子を説明してみました。北海道の山と本州の山の違いなどを、よく訪ねられますが一番の違いは人の少なさかな。と思います。よって比較的静かな登山を楽しめるのと同時に人が少ない分、何かのアクシデントがあった場合の殆どは登山者自身で対処しなければいけません。ですがそれとても山の魅力の1つといえない事もありません。北海道の登山者の間にはこんな言葉があります。「羊蹄山に登って山の高さを知れ。大雪山に登って山の広さを知れ。」皆さんも是非この魅力溢れる北海道の山に登って楽しんで下さい。


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