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雪山の歩き方、休み方

雪山の歩き方、休み方


雪山といえども基本的には夏山と歩き方は変わりません。ここではそのペース配分や休憩の取りかたなどを説明してゆきます。よく山で見かけるのですがトップが後続を大きく引き離して登っているパーティーがいます。これではパーティとしてのまとまりが無く、後続で何かアクシデントが起きてもトップが気が付くのが遅れ、対応出来ないなどの事態になりまねません。またパーティーには色々な体力の人や、経験値の人がいます。そこを考慮したペース配分をしないと体力の弱い人がバテてしまい、結果的に目的地に辿り着かなかった。などということも起きてきます。


まずソロ、パーティーを問わず基本的なペースがありますので説明してゆきます。登り始め30分は体が温まっていない為、ゆっくりとしたペースで歩きます。この30分以内(15分位が適当)で衣料調整をします。登り始めでは寒いので着ていたジャケットも暑くて脱ぎたくなるころです。大量の汗をかいてしまう前に必ず全員で衣料調整をしましょう。その後は30分おきに5分程度の休憩、60分目には10分程度の休憩を入れ目的地を目指します。


パーティーでの行動では通常は体力差があるメンバーが混在します。この場合の先頭はルートを知っているサブリーダーが勤めます。その後ろには一番足が弱い人、経験の浅いメンバーを配置します。そうして順次足、体力の弱いメンバーを配置し、その間には経験のあるメンバーを挟んでゆきます。最後尾はパーティーの代表者、一番経験のあるチーフリーダーが勤めます。


先頭のサブリーダーは、すぐ後ろの足の弱いメンバーのペースに合わせたスピードでペース配分してパーティーをリードゆくことが重要ですが、常に全体を把握するのは難しいので最後尾のチーフリーダーや、中間に居る経験者がパーティー全体の様子を先頭のサブリーダーに伝えます。少人数であれば地声で十分ですが無線があると便利かと思います。


■ 行動食と水分補給

雪山を登るという行為で消費するエネルギーは大変大きく、これを全て行動食で補うことは出来ませんが炭水化物を中心に摂ることにより脳や神経系を活性化し体脂肪の燃焼も促進します。出来ればビタミン系なども行動食で補えるとパーフェクトと言えます。休憩時にはキャンディー1個でも口に入れるといいでしょう。このときにゼリーなど水分を多く含んだものは食べ易く水分を摂るといった意味でも価値があります。


少し長めの休憩にはパンなどを口にします。これらはお昼にまとめて食べるのではなく、何回かに分けて食べると脂肪の燃焼にも効果的なのでお勧めです。天候が安定していて昼食時間が確保できる場合はシングルバーナーでお湯を沸かし、カップ麺やコーヒーなどを楽しむのも良いでしょう。長い休憩時には体は冷えがちですが、この時に体の中から温まる食べ物や飲み物は最適です。周りの景色でも楽しみながらノンビリと楽しみましょう。


この休憩時に気をつけなければいけないことがあります。それは休憩に適した場所であるかということです。まず大きな斜面の下は雪崩などに巻き込まれる恐れがあるので避けましょう。次に風当りの強い場所も休憩には適しません。1mの風速で体感温度は1度下ります。ちょっとしたコブの風裏なんかに快適な場所を見つけることが出来ます。最後に日当たりの良い場所を選びましょう。冬山では温かな日差しはありがたいものです。以上のような場所を選んで休憩するようにしましょう。


シングルバーナーとコッヘルがあれば温かなカップ麺やコーヒーにありつけます。カートリッジは冬用のパワーガスを使いましょう。

プリムスシングルバーナー

PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー


■ 体調不良者が出た場合の対応

パーティーで行動中には体調不良者が出た場合の対処方を確認しておく必要があります。まず前の人と10m以上離れたり歩く速度が極端に落ちた場合は本人を止めてまず休ませ、落ち着いたところで事情を訊きます。勿論、このときに何かの症状などが出ていないかを観察します。ただの疲れならパーティーを止め休憩をとらせた後、すぐに使わない物や重たいものをサブリーダーやサポートに預けます。本人は遠慮しますが強引にでも荷を軽くしてもらいます。


これは1人が遅いために全体の速度が落ちるのを防ぐためですが、負荷を減らしても登る速度が回復しなければ、そのまま登るのか下山するのかを考えなければいけません。夏山の場合はサポートを付けて下山させますが、冬山の場合は全員下山という判断を僕は下します。何らかの理由で行動不能になった場合にサポート1人では対応しきれない場合が殆どであり、このときに救助を要請するにしても全員の共同装備があれば、救助が到着するまでの時間を何とか耐えれるからです。


■ ルートを見失った場合の対処方

冬山の場合、細心の注意を払っていてもルートを見失うことはあります。吹雪などで視界が悪い雪原や広い尾根上ではGPSがある場合を除いてはルートファインディングの限界を感じます。この場合はパーティーを止め全員を集め「ルートミスをした可能性がある」ことを伝えます。次に現在位置を確認出来る最終地点まで戻ります。夏山、冬山を問わず位置確認が出来る場所まで戻るというのが大原則です。けっしてそのまま進んではいけません。


■ 不時のビバーク

ルートを失って日が暮れたり、負傷者が出て行動不能になった場合などで冬山で1夜を過す場面を考えてみます。ビバークに至る理由は色々ですが判断は明るいうちにしなければいけません。これから迎える長い夜を耐え抜くためにも精神的なゆとりが欲しいからです。日が暮れて暗闇の中で切羽詰ってビバークに入るのでは十分な準備が出来ません。まずツエルトがあることが大前提となりますが、風雪が強い場合は雪洞を掘ることも考えなければいけません。


まず場所の特定ですが風雪を避けられる場所でなくてはいけません。その意味から稜線上は風も強くビバークには向きません。稜線から風下側に少し下った樹林帯などがビバーク適地となります。雪洞が掘れれば中は、外気がどんなに冷えても-5度前後以下には下らないことも覚えておきましょう。風の影響もなくいたって静かな夜を過すことが可能となります。シングルバーナーがあれば温かな飲み物で暖を取ることもできます。


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