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ディマシオ美術館

ディマシオ美術館 その世界観に圧倒される


こちら方面に波乗りに来たついでに、かなりの確立でこの美術館には寄ります。というのもこの世界観が好きなのと、美術館があるこの美しい自然が好きで都会暮らしの心が癒されます。この記事を書いている2019/6/6で4回目の来館となります。以前、訪れた時には休んでいたレストランが営業を再開していたり、世界最大の油彩画で行われる光と音楽の神秘的なアトラクションがあったり、新たな硝子の美術館が出来ていたりと、初めて来たかのように楽しめました。


ちなみにこの大きな油彩画は縦9m、横27mあり1人の作家がキャンバスに描いたものとしては世界最大です。初公開は1997年にチュニジア政府の要請でカルタゴの大聖堂で行われ、それ以降は公には公開されたことが無く、幻の大作となっていました。「自分が描き出したいのは、未来における過去のイメージ。たとえば1万年後の世界を2万年後の人が追想したイメージ。」そんなディマシオの代表作200点以上がここ北海道で観られます。それはパリにも東京にもありません。


ディマシオ美術館

■ Gerard DI-MACCIO ジェラール・ディマシオについて


ジェラール・ディマシオは1938年アルジェリアで生まれました。イタリア人の父とスペイン人の母をもち国籍はフランス。日本には1988年に初めて公開され細密に描かれた人物像や、極めて写実的なタッチで描かれた、未来とも過去とも思える幻想的な未知の世界は当時の日本でも熱狂的なファンを生み出しました。92年~93年にかけての全国8会場を巡回した展覧会では約25万人を動員しました。2010年には北海道新冠町太陽にて「太陽の森 ディマシオ幻想美術館」をオープンさせ。現在はロンドンに在住です。


「自分が描きだしたいのは、未来における過去のイメージです。たとえば1万年後の未来を2万年後の人になったつもりで想いを馳せた世界。そこには明るい希望と暗い予感の両方を探ってみたい。」ディマシオは自身の作品をこのように表現しています。美しさと邪悪が同居する彼の世界は低俗で雑多な現世の写し画とも言えるかもしれません。解剖学や建築学にも精通した彼の作品は「ダリの夢が具現化された。」とも言われています。


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■ ディマシオの作品にはタイトルがない。

館内には200点以上のディマシオの作品が展示されていますが観ているうちに、あることに気が付きます。それはどの作品にもタイトルが無いことです。作品は、彼自身の幻想であるため「タイトルをつけると作品を見る人が現実の世界に引き戻されてしまい、個性と想像力が損なわれてしまうから。」という説明書きがありあした。またその作品の人物には瞳が描かれていません。真っ暗で眼球が無いにもかかわらず、その作品からはある種の眼差しに似たものを感じ不思議です。


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またディマシオの画は使われている色が少なく、作品によっては同一の色調によって描かれています。そこには生活感が感じられず時代、場所、空間の背景がつかめず生命の息吹すらあいまいで、それは存在はしているが体温のない美しくミステリアスな彫刻のようにも感じられます。「多くの色を使うと、空間が無くなり、表現する力が無くなり、絵は死に絶える。キャンバスは一つのものです……別々になってはいけない。」と、説明書きにありましたが、そこまでいくと僕には理解不能でした。


さらにディマシオの画を観ていると気が付くことがあります。画面に何か破片のような物が描かれていることが少なくありません。こういう表現は今まで見たことがなく、何なのか不思議に思いますが、その破片にはスピード感が無く、何かが砕け散ったということではないようです。ただそこに存在、浮遊しているように感じるので無重力を表現しているのかもしれませんし「作品の構図にバランスと方向性、遠近感を与えている。」と説明書きにありました。


父の日

■ ルネ・ラリック展示スペース

以前には無かったのですが新たにルネ・ラリック展示スペースが新設されていました。ルネ・ラリック(1860~1945)は1893年にパリ装飾美術中央連盟主催のコンクールで2位に入賞。さらに1900年パリ万国博覧会に作品を出品すると、大変な人気を博します。これが期となり、世界中の美術館がラリックの作品を買い求めるようになりました。1908年、香水商であり、実業家、富豪のFrançois Cotyより香水瓶とパッケージデザインの依頼を受け、パリ東南にガラス工場を借りてガラスの量産を本格的に始めます。後にオリエント急行の客車などのインテリア(ダイニングルームなどのガラス天井、装飾パネル)を担当したことでも有名です。


ルネ・ラリック

またこれも以前には無かったのですが元小学校のプールをリノベーションして「太陽の森美術館」も新設されていました。ここにもルネ・ラリックの作品が多数展示されていますので是非、見に行って下さい。ラリックの作品は動物、女性像、花などアール・ヌーヴォー時代に好まれたモチーフが多く見られます。素材としては乳白色で半透明のオパルセント・グラスを好んで使っていました。これは、光の当たり方によって色合いが微妙に変化するもので美しく宝飾品に向いた素材です。


ルネ・ラリック

■ ディマシオ美術館 開館情報

以上のような素晴らしい展示物がここ北海道の美しい自然の中で観ることが出来ますので時間を作ってでも是非、訪れて下さい。何度も書きますが、これはパリでも東京でも観ることが出来ません。なお公式HPで割引クーポンがあり¥1100→¥950円となりますので忘れずに!また現地でアンケートに記入するとポストカードが1枚もらえます。さらにレストランでは無料のドリンクサービスもありますので是非利用して下さい。美味しいコーヒーが飲めます。


開館日 2019年3月30日(土)~2019年11月24日(日)の木・金・土・日・祝

無休期間 4月25日(木)~5月6日(月)、7月18日(木)~9月29日(日)無休期間は月・火・水も開館しています。

開館時間 9:30-16:30(16:30まで入館できます)

所在地 北海道新冠郡新冠町字太陽204番地の5

TEL 0146-45-3312

ディマシオ美術館 公式HP


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